サイエンス

新しいスキルを今までの2倍の速度で身につける方法

by Barky470 (7,400,000+ Views)

「うまくなるには繰り返すしかない」ということで、ピアノやスポーツの技術を身につけるためには、「とにかく練習に時間を割く」という考えが一般的ですが、新しい研究によって大切なのは「時間」ではなく「練習方法」であるという結果が示されました。練習方法によってスキルを習得するまでの時間に2倍も差がでることもあるようです。

Scientists have found a way to help you learn new skills twice as fast - ScienceAlert
http://www.sciencealert.com/scientists-have-found-a-technique-that-helps-you-learn-new-skills-twice-as-fast

これまで、楽器の演奏やスポーツといった運動スキルを身につけるには、何度も同じ練習を繰り返さなければならない、という考え方が優勢でした。しかし、ジョンズ・ホプキンス大学のPablo Celnik教授によると、これらの技術を取得するのにより効果的で、かつ楽しんで行える方法は存在するとのこと。

by Christine Turiano

研究チームは被験者86人を3つのグループに分け、「マウスを使う代わりに特殊なデバイスを『搾る』という方法で画面のカーソルを動かす」という新しい技術を45分にわたって練習してもらいました。いったん練習を切りあげ、6時間後、1つ目のグループには1回目と全く同じ方法の練習を、2つ目のグループには1回目と少し違った動きが必要な練習を行ってもらい、3つ目のグループには2回目の練習が用意されませんでした。

最終的に被験者全員に「カーソルをどれだけ速く正確に操作できるか」というテストを実施したところ、最も結果がよかったのは2つ目のグループで、1つ目のグループの約2倍の正確性とスピードを身につけていたとのこと。もちろん最も結果が悪かったのは3つ目のグループですが、1番目のグループとの差は25%ほどでした。

一度は長期記憶として安定化した記憶が新しい知識によって不安定な状態に変化し、そして再び安定した状態に戻る神経システムを「Reconsolidation(再固定化)」と呼び、長年の間、再固定化は運動スキルを身につける上で重要な役割を担っていると信じられていましたが、具体的な実験での証明は行われていませんでした。練習と練習の間に6時間のブランクをあけた今回の実験で、再固定化が運動スキルの習得に役立つということが証明されたわけです。

by Scott Ingram

Celnik教授は、運動スキルの取得に関しては練習に少し変化を加えること、つまりバットやサッカーボールの重さを変えることなどを推奨しています。あまりにも変化が大きすぎると再固定化の利益が受けられないということなので注意。

ただし、研究チームは、今回の研究は非常に小規模のものであるため、人々が効率よく運動スキルを身につける方法を発見するには、さらなる研究が必要だとしています。

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in サイエンス, Posted by logq_fa