ついに新型「MacBook Pro」が登場、何が消えて何が搭載されたのか?
2016年10月27日にAppleが開催したApple Special Eventの中で新型「MacBook Pro」が発表されました。うわさ通り、新型MacBook Proでは、使用状況に合わせて変化する新しいインターフェースの「Touch Bar」が搭載されています。他にもUSB-CとThunderbolt 3をひとつにまとめた最大40Gbpsのデータ転送が可能なポートが搭載されたりと、さまざまな進化を果たしている新型MacBook Proですが、ひとつ前のモデルに搭載されていたUSB-Aポート・HDMIポート・SDXCカードスロットなどはなくなっています。
MacBook Pro - Apple(日本)
http://www.apple.com/jp/macbook-pro/
新型MacBook Proがどんなノートブックに仕上がっているのかは以下のムービーを見るとよく分かります。
新しいMacBook Pro — デザイン、パフォーマンス、機能 — Apple - YouTube
新しいMacBook Proは圧倒的に持ち運びが楽なデバイスの基盤となる特質と、妥協のない性能を兼ね備えています。そのため、新しいMacBook Proでは製品の総容積を劇的に削減しているそうで、最大17%も薄くなったそうです。
新しいMacBook ProはAppleのノートブックで過去最高のRetinaディスプレイ(13インチ:解像度2560×1600、15インチ:解像度2880×1800)を搭載しています。
精密に設計されたLEDスペクトルが金属酸化物バックプレーンを通して放射されるので、圧倒的に明るくてハイコントラストな画像がさらに広い色域で表示されます。
ひとつ前のモデルは300ニトの輝度でしたが、新しいMacBook Proはこれが500ニトにまで拡張されており、これは「67%明るいディスプレイ」と表現されています。他にもディスプレイがP3カラーに対応するようになったので、標準的なRGBより25%多い色を使用できるようになったそうです。
より大きくなった感圧タッチトラックパッドでは広々としたエリアであらゆるジェスチャーを駆使できます。トラックパッドの面積は最大2倍にまで拡大しています。
キーボードの設計も改良を重ねています。
各キーの下のドームスイッチを最適化することでより優れた反応が返ってくるようになっており、正確さと効率が向上しています。
これによりキーの安定性は従来の4倍に向上。
そのキーボードの上部に新しく配置されることとなったのが、Touch Barです。
Multi-Touch対応のTouch Barが、画面上のコンテンツをさらに直感的に、さらにすばやく操れるようにしてくれます。
これまで隠れていたコマンドがTouch Bar上に表示されるようになるので、さまざまなアクションをより簡単に使えるようになります。
もちろんTouch Bar上に表示させるものをカスタマイズすることも可能。
キーボード上にある「fn」キーを長押しすることでファンクションキーを表示することもできます。
また、アプリケーションごとに最も関係のあるコントロールが動的にTouch Bar上に表示されるので、作業効率は一段とアップします。
使用するアプリケーションごとに色味を調節するスライドバーや……
カレンダーの日付など、ユーザーが求めるインターフェースに変身してくれるわけです。
FaceTimeでビデオ通話がかかってきても、Touch Barからそれを受けることだって可能。まさに、その場その場で最も必要とされるアクションを表示してくれるインターフェースといった感じ。
さらに、新型MacBook ProはTouch IDを搭載した初のMacでもあります。Touch IDはTouch Barの右端部分に搭載されているようです。
指を置くだけで安全にネットショッピングなどが行えるようになります。
こういったハードウェアとソフトウェアのシームレスな統合はAppleならでは。もちろんApple製のアプリケーションだけでなく、サードパーティー製のアプリケーションでもTouch Barを使用できます。
底面には……
再設計されたスピーカーが搭載されています。新しいスピーカーは排気が最大化されており、原音により忠実なサウンドが部屋いっぱいに広がるよう設計されています。音量は最大58%大きくなり、低音も2.5倍大きくなったとのこと。
そしてMacBook Pro上で行うあらゆるアクションの基盤となるプロ仕様のプロセッサがコレ。プロセッサは第6世代のIntel Coreプロセッサを搭載しており、ネットサーフィンやメールのチェックなどの軽めのタスクでは電力を節約することが可能。また、高速システムメモリとストレージテクノロジーが統合されているのであらゆる作業のスピードと反応が向上します。15インチのMacBook ProではRadeon ProディスクリートGPUが搭載されているので、グラフィックス性能が一世代前のモデルよりも最大130%も速くなります。
ここまでパワフルなノートブックでは温度管理が極めて重要です。そこで、従来よりも薄いファンの羽根をさまざまな間隔で並べ、ほとんど隙間のない強固な構造から空気を静かに押し出すことで内部の冷却を行っています。
なお、新型MacBook Proは13インチモデルが2つ、15インチモデルが1つ用意されており、税別14万8800円から購入可能。最も安価なモデルはTouch Bar非搭載で、代わりに12個の物理ファンクションキーが搭載されています。
新型MacBook Proは一世代前のモデルに搭載されていたUSB-Aポート・HDMIポート・SDXCカードスロットなどがなくなっているのですが、代わりにThunderbolt 3とUSB-Cが統合したポートを搭載しています。データの転送速度は最大40Gbpsで、これはThunderbolt 2の2倍、USB 3.0の8倍の速度です。これなら14時間のHDビデオのコピーにかかる時間は1分未満で、2万5000枚の写真のコピーにかかる時間も1分未満、1万曲のコピーにかかる時間も1分未満とストレスレスなデータ転送が可能になります。
最も安価なTouch Bar非搭載モデルはポートが2つだけですが、Touch Bar搭載の13インチと15インチモデルはそれぞれ左右側面に2つずつ合計4つのポートを搭載します。
また、Thunderbolt 3はThunderbolt 2の2倍のディスプレイ帯域幅を持っているので、2台の4Kディスプレイまたは1台の5Kディスプレイに対応しています。さらに、4つのThunderbolt 3ポートを搭載した15インチMacBook Proに2台の5Kディスプレイと2台のRAIDシステムを同時に接続して、パワフルなワークステーションを作ることもできます。
各モデルのスペックは以下の通り。新しいMacBook Proは一世代前のモデルよりもさらに速くなったSSDを搭載しており、シーケンシャルリードの速度は最大3.1GB/s。15インチモデルでは初めて2TBのSSDを選べるようになっています。
◆13インチMacBook Pro(Touch Bar非搭載)
・13.3インチ(対角)LEDバックライトディスプレイ
・2.0GHzデュアルコアIntel Core i5、または2.4GHzデュアルコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.4GHz)
・最大10時間駆動するバッテリー
・最大1TBのSSD
・感圧タッチトラックパッド
・1.37 kg
◆13インチMacBook Pro(Touch Bar搭載)
・Touch BarとTouch ID
・13.3インチ(対角)LEDバックライトディスプレイ
・2.9GHzまたは3.1GHzデュアルコアIntel Core i5プロセッサ、または3.3GHzデュアルコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)
・最大10時間駆動するバッテリー
・最大1TBのSSD
・感圧タッチトラックパッド
・1.37 kg
◆15インチMacBook Pro
・Touch BarとTouch ID
・15.4インチ(対角)LEDバックライトRetinaディスプレイ
・2.6GHz、2.7GHz、または2.9GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)
・最大10時間駆動するバッテリー
・最大2TBのSSD
・感圧タッチトラックパッド
・1.83 kg
これまでの「MacBook Proの進化の歴史」をたどれるムービーも公開されており、古くからのAppleユーザーにはグッとくるものがあるかもしれません。
MacBook Pro — Reveal - YouTube
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