無料でPCで古代文字が使えるようになるフォント「白川フォント」

これまでコンピューター上での利用が困難だった甲骨文字や金文などの古代文字を、文書作成ソフトでも簡単に利用できるようにと開発された「白川フォント」が無料フォントとして公開されました。開発された白川フォントを使えば、現代の漢字を入力するのと同じように簡単に古代文字の入力が可能となります。

白川フォント
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/sio/shirakawa/index.html

白川フォントは立命館大学 白川静記念 東洋文字文化研究所による研究プロジェクトから誕生したフォントで、白川文字学に関わる研究や漢字教育などに広く活用されることを目的に公開された無料のフォントです。白川フォントに収録されている古代文字は甲骨681字、金文1084字、篆文2593字、古文30字、籀文3字の合計4391字。常用漢字2136字と人名漢字650字の中で、古代文字が判明しているものが変換できます。

白川フォントのインストールは以下から行います。

「白川フォント」
http://www.dl.is.ritsumei.ac.jp/Shirakawa/search/index.php

白川フォントに収録されている古代文字は別個にダウンロードすることもできます。

しかし、今回は白川フォントをすべてまとめてダウンロードしてみます。「白川フォントすべて」の下にある「ダウンロード」をクリック。

白川フォントをダウンロードするには、名前・メールアドレスを入力し、白川フォントの使用条件に同意した上でチェックボックスをクリックし、「登録」をクリック。

なお、白川フォントの使用条件は以下の通りです。

以下の事柄にご同意いただける方のみフォントをダウンロードしてください。

○白川フォントの著作権は立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が保有します。
○白川フォントの個人利用・教育目的での利用は無料です。但し、白川フォントを使用した如何なる結果にも、本研究所は一切責任を負いません。
○フォントそのものとしての再配布、及びフォントの改変等はおやめください。

また、以下の使用方法は商用利用となりますので、別途許諾申請が必要となります。

①営利を目的としたロゴ、広告、ポスター、カタログ、POP、グッズなどでの使用
②新聞、雑誌などの紙媒体の出版物での使用
③映画、TV番組、CM、DVD、BDなどの映像作品での使用
④待受画面、デコメール、バナー広告、壁紙などでの使用
⑤各種法人、官公庁のWebページでの使用
⑥営利を目的としたPDF埋め込みでの使用

登録が完了すると、入力したメールアドレス宛にすぐにメールが届くので、そこに記載されているURLをクリック。

すると、PCに白川フォントがダウンロードされます。これだけでは白川フォントは使えないので、ダウンロードした圧縮ファイルをExplzhなどで解凍。

解凍したフォルダの中には8個の異なるフォントデータが入っているので、これらをクリックして……

「インストール」をクリックすればフォントのインストールが完了し、PCで古代文字が使用できるようになります。フォントデータは8個入っているので8回フォントのインストールを行わなければいけない点に注意。

インストールすると、以下のようにフォントの選択画面で白川フォントが表示され、いつでも古代文字が使用可能になるわけです。

なお、白川フォントを漏らさずすべてインストールできているか確認するには以下のページにアクセスし、「画像」と「テキスト」の列に同じ字形が表示されればOKです。

「白川フォント」
http://www.dl.is.ritsumei.ac.jp/Shirakawa/search/test_font.html

実際に使ってみるとこんな感じ。

「義雅人」を篆文で表示

「夜露死苦」を篆文で表示

「金文」を金文で表示

実際に使ってみると、収録文字数の最も多い篆文がやはり最も多く文字を変換できます。狙った漢字が変換できなかったり、読めなかったりもありますが、文字を入力しながら漢字の変化の流れを肌で感じられることもある他にはないフォントとなっています。