安い肉と高い肉でおいしいステーキを作る方法は異なる、それぞれのレシピはこんな感じ
一口にステーキと言っても、値段が安いか高いかで肉の扱い方や料理の方法は異なる、ということで、YouTubeのお料理レシピチャンネルTastyが、安い肉でおいしいステーキを作る方法と、高い肉でおいしいステーキを作る方法の違いを解説しています。
How To Cook A Cheap Steak Vs. An Expensive Steak - YouTube
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ステーキに向いている安い肉の一例としては、横隔膜部位の「ハンガー(HANGER)」、モモの下の部位「友三角(TRI-TIP)」、バラ肉の中で最もひれに近い部分にある「カイノミ(FRAP)」、肩から背中にかけての「牛肩ロース(CHUCK EYE)」、肩から腕にかかる「トウガラシ(CHUCK TENDERS)」といった部位が挙げられています。
「CHUCK」というのは「肩」の意味なので、CHUCK EYEやCHUCK TENDERSは肩回りの部位になります。
肩は牛がよく動かす場所なので、筋肉質ですが、見た目は赤身と脂身が適度にマーブル状になっていて、風味もよいのが特徴。
筋肉質なので、他の高価な肉よりも肉質が硬く、ゆえにステーキ以外の方法で調理されることも多いとのこと。
このほか質感と風味のいい肉の部位としては、友三角(TRI-TIP)があります。
友三角は名前の通り、三角形に近い形をしているので、見分けるのが簡単。
続いては、カイノミ(FRAP)。カイノミはハラミに似ていますが、ハラミよりも安価な部位だそうです。
見た目はこんな感じ。
モノによって見た目に違いはありますが、やや緩い質感なので、調味液に漬けてマリネするとしっかりと味がつくのがオススメポイント。
お肉が大きすぎる場合は調理しやすいサイズにカットします。
ということで実際に調理開始。カイノミをフリーザーバッグに入れ、減塩しょうゆと……
ひき立てのコショウを入れます。
ニンニクはスライスするのではなく、押しつぶします。
この方法だと、組織が潰れた部位から香りが放たれるので、時間をかけてみじん切りにする手間を省けます。
しっかり密封したら30分から一晩放置。この時、空気がバッグからしっかり出されていることと、調味液が肉全体に回っていることを確認してください。
つけ置きが完了したらバッグからお肉を取り出し……
表面がカリッと焼けるように、余分な調味液をペーパータオルなどで拭き取ります。
肉の部位に関わらず、ステーキを作るには蓄熱性の高い鋳鉄製のスキレットがオススメ。そして、ステーキを調理する際に鋳鉄のスキレットを均等に予熱したい場合は、オーブンで20分ほど熱するという方法も紹介されています。
予熱が完了したらスキレットに適量の油を入れます。
油の種類については指定されていませんが、できれば発煙点が高いものがいいとのこと。Wikipediaを見てみたところ、発煙点の高い油には、ベニバナ油・大豆油・ひまわり油などがありました。
スキレットと油がしっかりと熱されているのを確認したら、お肉をそっと置きます。
ステーキを調理する時に「頻繁にお肉を引っくり返すべきか、それとも1度だけ引っくり返すべきか?」という点に迷いますが、ムービーでは「頻繁にひっくり返す」という方法がとられていました。お肉を複数回引っくり返すことで、お肉全体の状態を常にチェックでき、うっかり焦がしてしまうこともないためです。また、お肉をひっくり返す際に最も高温であろう場所にお肉を持っていけば、表面をカリッとしたベストな状態にできるとのこと。
ステーキの焼具合を確かめるために温度計を使うのもいい方法。お肉は中心部分が一番冷たいので、温度を測る際には中心部分にまで温度計を挿します。
ミディアムレアに仕上げたい場合は、お肉の中心が摂氏57度くらいになっているのがベスト。ただし、お肉をスキレットから引き上げても温度はしばらく上がり続けるので、実際にお肉を引き上げるタイミングはそれよりも少し温度が低い時点になります。
そしてお肉の部位がどこであれ、スキレットから出してから5~10分はカットせずにそのまま置いておきます。高熱にさらされるとお肉の繊維は緊張するので、しばらく置いておくことで肉の緊張がほどけ、食べたときの食感がよくなるそうです。
また、肉をカットする時は繊維と垂直になる形に刃を入れると、噛みやすく食感もよくなるとのこと。
ステーキをカットした時に流れ出る肉汁を嫌う人もいますが、これは血ではなくミオグロビンと呼ばれるタンパク質なのでおびえないでください。
安いお肉は匂いがキツイことがあるので、マリネすることで肉の香りと調味料の香りが調和してよい風味を生み出すわけです。
そして、高いお肉を使う場合には、上記とはまた別の調理法が必要。
高いお肉として紹介されているのは、「NYストリップステーキ」と呼ばれるもの。サーロインよりも脂身が少ない腰の部分のお肉です。
適度に脂身があり、全体的に赤身と脂身がマーブル状になっています。肩周辺の肉よりも柔らかく、風味がよいとのこと。見た目の特徴としては、外側に一本の長い脂身がついていることが挙げられます。
テンダーロイン・ヒレは、最も高価な選択肢の1つ。牛全体の中でも背骨の下にある非常に小さな部位から取られます。
牛がほとんど動かさない場所なので、非常に柔らかい肉質で、食べた時には口の中で溶けてしまいそうになります。
明るい赤色で、肉全体に細かい脂身のマーブルが入っており、時に「風味がなさすぎる」とも言われますが、その希少さと柔らかさから高級なお肉として好まれています。
リブロース芯も最も高価で、赤身と脂身の割合や質感・風味などのバランスがいいお肉の1つとして知られています。リブロース芯は、肉の回りに肩の脂がのっているものがオススメとのこと。
「骨は風味が強い」として骨付きの肉を好む人もいますが、ムービーでは「骨があってもなくてもあまり違いはない」と語られていました。
リブロース芯でミディアムレアのステーキを作りたい場合は、1.5~2インチ(3.8cm~5cm)の厚さのお肉を選択しましょう。このくらいの厚さがあれば、中はミディアムレア、外はカリカリというステーキができあがるそうです。
高価なお肉の場合は、調味料をあまり必要としません。塩を振り、1時間ほど置いてから調理します。
また、塩を振ったあとにラップをかけて一晩置いてもOK。こうするとしっかりと塩が浸透し、肉質が柔らかくなります。
塩を振ってしばらく置いた後のお肉は、「オーブンで焼いてからフライパン調理する」という、一般的な方法とはまったく逆の順序で調理されます。
30分ほどかけて、140度のオーブンで肉の温度をゆっくり上げていき……
その後に高温で熱したスキレットで焼いていきます。このあたりは低温調理で作るステーキに似ているかも。
表面がカリッとするまで焼けばOK。スキレットは「全体に火を通す」ためではなく、仕上げとして使われるだけです。
ずっと高温にさらされているスキレットのみの調理とは違い、オーブンでゆっくりと温度を上げられていく方法で作られたステーキは繊維の緊張が少なく、あまり休ませなくても柔らかい状態で食べられます。なので、もちろん繊維と垂直になる形でのカットが推奨されていますが、切り方によってそこまで大きな違いは生まれないとのことです。
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