スコッチウイスキーのエキスパートがアメリカ生まれのお買い得ウイスキーをレビューしたらこうなった

アイルランドと並んで「ウイスキー発祥の地」の1つとされるスコットランドで製造されたウイスキーは「スコッチ・ウイスキー」と呼ばれ、その製法や生産地が法律によって厳格に定められています。そんなスコッチの専門家がアメリカで生産される有名なウイスキーをブラインドテストしたらどうなったのか、というムービーが「Scotch Experts Review Cheap Whiskey」です。
Scotch Experts Review Cheap Whiskey - YouTube

アメリカのウイスキーをテイスティングするのは、スコットランドのグレンリヴェット蒸留所でマズター・オブ・スコッチを務めるリック・エドワーズ氏。「ウイスキーの語源はゲール語で『命の水』を意味する『uisge beatha(ウシカ・バー)』なんだ。私がウイスキーで最初に求めるのは、『第一印象』だ」と語ります。

もう1人のスコッチ専門家は、シングルモルトのスペシャリストであるケイト・アーゲセン氏。ウイスキーについて「ウイスキーを飲むとき、それはアートと歴史を飲むのと同じ、ということが私の好きなところです」と語ります。

まずは、アメリカンウイスキーの中でも、バーボンの代表格の1つであるワイルドターキーから「101プルーフ」をテイスティング。

エドワーズ氏は笑みを浮かべて「これはいいウイスキーだね」と好印象。

「アグレッシブな面があり……」

「除光液のアセトンのようなキャラクターがあるね」

「クリスマスの時に出てくるチョコレートオレンジのような感じもあるわね」

「すこしラバー(ゴム)のような感じもする」

5点満点評価で、エドワーズ氏は高評価の4点を付けました。

アーゲセン氏は3点。特別良くも悪くもない、といった印象でしょうか。

次もバーボンの代表格、「ジムビーム」の登場。

「新しくてピカピカのペニー硬貨のような感じだ。香りが立ってくる感じではないね」

「鼻の中に存在感のある感じ。とてもスムーズでいいと思うわ」

「少しワックス(ろう)のような感じがするのと、わたあめや風船ガムのような雰囲気がある」

エドワーズ氏はジムビームに3点を付けました。

アーゲセン氏は4点。おおむね高評価。

次はバーボンではなく、テネシーウイスキーの代表格「ジャックダニエル」の登場。しかしストレートなウイスキーではなく、ハチミツのフレーバーを加えて甘みを持たせたフレーバーウイスキー「テネシーハニー」を持ってきました。スコッチの専門家がどのような反応を見せるのか興味深いところです。

「オイルでも入っているみたいね」

「ゴホゴホッ、なんてこった」

「ヴェルタースオリジナルのキャラメル味みたいね」

エドワーズ氏は「舌をゴシゴシこすってきれいにしたい(笑)」と、独特の甘さが苦手な様子。

アーゲセン氏はウイスキーを一滴手に付けてこすり、香りを確認。

「表面をこがしたオーク材の香りがするわね」

「これを使ってカクテルを作るとしたら、もっとウイスキーを入れるべきだね」と、エドワーズ氏はあまりお気に召さない様子。

「私は2点ね……」

「なんとか0.5点」

今度はまたもやストレートなバーボンの登場。ジムビームに肩を並べる「エヴァン・ウィリアムス」をテイスティング。

「熟成具合とエレガンスさの間でいいバランスをとっている」

「スパイシーな香りがする。シナモンアップルのような感じね。パンのような雰囲気もある」

エドワーズ氏はなぜか「汗を吸った靴とか、お菓子のバタースコッチのようだ」と過激さあふれる表現。

しかしその後、「だんだんと酔ってきたかもしれないね。ワッハッハ!え?何?」と、テイスティンググラスを傾けてウイスキーの声を聞くしぐさを見せていました。

アーゲセン氏は「3.5点かな」

エドワーズ氏は確信を持った様子で「4点」と宣言。両者とも高評価のようです。

そして最後は、フレーバーウイスキーの中でも新しい部類に入る、シナモンのフレーバーを加えた「ファイアーボール・シナモンウイスキー」。

「ぶほっ」

「ゲホゲホ」

「これはウイスキーではない」

「シナモンガムの『ビッグレッド』と『レッドホッツ』を口いっぱいに入れてグレーンウイスキーを流し込んだみたいだ」と笑いながら酷評。どうやら、本場スコッチの専門家にフレーバーウイスキーは総じて不評のようです。

アーゲセン氏は「とても……美しい表現の方法を味わうことができるかも」と、なんだか無理やりコメントを引き出した様子ですが、結局は「ないわ」と却下。

エドワーズ氏も「コレは無理だ」とギブアップ

「1点」

アーゲセン氏に至っては「マイナス無限大」と最大限の低評価を与えてしまいました。

「結論」

エドワーズ氏は撮影スタッフに「君たち、いくつかは無茶をしてくれたね」と恨み節を述べつつ、「でも中には素晴らしいウイスキーもあった」との評価。

アーゲセン氏は「あなたの口に合わなかったウイスキーが……なぜ合わなかったのかを知るのが重要ね。いい機会だったわ」と、やんわりと落ち着いた表情でプラスとマイナスの感想。その上で「みんなに合うウイスキーが見つかるでしょうね」と、大人なコメントで締めくくっていました。

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