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SNSの本人認証マークがブラックマーケットで販売されている


SNSのアカウント名に青色のチェックアイコンが入っていることがありますが、これは「認証バッジ」と呼ばれるアカウントが本人のものであることを証明するマークで、TwitterInstagramFacebookなどに導入されています。この認証バッジがブラックマーケット上で販売されている、と海外ニュースメディアのMashableが報じています。

Inside the black market where people pay thousands of dollars for Instagram verification
http://mashable.com/2017/09/01/instagram-verification-paid-black-market-facebook/


熟練の広報担当者から若いデジタルマーケティング担当者まで、誰でもお金を出せばInstagramの認証バッジを購入できるというブラックマーケットが存在します。こういったブラックマーケットで実際に認証バッジを購入した経験のある人や、認証バッジを販売している人を知っているという人など、複数の情報筋からの情報をまとめると、認証バッジの販売価格はワインボトル1本分から1万5000ドル(約160万円)程度になっているとのこと。ある情報筋によれば、「認証バッジの売人は、ひと月に1、2個の認証バッジを販売している」そうです。

Instagramの場合、認証バッジは著名人や有名人、ブランドであることを示すためのもので、認証バッジ付きのアカウントは、一部の特別な機能にアクセスしたり検索ワードで1番上に表示されたりするという特典を持ちます。さらに、7億人もの月間アクティブユーザーを抱えるInstagramというコミュニティ内におけるステータスシンボルや、インフルエンサー・マーケティングにおける信頼性を得ることにもつながります。

通常ならばInstagramの方針に従ってオンライン上で認証バッジを売買することは不可能ですが、インターネット上のブラックマーケットではInstagramの認証バッジが販売されており、これはインフルエンサーコミュニティにとっては公然の秘密だそうです。


なぜInstagramのアカウントが高く売買できるのかと言えば、誰でも認証バッジを取得しようと思えば取得できるFacebookやTwitterといったSNSと異なり、Instagramでは大手ブランドとスポンサーシップを結んでいるインフルエンサーのアカウントが認証バッジを得るのは難しいからだそうです。

実際に認証バッジを販売した経験のあるジェームズさんは、Instagram内で働いていた協力者と共に認証バッジの販売を行い、「検証のために1500ドル(約16万円)から7000ドル(約76万円)の範囲で認証バッジを販売した」と語っています。ジェームズさんの本職はスタートアップを経営することだそうですが、Instagramで働く友人の力を借り、2017年初めから既に5つの認証バッジを販売したそうです。基本的にジェームズさんの仕事は仲介で、1件あたり1200ドル(約13万円)の料金を受け取っているとのこと。ただし、必要に応じて別途料金がかかることもあるそうです。

ジェームズさんによれば、複数のInstagramの従業員が認証バッジやアカウント売買関連で解雇されているそうで、1年前は週5回のペースで行えた認証バッジの取得も、現在では週2回がギリギリとのこと。なお、ジェームズさんは認証バッジの販売について、「(認証バッジは)お金になり、アカウントはあなたが知っている有名人のものになる」と語っています。

By Hamza Butt

もちろんジェームズさんだけがInstagramなどのSNSの認証バッジの販売を行っているわけではありません。自称デジタルマーケッターのAlejandro RiojaさんはSNSの認証バッジ取得の代行を行っており、彼に頼む場合はFacebookが1500ドル(約16万円)、Twitterが2500ドル(約27万円)、Instagramが6000ドル(約66万円)で認証バッジを取得できるとのこと。


Instagramの認証バッジが最も高価な理由は、Instagramがインフルエンサー・マーケティングにおける重要なマーケットであり、年間10億ドル(約1100億円)以上が費やされているからです。そして、Instagram上でインフルエンサーかそうでないかを識別する最も簡単な方法が青色の認証バッジがあるかないかを確かめるという方法であるため、認証バッジの取得の需要が他のSNSよりも高まっているというわけです。

Instagramがどのように認証バッジを与えるのかについて詳細は公表されていませんが、いくつかの情報源によると、元従業員や従業員、大手メディア、エンターテインメント企業はアカウント名の変更リクエストや認証バッジを要求できるポータルサイトにアクセス可能とのことです。このポータルサイトを使用する場合、実名とパスポートなどの身分証明書、FacebookまたはInstagramの連絡先を登録する必要があり、これは与えられた特権、つまりは認証バッジの発行を乱用させないようにするための処置と考えられています。


Riojaさんはこれまで12個のアカウントに認証バッジを販売したそうですが、「私のクライアントが好まないため、ユーザー名を共有することはできません」と語っています。

なお、Twitterで認証バッジを取得する手順は以下の通りです。

Twitterアカウントが本物であることを示す「認証済みバッジ」のリクエストシステムが登場、申請方法まとめ - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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