なぜ無能な人は「自分最高」と思うのかをムービーでわかりやすく解説


これまでの研究で、人は自分の能力を正確に評価することに失敗する傾向があり、特に能力や技術がないほど自分の能力を過大評価する傾向があるとわかっています。なぜ人はこのような判断ミスを犯してしまうのか、そして正しく自分の能力を評価するにはどうすればいいのかが、TED-Edのアニメーションで解説されています。

Why incompetent people think they're amazing - David Dunning - YouTube


「お金のマネージメント」「人の気持ちを読むこと」「健康」など、自分はこれが得意だ、と考えているものは何でしょうか。


「自分はどれくらい優れているのか」を知っていると、直感を信じる部分や意志決定、あるいは人からアドバイスをもらうべき場面などを見分けられるようになります。


間違っている部分があった時に……


適切に修正できるようになるわけです。


しかし、これまでに行われた心理学の研究で、人は自分の能力を正確に評価するのがヘタだということがわかっています。


私たちはしばしば自分の能力を過大評価してしまうのです。これを「ダニング=クルーガー効果」と呼びます。


過去に行われた100以上の研究で、人々はまやかしの優位性を示し、「自分は人よりも優れている」という判断を行うという結果が示されています。ダニング=クルーガー効果はこれらの研究結果の説明を行うもの。


例えば、あるソフトウェア企業では、エンジニアらが自分自身の能力を評価するという調査が行われました。企業Aでは32%のエンジニアが自分たちの能力を「トップ5%」だと評価し……


企業Bでは42%のエンジニアが自分自身を「トップ5%」だと評価。これは数学的に見ておかしな事態です。


また、アメリカでは88%の車の運転手が「自分は平均以上の運転能力を持っている」と評価しているという結果も示されています。このようなことが健康・リーダーシップのスキル・倫理的かどうかの判断など、あらゆる場面で起こっているわけです。


また、興味深いのは、能力がない人ほど自分の能力を過信する傾向になるということ。論理的推論、文法、金融に関する知識、数学、心の知能指数、ラボでの医療テスト、チェスにいたるまで、本当のエキスパートよりも、エキスパートではない人の方が「自分自身はその分野に精通している」と評価しがちだとのこと。


ではどのようなタイプの人がこのような幻想を抱きやすいのか?というと、残念なことに、私たちはみんなこの傾向を持ってます。私たちの多くが「自分が認識していない苦手なこと」を持っているからです。

デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーという2人の研究者が初めてこのことを発表したのは1999年のこと。彼らは、「人々は特定のエリアに関して知識やスキルを持たないが故に2つの災いを受ける」と考えました。


1つは、知識や技術がないが故に、人は間違いを起こし誤った決定を行うということ。たとえばギターを演奏している時に……


知識や技術がない人は、満足な演奏をすることができません。


さらに悪いことに、能力が低い人にとっては、自分の演奏のひどさに気付くことすらも難しいもの。そのため、ひどい演奏であっても憶することなく延々とプレイし続けてしまう事態が生じます。


ある研究では、大学生たちを2つのグループにわけて、ディベートのトーナメントを行ってもらいました。


すると、予選で行われた5試合のうち4試合に負けた下位25%の中には、「自分たちは勝利した」と考えている人が60%近くもいたそうです。


ディベートにはバスケットボールのようにルールが明確ではないため、生徒たちは議論がどの時点でどのように破綻したかが分からなかったのです。


しかし、別の研究では論理クイズで悪い結果を出した生徒たちに論理に関する講義を受けてもらったところ、生徒たちは自分のパフォーマンスについて低評価を下すことが分かりました。


つまり、経験や専門的技術を積み重ねること、言い換えると「知らないということを十分に知る」ことで、人は自分を過大評価しなくなるのです。


そして、自分の知識量を正しく把握している専門家は、アマチュアとは異なる間違いの犯し方をします。すなわち「自分の知っていることは人も知っている」と考えてしまうのです。自分は丸くて、他の人々はさまざまな形であっても……


「みんな丸いだろう」と考えます。1つの物事に関して、ヘタな人も専門家も、いずれもが正しい自己認識に失敗します。能力がなければ自分の失敗に気づけず、能力が高いと自分の能力の高さに気づけなくなるのです。


ダニング=クルーガー効果は、外からだとよくわかりますが、自分自身だとなかなか気づけません。では、どうすれば正しい自己認識が行えるのでしょうか。


1つの方法は「他にフィードバックを求める」というもの。その際、耳に入れたくないことでも聞いてしっかりと考えを巡らせます。


そしてより重要なのは「勉強を続けること」。より知識を得るようになれば、まやかしの優位性に捕らわれることも少なくなり、物事を正しく認識することが可能になるわけです。

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in 動画, Posted by logq_fa