ウェブサイトを見ている人が仮想通貨のマイニングによってサイト運営に貢献できる「Inwemo」
ウェブサイトを運営していくにあたり、人気サイトであるほど多くの人がアクセスしていて、サーバー費用が多くかかっているはず。「Inwemo」というサービスでは、気に入ったサイトのためにPCのCPUパワーを少しだけ割いて仮想通貨のマイニングを行い、サイト運営の足しにしてもらうことができます。
Inwemo | Home
https://inwemo.com/
2017年9月になって、人気トレントサイト・The Pirate BayやCBSの番組配信サービス・SHOWTIMEで、サイト閲覧者に断りなくCPUリソースを借りて仮想通貨のマイニングを行うスクリプトが埋め込まれていたのが見つかりました。「Inwemo」はこれに似ていますが、CPUリソースを借りる前にユーザーにちゃんと許諾を得て行っているという点が異なります。
◆アカウント登録
Inwemoを使うためには、運営側はアカウントを作っておく必要があります。まずは公式サイトにアクセス。
「LOGIN / SIGNUP」をクリック。
アカウント登録にはメールアドレス・Googleアカウント・GitHubアカウントが使用できます。今回は、メールアドレスで登録してみます。
メールアドレスと任意のパスワードを決めて入力し、「Login or Signup」をクリック。
「Inwemo」に登録が完了し、自分の「Dashboard」が表示されました。
◆仮想通貨マイニングするスクリプトを作成する
仮想通貨マイニングで協力して欲しいサイト運営者は、サイトにスクリプトを埋め込む必要があります。まずは、「Your Websites」の「Add Website」をクリック。
自分のウェブサイトのURLを入力して、「Add Website」をクリック。
入力したウェブサイトのURLに対して、大小英数字が混ざった「ウェブサイトID」が発行されます。
「Implementation」項目にあるスクリプト
<script src="https://cdn.inwemo.com/inwemo.min.js" website_id="YOUR_WEBSITE_ID_HERE"></script>
をコピーします。
今回は、ローカル環境で自分のPCを使い仮想通貨マイニングをしてみます。ウェブサイト代わりのhtmlファイルを用意しました。
htmlファイルの内容はこんな感じ。ソースの中段には、先ほどの「Dashboard」からコピーしたスクリプトをそのまま貼り付けています。
このスクリプト内の「YOUR_WEBSITE_ID_HERE」に、先ほど作成した「ウェブサイトID」を貼り付ければ準備完了。
◆仮想通貨マイニングに協力する
HTMLファイルをウェブブラウザで開きます。これで仮想通貨をマイニングするスクリプトが入ったサイトをユーザーが閲覧しているのと同じ状態になりました。すると、右下にポップアップが出現。
ユーザーが「I agree」をクリックすると、スクリプトを埋め込んでいるウェブサイトに対してCPUリソースを貸し、仮想通貨のマイニングで「お助け」することができます。
実際のところ、協力するとマシンにどのような影響が出るのか、タスクマネージャーで確認してみます。これはマイニング前の状態。
マイニング中でも、CPU使用率が跳ね上がったりすることはありませんでした。
◆マイニングした仮想通貨を換金する
今回は、CPUにIntel Core i7-3520Mを搭載したPanasonicのLet's note CF-SX2でマイニングを1時間行ってみました。
CPU使用率に大きな変化がなかったので、本当にマイニングできているのかまったくわかりませんでしたが、CPUリソースは提供されていたはず。そこで、Inwemoのアカウントで確認してみると、「Statistics」の欄が「N/A Hashes」から「0(0 Hashes)」に変化していました。
Hasheは仮想通貨マイニングの効率を表す値です。「Hashes」の値が「0.0002197745507147119」から……
「0.0002249080138118533」になったので、値が0.0000051334630971414ポイント上昇した事になります。
ノートPC1台の協力で得られた成果を換金してみます。換金するには「Dashboard」右下の「$」マークをクリックすればOK。マイニングした分の22.5%が「Inwemo」の取り分になるので、ウェブサイト運営側が手にするのはマイニングした分の77.5%という事になります。支払いはドルかユーロが選べます。
しかし、表示されたのはマイニングした仮想通貨Moneroが最低交換単位「0.3 XMR」に到達していないというメッセージ。
いつになれば換金可能なところへ到達できるのか、現在のマイニング効率をHasheの値で調べられるサービス・CryptoCompare.comを利用して確認してみます。なお、今回は、閲覧ユーザーのPCのCPUリソースを使うという想定なのでマイニングにかかる消費電力で起きる損失は無視します。
Monero Mining Profitability Calculator
https://www.cryptocompare.com/mining/calculator/
CryptoCompare.comで「XMR」を選び、Hashing Powerの欄に、Dashboardに表示されたHasheの値「0.0002249080138118533」を入力し、「/Mil(1000分の1)」と帳尻を合わせるために単位を「KH/s」にします。
すると、この環境では年間「0.001727XMR」が得られることがわかりました。もしこのままマイニングし続けたとすると、Inwemoの最低交換単位である0.3XMRに達するまでに約173年が必要です。
0.3XMRは2017年11月8日現在、日本円に換算すると約3416円。換金時に手元に残るのは77.5%なので、約2647円。InwemoではユーザーのCPUリソースを使うので、サイト運営側はPCの電気代などは負担しなくてよいものの、サイト運営にかかる経費をまかなうには相当のユーザーを集める必要があることがわかります。Bitcoinなどのマイニング工場で利益を出すために巨大な設備が必要になるというのが実感できる結果でした。
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