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「優れたグラフ」に隠れた科学をどれだけ理解しているかを確かめるテストが公開中

by 200degrees

説得力のあるプレゼンを行うためにグラフやチャートを使うことは効果的ですが、ヘタに使ってしまうと逆効果になることも。そこで、グラフやチャートを使う上で知っておくべき「いいチャートの背後にある科学」をFinancial Timesがクイズ形式で解説しています。

The science behind good charts
https://ig.ft.com/science-of-charts/



最初に表示されたのは円グラフ。「3番目に大きいセグメントはどれですか?」と共尋ねられるので、「これだ!」というものをクリック。


すると、次の問題に移ります。問題は同じですが、円グラフが異なっているので、グラフをじっと見つめて「3番目に大きいセグメント」を示すアルファベットをクリックします。


同様の問題が5問続き、下部にはこれまで回答した問題の正・誤が示されます。比較的、簡単な問題もあれば難問もあり……


全5問の問題が終わると、5問中何問に正解したのかが示されます。4問正解の場合は「50%の読者よりも高いスコア」とのこと。


チャートやグラフを効果的に使うことは、いいプレゼンテーションを行う上で非常に重要です。上記の問題を解くことで、まず、頻繁に使われる円グラフを正しく読み取ることがいかに難しいかがわかるはず。最新の研究では、人は円グラフを読み取る時にセグメントの面積・外側の弧の長さ・中心の角度などのいずれか、あるいはいずれをも使うとのこと。円グラフの読み取りは、非常に複雑なエンコーディングの作業になるわけです。

一方で、棒グラフはベースラインがそろっているため、円グラフよりも比較が楽に行えます。

棒グラフのクイズも回答方法は同じで、3番目に高いバーがどれかボタンをクリック。


全5問中、5問正解。「10%の読者よりも高いスコア」とのことなので、やはり円グラフよりも全体的に正解率は上がっています。


以下のような感じで、平均スコアと共に、自分のスコアが全体のどれくらいに位置しているのかも示されます。


「円グラフは絶対に使ってはいけない」というわけではありません。円グラフは部分と全体を関連させて見せることを得意としますが、見る人を混乱させることもあります。ただし、円グラフを「3Dにしよう」などとは考えてはいけないとのこと。

そして、円グラフが棒グラフよりも見た目がいいように、円よりは球の方が視覚的なアピール力は強くなります。しかし、球体のサイズは視覚的に非常に理解しづらいもの。以下のクイズでは2次元と3次元のグラフ比較がいかに異なるのかがわかります。

まずはAのグラフがBの何倍の高さであるかを答える「2次元」のクイズ。「+」「-」で数字を調整して「Save your answer」をクリックしていきます。


しかし、AはBの面積の何倍の面積か?という質問に直感的に答えたり……


AはBの何倍の体積か?という問題に答えたりするのはほぼ不可能。


2019年1月には、18インチ(約45.7cm)のピザが12インチ(約30.5cm)のピザ2枚より大きな面積であることを説明するツイートは、「そんなわけがない」という驚きもあり3万件以上のリツイートと7万件以上の「いいね」を得て話題となりました。このことからも、人が直感的に円の面積・球の体積を理解することの難しさが伺えます。

Here's a useful counterintuitive fact: one 18 inch pizza has more 'pizza' than two 12 inch pizzas pic.twitter.com/hePSpG0pJs

— Fermat's Library (@fermatslibrary)


そして最終問題は、文字の下に示されているバーがグラデーションかどうか?を比べる2択でした。この問題は、人の目が、グラフ以外のグラフィック要素から受ける影響の大きさを示すもの。


上記のテストからわかるように、データを効果的にみせるためには、人がどのように視覚情報を読み取り、誤読するのかを理解する必要があります。円グラフは200年以上前から使われていますが、データを視覚化することの有用性が研究されだしたのはごく最近です。データ可視化ソフトウェア会社であるTableau SoftwareのRobert Kosara氏は「データ可視化の背後にある科学に意識を向けることが、グラフィックコミュニケーションの質を上げる鍵である」と述べています。

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in サイエンス,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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