Twitterが青色チェックマーク「認証済みアカウント」の基準を見直すため認証プロセスを一時中断
Twitter上で著名人になりすます行為を予防するために、Twitterは「認証済みアカウント」を導入し、Twitterによって本人と確認されたアカウントに認証済みを示す青いチェックマーク「認証済みバッジ」がつけられます。しかし、この認証済みアカウントの認証基準を巡ってアメリカで大きな批判が集まっており、事態を重く受け止めたTwitterは認証プロセスを一時停止して、認証基準の再設定作業が行われてています。新基準によっては、すでに認証されたアカウントの認証済みバッジが削除されることもあるそうです。
Twitterのユーザーネームは自由に指定できるため、著名人になりすます「なりすましアカウント」の問題がつきものです。そこで採用されているのが「認証済みアカウント」で、Twitterが本人であることを確認したアカウントには青色のチェックマークがつき、なりすましアカウントではないことが明示されています。
本来は著名人へのなりすましを防止するための認証済みアカウントですが、そもそもなりすまされる可能性のあるアカウントは、発言に影響力のある人物や組織であるのが一般的であることから、認証済みバッジ自体が「選ばれし者」という意味にとらえられがちで、一種のステータスシンボルとして機能しているという実態がありました。実際、SNSの本人認証マーク付きアカウントがブラックマーケット上で売買されているという実態もあります。
その認証済みアカウントの基準について議論が巻き起こるきっかけとなったのは、白人至上主義であることを自他共に認めるJason Kessler氏のTwitterアカウントに認証済みアカウントを示す青色チェックマークがついたこと。
Kessler氏はすぐに「見ろ、ついにTwiterに認証されたぜ。労働者階級の白人至上主義者では唯一の認証済み取得者にちがいない」とツイートしています。
Looks like I FINALLY got verified by Twitter. I must be the only working class white advocate with that distinction. pic.twitter.com/IMXqtmhgvn
— Jason Kessler (@TheMadDimension) 2017年11月7日
Kessler氏は白人至上主義というイデオロギーに基づいて過激な発言をすることで知られている人物ですが、以下のツイートには、2017年8月に白人至上主義に抗議するデモ中に暴走車にはねられて死亡したHeather Heyerさんを「嫌悪すべき肥満の共産主義者」とののしるツイートをしていることが批判されています。
This is the organizer of the Unite the Right rally where Heather Heyer died. pic.twitter.com/MVnJHecLOt
— Matt Pearce (@mattdpearce) 2017年8月19日
Kessler氏のTwitterアカウントに青色チェックマークがつくと、「白人至上主義者にお墨付きを与えるとは何事か!」という猛烈な批判がアメリカ中でわき上がりました。
Twitter just verified Jason Kessler, the organizer of the Charlottesville neo-Nazi rally. Why do they do this shit? https://t.co/mSeCckeNeB
— Matt Novak (@paleofuture) 2017年11月8日
A day after @Twitter verifies Jason Kessler, who created the white supremacist rally in Charlottesville, he tweets "Rose McGowan should be held accountable for being a thot that will do anything for attention." pic.twitter.com/tAWBu79IfQ
— Ben Collins (@oneunderscore__) 2017年11月8日
.@Twitter, @TwitterSupport: is there a reason why that you decided to verify Jason Kessler? Look how he celebrated it? pic.twitter.com/IqwqQRDdgI
— Jack Sinclair (@jacktweetslife) 2017年11月9日
批判を受けてTwitterはKessler氏の認証済みバッジを除去。さらに、事態を重く見たTwitterは、アカウントの認証プロセスを一時停止するとともに、認証済みバッジの付与基準を見直すことを表明しました。
Verification was meant to authenticate identity & voice but it is interpreted as an endorsement or an indicator of importance. We recognize that we have created this confusion and need to resolve it. We have paused all general verifications while we work and will report back soon
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月9日
「認証済みアカウントプログラムの改定に取り組んでいます」
1 / UPDATE on our verification program and the actions we're taking.
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月15日
Twitterは認証済みバッジが一種の「お墨付き」として機能していることを早くから認識していたのに対策を怠ったことを反省しているとのこと。
2 / Verification has long been perceived as an endorsement. We gave verified accounts visual prominence on the service which deepened this perception. We should have addressed this earlier but did not prioritize the work as we should have.
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月15日
認証済みバッジを与えるべきではない人に与えていたことを反省。
3 / This perception became worse when we opened up verification for public submissions and verified people who we in no way endorse.
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月15日
新基準による新しい認証プロセスに取組中。
4 / We're working on a new authentication and verification program. In the meantime, we are not accepting any public submissions for verification and have introduced new guidelines for the program. https://t.co/j6P0HGXIVq
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月15日
新しい認証基準の下では、すでに認証されたアカウントでも認証済みバッジの剥奪があり得るとのこと。
5 / We are conducting an initial review of verified accounts and will remove verification from accounts whose behavior does not fall within these new guidelines. We will continue to review and take action as we work towards a new program we are proud of.
— Twitter Support (@TwitterSupport) 2017年11月15日
Twitterは火消しと新基準の策定に急ピッチで取り組んでいますが、新しい認証基準を作るという方針については、「なぜ発言や行動によって本人であることの認証を取り消すのか?」という、認証済みアカウントは「なりすましを防ぐ本人であることの確認」が目的であるという根本的な主旨を見落としているのではないかという批判や、「Twitterはエリートクラブをつくるつもりなの?」という新基準によるTwitterのお墨付きは、あらたなステータスシンボルの創出にすぎないという批判が上がっています。
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