ハードウェア

横断歩道をアニメーション表示して道路を安全にするインタラクティブ横断歩道「Starling Crossing」


道路を渡るための横断歩道は安全な交通を実現するために重要な仕組みですが、基本的な仕組みは昔からほとんど変化せずにきました。そんな横断歩道を、状況に応じて自由に道路の模様を変化させることでインタラクティブなものにしたのが、「Starling Crossing」と呼ばれる装置です。

Starling Crossing - Umbrellium
http://umbrellium.co.uk/initiatives/starling-crossing/

Interactive crossing lights the way for pedestrian safety
https://newatlas.com/starling-crossing-dynamic-interactive-pedestrian-crossing/51690/

Starling Crossingは日本語で「スティグマジー(環境に合わせて変化する)でアダプティブでレスポンシブな学習型の横断歩道」を意味する「Stigmergic adaptive responsive learning Crossing」の頭文字を並べて命名されたもの。民間の研究企業であるTransport Research Laboratory (TRL)が開発を進めているもので、道路の路面の一部にLEDを埋め込むことで、実際の状況に合わせた多機能な表示をリアルタイムで変化させることを可能にしています。


Starling Crossingはサウス・ロンドンに実物大のプロトタイプが作られており、実際に動作している様子がムービーに収められています。

Starling Crossing - overview on Vimeo


道路を横断する人物がいるときは、白い縞模様を路面に表示。自動車の前には停止線が表示されています。停止線の前に青い自転車用の停止エリアがあるあたり、ヨーロッパ的なデザインになっています。


横断する人がいなくなると、路面の表示がなんとアニメーションで変化し……


最終的には、横断歩道のない、白線だけの路面に変化しました。


この表示は、周辺に取り付けられたカメラからの映像をニューラルネットワークで学習を行ったコンピューターで解析し、横断しそうな人が現れたときに自動で表示を調整するというもの。実際の状況に合わせて変化させることが可能なので、必要のない場合には横断歩道のない道路にしてしまうことも可能。


逆に、横断者が増加する時間帯には横断歩道の幅を広げ、効率的な人の移動を実現させることも可能。路面がぬれていたりしても、視認性が落ちないように設計されているようです。


路面サインの表示パターンはこんな感じ。目を引くのが中央にある赤い表示パターンなのですが、これもきちんと意味があるデザイン。


それは、スマートフォンなどを見ながら横断している人を検知した場合に警告を行うというもの。また、自動車と横断者が近すぎるときにも警告表示を行うことで、横断者とドライバーに注意を喚起するようになっています。


さらに、人が横断する状況に合わせて斜めの横断歩道を表示させるなど、実際の状況に合わせたインタラクティブな表示も可能になるとのこと。まだ研究中の段階ですが、一度は実物を目にしてみたい装置です。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「3D横断歩道」が車のスピードを落とすために実際に導入される - GIGAZINE

「歩きスマホ」の事故防止のために「赤信号を地面に埋め込む」という逆転の発想が実施へ - GIGAZINE

狂気じみた複雑さなのに事故率を30%も下げる交差点「マジック・ラウンドアバウト」とは? - GIGAZINE

自転車専用レーンを設けると、交通事故が減り車の交通状況も改善される - GIGAZINE

赤信号でも自転車に通行を認める「アイダホストップ」でかえって事故が減るのはなぜか? - GIGAZINE

道路を安全に横断するために信号を「ハック」するアプリが開発される - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.