Dilution of whisky – the molecular perspective | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-017-06423-5
Chemists confirm that whiskey really does taste better with a splash of water | Popular Science
http://www.popsci.com/why-whiskey-tastes-better-with-splash-h2o#page-2
ウイスキーの風味は「グアイアコール」という物質から生じているとされ、ウイスキーにスモーキーなフレーバーを与えるアロマオイルのような役割を果たしています。ウイスキーは製造過程で焼いたオーク樽に入れて貯蔵熟成するのですが、この時にウイスキーの液体と樽の内壁が触れると、グアイアコールがウイスキーに移ります。さまざまなウイスキーの中でも、スコッチ・ウイスキーはグアイアコールをより多く含む傾向にあるとのこと。
ウイスキーをグラスに注いで飲む時、「液体/空気界面」と呼ばれる水面の部分を飲むことになります。一方で液体のアルコール度数が50%以上になると、グアイアコールはグラスの底に集まる傾向があるため、少しの水をストレートウイスキーに注ぐと、グアイアコールが水面に浮上し、より良い味わいと風味を得られるわけです。
なお、Popular Scienceがこの研究結果について、バーボン・ウイスキーの主流銘柄の1つである「ワイルドターキー」の蒸溜所責任者であるエディー・ラッセルさんに話を聞いたところ、「私が修行中の頃、父親を含むバーボンマスターのほとんどは『水を入れて飲むな。そのまま飲むのがパーフェクトだ』と言っていました。その一方で、スコットランド人はいつも『ウイスキーに数滴の水を落とす』と言っていました」と話しています。グアイアコールをより多く含むスコッチ・ウイスキーは、経験的に水を入れた方がおいしくなる、ということがわかっていたのかも。
ラッセルさんはウイスキーを飲む時にバーボンに水を入れることはないそうですが、2つのアイスキューブを入れるとのこと。これもリンネ大学の研究チームが実証した方法と本質的に同じ効果が得られると見られ、「水か氷を入れる」とウイスキーは化学的に見ておいしくなることになります。
By Alex Brown