乗り物

SFに登場するような「空飛ぶタクシー」をUberが計画中であると判明


スマホで簡単にハイヤーを呼べるサービス「Uber」が、空飛ぶ車で配車サービスを提供する「Uber Elevate」というプロジェクトを明かしました。Uberは2021年には空飛ぶ車を完成させ、2026年にはサービスの提供を開始する予定とのこと。

(PDFファイル)Fast-Forwarding to a Future of On-Demand Urban Air Transportation
http://www.uber.com/elevate


Fast-Forwarding to a Future of On-Demand Urban Air Transportation – Medium
https://medium.com/@UberPubPolicy/fast-forwarding-to-a-future-of-on-demand-urban-air-transportation-f6ad36950ffa#.u1vxpl5ae

Uber's Flying Cars Plan | WIRED
https://www.wired.com/2016/10/uber-flying-cars-elevate-plan/

Uber sort of enters the ‘flying car’ game with a 99-page white paper - Recode
http://www.recode.net/2016/10/27/13434774/uber-sort-of-enters-the-flying-car-game-with-a-99-page-white-paper

Uberが配車サービスに利用しようと考えている車は、ヘリコプターのように垂直に離着陸可能な垂直離着陸機(VTOL機)です。Uberの発表によると、VTOL機は電動で、一度の充電で100マイル(約160km)を飛行可能。速度は最大約240km/時となり、これまで2時間12分かかっていた通勤時間が15分に短縮できるとのことです。


離着陸には既存のヘリポートや超高層ビルの屋上を利用する予定。都市部でヘリコプターを飛ばす場合は騒音が問題になりますが、UberのVTOL機は一般的なヘリコプターに比べて15デシベルほど音が小さくなる予定。


空飛ぶ車のイメージとしてUberは、Vahanaと呼ばれるエアバスの自動運転エアクラフトなどを挙げています。


Uberの空飛ぶ車は固定翼チルトローターを搭載する見込み。


資料の中では10基のプロペラを搭載して垂直離着陸・水平飛行が可能な飛行機「GL-10」や……


X-19の構造についても触れられています。


Uberは無人運転に向けて自動運転車の開発を進めていますが、UberのVTOL機はまず、有人運転で開始される見込み。しかし、最終的には半自動運転もしくは無人運転になることを目指していくようです。

UberはUber Elevate計画について、98ページにわたるPDFファイルを公開しており、空飛ぶ車による配車サービスがいかに都会の渋滞を解決し、排出ガスを削減し、最終的には現在の交通費よりも安くなる、ということなどについて述べています。しかし、その中に、実際にUberが空飛ぶ車を「開発する」計画はありません。Uberは、イーロン・マスクが複数の企業に競わせながら超高速移動体「Hyperloop」を開発しているのと同じく、この計画を発表することで自社で使う空飛ぶ車を開発してくれる企業を募っているのだと見られています。

ただ、Hyperloopが全く新しい発想によって開発されている「次世代交通システム」と呼べるのに対し、空飛ぶ車は、Googleのラリー・ペイジなど、既に多くの人や企業が着手している分野。法規制など乗り越える課題は多いものの、全く新しい技術というわけではないので、実現可能性は十分にあるわけです。

Googleのラリー・ペイジが秘密裏に「空飛ぶ自動車」ベンチャーに100億円以上を投資 - GIGAZINE


垂直離着陸が可能な空飛ぶ自動車「The TF-X」が目指すクオリティとは - GIGAZINE


「空飛ぶスポーツカー」二人乗り軽飛行機の「Icon A5」の納機が2016年に開始へ - GIGAZINE


Uberが現在運営する配車サービスのネットワークとUber Elevateをどのように関係させていくのかなどは、記事作成時点では不明。ただ製造コストについては情報が公開されており、年間12ユニットのVTOL機を運用していく場合は120万ドル(約1億2600万円)かかりますが、年間500ユニットで60万ドル(約6300万円)、5000ユニットで20万ドル(約2100万円)と、規模が拡大するほど1ユニットあたりの運用コストは低くなっていくと見られています。また、有人機の場合、1台あたりの年間運用費は5万ドル(約530万円)で、無人機の場合は年間運用費が6万ドル(約630万円)になるとのこと。これらを鑑みると、無人機の場合は1マイル(約1.6km)あたりの乗車料は50セント(約53円)で、現在タクシーの乗車料が1マイルあたり35セント(約37円)なので、およそ1.4倍ほどになる見込みです。

今のところ、Uberの目的は「自社用の空飛ぶ車」を開発することではなく、どんな形であっても空飛ぶ車を開発する産業を促進し、VTOL機のエコシステムを成熟させることに寄与することだと、公開されたPDFファイルでは述べられています。また、Uberのプロダクト・チーフであるJeff Holden氏は、Wiredの取材に対して「Uberの目的は産業を加速させることだ」と語っています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
全自動飛行可能でパイロット不要の1人乗りドローン「EHANG184」 - GIGAZINE

人を乗せて実際に飛び上がれるドローンが浮上する様子が公開、一体どうやって設計したのか - GIGAZINE

有人飛行を可能にするドローン+ヘリコプターのエアクラフト「Volocopter VC200」が初フライトに成功 - GIGAZINE

Googleのラリー・ペイジが秘密裏に「空飛ぶ自動車」ベンチャーに100億円以上を投資 - GIGAZINE

「空飛ぶスポーツカー」二人乗り軽飛行機の「Icon A5」の納機が2016年に開始へ - GIGAZINE

垂直離着陸が可能な空飛ぶ自動車「The TF-X」が目指すクオリティとは - GIGAZINE

in 乗り物, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.