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天才ハッカーが市販車を「自動運転カー」に変える改造キットの制御ソフトをオープンソース化、誰でもダウンロード可能に


わずか1カ月で自動運転カーのシステムを自作して世間をあっと言わせた天才ハッカーのgeohot(ジョージ・ホッツ氏)が、開発していた自動運転カー改造キット「Comma One」の開発を断念しました。しかし、ホッツ氏はほぼ完成状態にあるComma Oneのハードウェア・ソフトウェアなどの情報を、オープンソースとして公開しています。

commaai · GitHub
https://github.com/commaai

伝説的なハッカーのホッツ氏の自動運転カープロジェクトの流れは以下の通り。まず、2015年末にたった一人で乗用車を自動運転カーに改造するキットを開発中であることを明らかにし、テスト走行を成功させて世間の度肝を抜きました。

伝説的ハッカーが自動運転カーをわずか1カ月で自作、すでに公道走行済み - GIGAZINE


Bloombergの取材に対して「1000ドル(約11万円)の後付け自動運転キットを販売する」という野望を語ったホッツ氏でしたが、その宣言通り自動運転カー改造キットを着々と開発。2016年内の発売をぶち上げました。

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しかし、2016年10月にホッツ氏率いるComma.aiの開発する「Comma One」の安全性を危惧したアメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)がホッツ氏に対して、技術的詳細や安全注意事項を求める書面を送り、「安全性が確認されるまでは、製品の販売および公道での製品の使用しないことを強く推奨する」と販売の延期を求めました。これに対してホッツ氏は、「規制当局や弁護士の相手をするためではなく、素晴らしい技術の開発のために自分の人生を費やしたい。当局の相手をするのは無価値だ」とツイートして、なんとComma Oneの開発中止を明らかにしていました。


ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツから多額の資金提供を受け、テスラモーターズから自動運転カー開発者のリッカルド・ビアシーニ氏を引き抜くなど、順風満帆に思えたComma.aiによる改造キットComma Oneのあっけない開発中止という結果は、天才ハッカーのホッツ氏らしい行動ではあるものの、激安の自動運転キットを待ちわびる世界中のファンが落胆することになりました。


その後ホッツ氏は、高速道路280号線を夜間に自動運転カーキットComma Oneを使って自動運転する様子を、2016年11月28日にYouTubeにアップロードしました。ちなみにこのムービーの説明部分には、「自動運転カーのハックに10年かかるなんて、いったい誰が考えているだろう?」と記載されています。

Driving up the 280 - YouTube


そして、2016年12月1日にホッツ氏は、なんと開発を断念したComma OneのソフトウェアプログラムをGitHub上にMITライセンスに基づくオープンソースとして一般に公開。誰でも自由にプログラムを閲覧し、利用・改造できるようにしました。

commaai · GitHub
https://github.com/commaai

さらにComma Oneのソフトウェアだけでなく、ハードウェア部分「Comma Neo」の設計情報についても公開されています。


Comma Oneの公開情報によると、自動運転カー改造キットはAndroid端末としてOnePlus 3を使っており、情報公開時点ではアキュラ・ ILX 2016モデル、ホンダ・シビック2016 ツーリングエディションがサポートされています。なお、シビックではステアリングのファームウェアが原因で時速18マイル(約29キロメートル)以下での速度では自動運転モードが機能しないそうです。

ホッツ氏によると、公開した情報はあくまでアルファ版のソフトウェアであり、性能を保証するものではないとのこと。ホッツ氏自身は自動運転カーの開発から手を引いた形ですが、その遺産を活用した技術者によって、新たな自動運転カー技術の開発が行われることが期待できそうです。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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