「チュパカブラ王国」と国王・由乃の未来はどうなるのか、「サクラクエスト」最終回直前振り返り
就職先が決まらず、持ちかけられた「町おこしで『国王』をやって欲しい」という話を引き受けた木春由乃と、由乃とともに間野山のために頑張ることになる仲間たちの1年間を描いたテレビアニメ「サクラクエスト」がいよいよ最終回を迎えます。この最終回を楽しむために、どういったお話だったのかという情報をまとめてみました。
TVアニメ「サクラクエスト」公式
http://sakura-quest.com/index.html
◆「国王と愉快な仲間たち」
作品の主人公は木春由乃(こはるよしの)。田舎の出で、東京の短大へ通い、なんとか東京で就職をと考えていたのですが「お祈り」続き。
「いよいよ田舎へ帰るしかないのか」というタイミングで、派遣会社から「間野山で『国王』をやって欲しいという依頼が来ている」という話をもらいます。田舎へ帰るのはイヤだと考えていた由乃は、この話に乗ることに。
間野山は北陸地方にある田舎町。そこで大歓迎を受けたかにみえた由乃でしたが、実は観光協会の門田丑松会長が女優「椿由乃」のファンだったので来てもらおうと呼んだつもりだったことが発覚。「椿」と「木春」の間違いだったわけです。
同年代の女の子が来て喜ぶ観光協会の四ノ宮しおり。町を案内していますが、開いている店は少なく「シャッター街」となっています。
そんな間野山はかつて「ミニ王国ブーム」に乗っかり、「チュパカブラ王国」という王国を作っていました。
丑松会長から王位を受け継ぐ由乃。
実は、由乃は子どものころ「チュパカブラ王国」へ来て、来国10万人突破記念で同じように王冠をかぶったことがありました。
当初は東京へ帰ろうと思っていた由乃ですが、なんとか頑張ってみることを決意。とはいえ、国王1人ではどうにもならないので仲間が必要です。1人は前述のしおり、そしてもう1人が「国王」の住居であるログハウスに転がり込んでいた緑川真希です。間野山出身で、女優になるため上京していましたが、夢破れて由乃と同じ列車で間野山に戻ってきていました。
しおりの幼なじみで和菓子屋の孫娘・織部凛々子も力を貸してくれることに。
東京から間野山へ移住してきたウェブデザイナーの香月早苗。Iターンなので縁もゆかりもなく、また虫が苦手で田舎暮らしに辟易しており東京へ帰ろうかというところでしたが、由乃らの説得を受けて、チームに加わってくれました。
◆容易ではない「国王」業
観光協会所属である国王には、「間野山のPRのため」としていろいろな仕事が降りかかってきます。「ヌルキャラ選手権大会」へチュパカブラを連れて行くのも国王の仕事。
「間野山彫刻」という伝統技術があるということで……
PR案を考えたりもします。とはいえ、この内容はなかなかに辛いものが……。
また、時には「何とかしよう」という思いが空回ってしまうことも。チュパカブラ王国PRの一環として、C級グルメメニューを考案してメニュー発表会をしようとしたのですが、商店会の納涼会とバッティングすることがわかり、商店会会長である千登勢が怒鳴り込んでくる事態に。
イベント中止まで考える由乃でしたが、ここはしおりが「みんなが幸せになる方法を」と、地元の味である「そうめん」に注目した「大そうめん博」で物産展も開催することで商店会を納得させることに成功。
チュパカブラ王国20周年記念の建国祭に合わせて、人気番組である「放熱山脈」で「町おこしガールズ 150日間の奮闘」と題して取り上げてもらえることになれば張り切って協力。
建国祭を盛り上げるために、テレビ局側では人気バンド「プトレマイオス」を呼んで、特別ステージでライブを実施することに。
その効果は絶大なものがありました。
終わったミニ王国に見えた「チュパカブラ王国」に、往年の活気が戻ったかのよう。
メインイベントである「クイズ・まのやまにあ」にも数多くの人が詰めかけました。……が、実はライブ開演が遅れており、改めてライブ開始のアナウンスがあると……
人々の大移動が発生。
もちろん、プトレマイオスのライブは大盛り上がり。
ところが、残された「クイズ・まのやまにあ」のステージはご覧の有り様でした。
多くの人々が間野山の魅力に触れて、繰り返し来てくれればと思っていた由乃たちですが、商店会の協力を得て発行した割引クーポンを使う人の姿は商店街にはまったくありませんでした。
そして、放送された「放熱大陸」も……
まるで由乃たちがプトレマイオスを呼んでイベントを成功させたかのように編集されていました。ショックを受けた由乃は、一度田舎へ帰ることに。
地元の友人は公務員になっていて、由乃と同じように町おこしに携わっていました。
かつては東京にこだわっていた由乃ですが、間野山を経て地元へ戻ってみると、見え方が違っていたことに気付かされます。
同様に、真希や早苗も東京へ戻りますが、不思議と居心地の悪さを感じるように。
◆国王再起、そして「瑞池(みずち)祭り」復活へ
由乃は50年前まで間野山に「みずち祭り」という祭りがあったことを知り、復活させることを思い付きます。実は、祭りは神輿を若き日の丑松が池に沈めてしまったことで途絶えていました。丑松会長は由乃に「町を変えるのはよそ者・若者・バカ者」と声をかけてきましたが、その「若者・バカ者」として町を変えようとしたことがあったわけです。
若き日の丑松、ドク、千登勢。
しかし、祭りの復活には「3種の祭具」が必要であることがわかります。
どこかの蔵に眠るという「剣鉾」探しでは、地域振興策でお年寄りの家に配布されたあと、ただの「重し」程度にしか使われていなかったタブレットを再活用することに成功。
その中で、なぜか路線バス廃止運動に国王が巻き込まれる一面も。
かつて祭りを壊した張本人である丑松会長も引きずり出しての、由乃たちの奮闘は続きます。
「黄金の龍」探しでは、運転手の高見沢・本屋の野毛・警官の金田一が「宝物として『シャイニングドラゴン』を埋めた」ということを思い出して、自分たちが子どものころに作った暗号に挑むことに。
間野山じゅうに広がっていた人の縁のおかげで「3種の祭具」が無事(?)揃いました。
いよいよ「みずち祭り」が50年ぶりに復活!
……というところへ水を差すようにやってきたのは、またもテレビ局。独占放送する代わりに、祭りで行う演劇のメインキャストに入れて欲しいという申し出でした。
実は間野山市には合併話が持ち上がっていて、テレビ番組で間野山をPRできるというのは絶好の機会。由乃は申し出を受け入れることを考えましたが、なんと丑松会長がテレビ局の提案を拒絶。
代わりに、自分たちでタブレット再活用以来広がっている動画投稿でPRしていくことに。
こうして無事、「みずち祭り」は開催にこぎ着けたのでした。
一方で、この祭りに向けて祠の清掃をし、碑文が読めるようになったことで、長らく間野山を放浪している謎の外国人・サンダルさんの祖父と祖母がこの地で出会ったことが判明。丑松会長はサンダルさんの故郷の都市との姉妹都市になることで、合併話を有利に進めるというウルトラCを思いつき、1人で飛び出していきます。
由乃が間野山に来てほぼ1年。後半の目標になっていた「みずち祭り」は無事開催できましたが、任期を終えた後、由乃をはじめとする国王チームはどんな道を歩んでいくことになるのか。そして、間野山の未来はどうなるのか。最終回「桜の王国」はTOKYO MX・AT-Xでは9月20日(水)24時から、ABCテレビでは9月20日(水)26時44分から、BS11では9月21日(木)24時から、チューリップテレビでは9月23日(土)26時8分からの放送。また、Amazonプライムビデオでは9月20日(水)24時30分から、ニコニコ生放送では9月22日(金)23時から配信開始です。
・スタッフ
原作:Alexandre S. D. Celibidache
監督:増井壮一
シリーズ構成:横谷昌宏
脚本:横谷昌宏、入江信吾
キャラクター原案:BUNBUN
キャラクターデザイン・総作画監督:関口可奈味
美術監督:佐藤歩
色彩設計:中野尚美
撮影監督:横山翼
3D監督:小川耕平
編集:高橋歩
音響監督:飯田里樹
アニメーション制作:P.A.WORKS
音楽:(K)NoW_NAME
©2017 サクラクエスト製作委員会
・キャスト
木春由乃:七瀬彩夏
四ノ宮しおり:上田麗奈
緑川真希:安済知佳
織部凛々子:田中ちえ美
香月早苗:小松未可子
門田丑松:斧アツシ
織部千登勢:伊沢磨紀
高見沢:小西克幸
山田孝:下野紘
美濃:濱野大輝
サンダルさん:ヴィナイ・マーシー
アンジェリカ:森なな子
鈴木エリカ:黒沢ともよ
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