Uberのアカウント削除を促す「#DeleteUber」がトレンドになった理由とは?
By Bit Boy
ドナルド・トランプ大統領がイスラム教圏の7カ国の入国と、シリア難民の受け入れを停止する大統領令を出したことで、ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ国際空港に数千人の抗議者が詰めかけ、新しい移民政策に対するデモが行われました。この時Uberが「ジョン・F・ケネディ国際空港付近のUberは割増料金を停止しています」とツイートしたことで、「反対デモを解散させようとしている」ととられ、各地で次々とUberのアカウントが削除されるという事態に発展しました。
Why people are deleting Uber from their phones after Trump’s executive order - Vox
http://www.vox.com/policy-and-politics/2017/1/29/14431246/uber-trump-muslim-ban
Celebrities Spread #DeleteUber After Lyft's Donates $1M to ACLU | Hollywood Reporter
http://www.hollywoodreporter.com/news/celebrities-spread-deleteuber-lyfts-donates-1m-aclu-969670
After #DeleteUber, CEO pledges $3 million for drivers affected by immigration ban - The Verge
http://www.theverge.com/2017/1/29/14431898/uber-kalanick-trump-immigration-ban-drivers-delete
テロ対策を目的とした大統領令が署名されたことで、各地の空港でアメリカへの入国が認められない人が続出し、混乱が起きています。これに伴い、数千人規模のデモ隊がジョン・F・ケネディ国際空港に集まって移民政策に反対するストライキが行われていましたが、ニューヨークタクシー労働者同盟(NYTWA)は「NYTWAの運転手へ。18時~19時の1時間はデモを支援するためジョン・F・ケネディ国際空港付近で運転しないようにしてください」と呼びかけ、デモの支援を表明しました。
BREAKING: NYTWA drivers call for one hour work stoppage @ JFK airport today 6 PM to 7 PM to protest #muslimban! #nobannowall
— NY Taxi Workers (@NYTWA) 2017年1月28日
その数時間後、Uber NYCが「ジョン・F・ケネディ国際空港付近の割増料金システムを一時停止して運行しています。待ち時間が長くなるかもしれませんがご了承ください」とツイート。Uberはエリアごとに料金が変動する「サージ・プライシング」というシステムを導入しているのですが、ジョン・F・ケネディ国際空港の周辺では一時的に通常料金で運転するという指針を発表したわけです。
Surge pricing has been turned off at #JFK Airport. This may result in longer wait times. Please be patient.
— Uber NYC (@Uber_NYC) 2017年1月29日
Uberの行動は「デモを解散させようとしている」「デモに乗じて利益を得ようとしている」とSNS上でとらえられました。Uberのアカウント削除を促すハッシュタグ「#DeleteUber」が登場し、Uberのアカウントを削除したことを示すスクリーンショットが次々と投稿されました。
i never used it in NYC for a lot of reasons but they won't see a goddamned penny from me ever again #deleteuber pic.twitter.com/Wh1Yhe5aZa
— matt ◉ lubchansky (@Lubchansky) 2017年1月29日
さらにUberのライバルとなるLyftは、大統領令への抗議として、アメリカ自由人権協会に対して100万ドル(約1億1400万円)の寄付を行うと発表。ジェシー・タイラー・ファーガソン、ロブ・コードリー、タラジ・P・ヘンソンなどハリウッドのセレブらも、Lyftを応援するとともにハッシュタグ「#DeleteUber」を拡散したことで、Twitterのトレンドにもなっていたとのこと。
これに対してUberは謝罪のコメントともに「デモを解散させるためではありません。割増料金の一時停止は、抗議の需要で利益を得ることを防ぐために行った決定であり、以前にも同様に災害時の割増料金を一時停止したことがあります」と説明しています。
なお、Uberのトラビス・カラニックCEOは自身のFacebookで、大統領令への反対および、影響を受ける可能性のある従業員の支援および、300万ドル(約3億4000万円)規模の従業員の法的防衛ファンドを設立すると発表していました。これは一連の騒動の前に投稿されたものですが、「#DeleteUber」の拡散の歯止めになっていないようです。
This afternoon I sent the email below to Uber employees and thought I would include here:Subject: Standing up for what...
Travis Kalanickさんの投稿 2017年1月28日
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