1週間限定の「お金のない街」を作り出し劣悪な環境下でサバイバルする「バーニングマン」で参加者の一部が暴徒化

「商業主義との決別」を理念として掲げ、お金が存在せず、劣悪な環境の中で人々が見返りを求めない「ギフト」の精神で助け合いながらサバイバルする大規模野外イベントが「バーニングマン」です。アメリカ発祥のイベントですが、日本も本家バーニングマンと同じビジョンでバーニングジャパンを開催しており、2016年は10月8日(土)から10日(月)まで行われています。しかし、2016年に行われた本家バーニングマンでは本来助け合うはずの参加者の一部が暴徒化し、他の参加者のキャンプを襲うという事態が発生していました。
Revolution against 'rich parasites' at utopian Burning Man Festival as 'hooligans' attack luxury camp
http://www.telegraph.co.uk/news/2016/09/04/revolution-against-rich-parasites-at-utopian-burning-man-festiva/
本家バーニングマンとはどういうものなのか?1週間にわたって行われるイベントではどんな日常が待ち受けているのか?ということは、以下の記事から確認できます。
お金の存在しない「ギフト」文化の町で1日を過ごすとどうなるのか?レポート~前編~ - GIGAZINE

また、実際に2013年バーニングマンに参加した時の他のレポートは以下から確認可能です。
砂漠に混沌とした架空都市を作り出す巨大イベント「バーニングマン 2013」、全記事一覧まとめ - GIGAZINE

バーニングマンは1986年から開催されているイベント。2016年は世界中から7万人が何もない砂漠に直径2.4kmの大きな扇形の市街地を作り出し、巨大な構造物を作り出したり、人に食べ物を振る舞ったり、踊ったり、裸になったり、とにかくあらゆる方法で自分を表現しながら日々を過ごしましたが、一方で暴徒化した参加者によって一部のキャンプが襲われるという事態も起こっていました。
日本ではまだ知名度の低いバーニングマンですが、アメリカではかなり有名で、Googleの創業者ラリー・ペイジ氏やFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏などテクノロジー業界のファンも多く、Space Xのイーロン・マスク氏は「バーニングマンはシリコンバレーそのものだ」と発言するほど。
そしてアーティストなど各界の著名人も多く参加しています。
パリス・ヒルトンさんや……
ケイティ・ペリーさんなど。
億万長者の参加者たちの中には建物を建てるための大工やシェフ、警備員などを雇い、整った環境の中で短期のキャンプを楽しむ人も存在します。しかし、バーニングマンが掲げる十か条の根本理念の中には「他人の力をあてにしない」というものがあり、根っからのバーニングマン愛好者(バーナー)から見ると、バーニングマン会場の中で他人の力を使ってぜいたくな暮らしを楽しむ人々は「裏切り者」に他なりません。
バーナーたちの怒りはふつふつと沸騰していき、ついに、有名なDJがいるWhite Oceanと呼ばれるキャンプがバーナーたちの怒りの標的になります。
White Oceanはロシアの億万長者の息子と、イギリス人DJが2013年から作り出したキャンプ。キャンプは以下のような感じで、砂漠の中にあるとは思えないほどゴージャスなものになっています。
2015年のキャンプでは以下のようなパーティーが開かれていた模様。
フーリガンが起こったのはWhite Oceanでパーティーが行われている時。何人かのバーナーがキャンプの送電線を切り、辺りを水びたしにしたそうです。キャンプのリーダーはFacebookで「昨夜、とても悲しい、残念な出来事がWhite Oceanで起こりました。バーニングマンというユートピアでは、私たちが『絶対に起こらない』と考えていたことです」「フーリガンの集団がキャンプに乗り込み、送電線を引っこ抜き切断して、冷蔵庫の中身を全てだめにし、トレーラーの扉を開かなくしました」「そして彼らは我々のキャンプのインフラのほとんどを破壊し、200ガロン(757リットル)の水でキャンプを満たしました」とFacebookで投稿しています。
また、ほかのバーニングマン参加者にフーリガンについて「それは貴方がたのキャンプが人を受け入れなかったという意味です」と言われたとのこと。しかし、White Oceanのリーダーは、White Oceanが何百人もの人々に毎日食事を与えており、「開かれた心と大きな愛」で他のバーナーたちを受け入れていたと主張。White Oceanは妨害行為に対して「自分たちがバーニングマンにふさわしくないと言われていると感じた」としていますが、訴えを起こすなどして、破壊行為を大事にしたくない、という姿勢を見せています。
バーニングマンの平穏が揺るがされたことに対して怒りや驚きを感じている参加者もおり、「怒っている人がバーニングマンにいるなんて信じられない」とコメントする人もいます。
一方で、今回の破壊行為は「バーニングマンを取り戻すためのものだった」として、フーリガンを支持する人も。バーナーのTony Wichowskiさんは「革命が始まりました。これはエレクトロミュージックに合わせて踊っているような旅行者や、他人に寄生している人々からバーニングマンを取り戻しているのです。十分ではありませんが、よいスタートだったと思います」とコメント。Danielle Palmerというバーナーも、「雇ったコックが有給で遊びにきている人々に料理をふるまうことは『バーナーに食べ物をふるまう』とは言えません」と語っています。
なお、2016年10月8日から10日まで開催されているバーニングジャパンの情報は以下から確認可能です。
Burning Japan -バーニングジャパン-
http://burning-japan.com/

・関連記事
お金が使えない野外フェス、電気もガスもない砂漠にゼロから1週間限定の街を作り出す「バーニングマン」2015年はこんな感じ - GIGAZINE
「お金の存在しない街」で世界中から集まった7万人が助け合いサバイバルする「バーニングマン」2016年まとめムービー - GIGAZINE
砂漠に混沌とした架空都市を作り出す巨大イベント「バーニングマン 2013」、全記事一覧まとめ - GIGAZINE
砂漠のド真ん中に直径2.4kmの架空都市を造りだす「バーニングマン」への道はこんな感じ - GIGAZINE
お金の存在しない「ギフト」文化の町で1日を過ごすとどうなるのか?レポート~前編~ - GIGAZINE
お金の存在しない「ギフト」文化の町で1日を過ごすとどうなるのか?レポート~中編~ - GIGAZINE
お金の存在しない「ギフト」文化の町で1日を過ごすとどうなるのか?レポート~中編~ - GIGAZINE
バーニングマン会場「ブラックロックシティ」の主要施設をいろいろ巡回 - GIGAZINE
砂漠の中のコストコで得られるのは物ではなくプライスレスな友情でした - GIGAZINE
お金を使うことに違和感を覚える「センターキャンプカフェ」内部はこんな感じ - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in メモ, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article Part of the participants became mobilize….