取材

五輪競技の約3倍の高さからダイブして技の美しさを競うエクストリームスポーツ「Redbullクリフダイビング」をモスタルの世界遺産の橋で観戦してきた


最大28メートルの高さからダイブして、回転やひねりを加えた「ダイブの美しさ」を競うエクストリームスポーツ「レッドブル・クリフダイビング」がいよいよ2016年10月15日に和歌山県・白浜で日本初開催されます。命知らずのアスリートたちによる究極のジャンプスポーツを、和歌山の前戦となる第7戦モスタル大会をボスニア・ヘルツェゴビナで観戦してきました。

Red Bull Cliff Diving 2016 | クリフダイビング
http://www.redbull.com/jp/ja/events/1331777336208/red-bull-cliff-diving-2016

クリフダイビング2016第7戦は2016年9月23日・24日とボスニア・ヘルツェゴビナの都市モスタルで行われます。


モスタルの旧市街地は山あいの小さな街。


石畳みの上を歩きながら上っていくと……


麓から徒歩5分で世界遺産に登録される平和の橋「スタリ・モスト」に到着しました。


石垣のゲートをくぐれば世界遺産の橋スタリ・モストなのですが……


橋の中央にこんなジャンプ台が設置されています。


橋の下を流れる川は、ジャンプ台から27.5メートル下。クリフダイビングでは、オリンピックのハイダイビングの約3倍の高さから飛び込み、ダイブの美しさを競います。


女子選手が飛び込むのは21メートルのジャンプ台。


なお、選手が飛び込む際には目印となるように川に向けて放水されます。


橋桁の下にはジャッジの席。


会場には大型モニターも設置され、選手のダイブの様子や採点結果が表示されます。


練習が始まるのかと思いきや、地元のプロ選手たちのデモダイブ。観客から25ユーロ(約2800円)の"お布施"が集まれば、彼らは飛び込んでくれます。命がけのダイブにしては安すぎる気がしないでもありません。


下から眺めるとこんな感じ。「マンションの8階から飛び降りるようなもの」と言えば、クリフダイビングのぶっ飛び具合が一発で分かります。


川にはレスキューが待機。


万一の事故に備えて万全の体制が取られています。


午後1時を過ぎると観客が集まり始め……


カメラマンたちがスタンバイ。


ドローンもスタンバイ。


そして、午後2時から女子選手による1回戦ラウンドがスタートしました。


Redbullクリフダイビングにワイルドカードで参戦もここまでランキング2位と驚くべき結果を残している超新星リアナン・イフランドのダイブはこんな感じ。

Redbullクリフダイビングの新鋭リアナン・イフランドのダイブ2016年第7戦モスタル - YouTube


こともなげに華麗なダイブを決める女子選手たちに驚かされます。


女子選手の第1ラウンドが終了すると、いよいよ男子選手による第1ラウンドがスタート。男子選手たちはジャンプ台頂上からのダイブです。


高さ27メートルからの圧巻のダイブの様子は以下のムービーで確認できます。

Redbullクリフダイビングのリバース(前逆飛込)でダイブするアンディ・ジョーンズ@2016年第7戦モスタル - YouTube


ピタリと静止して集中力を高め……


ダイブ


どんな景色が広がっているのでしょうか。


回転しながらも落下地点を見ています。


27.5メートルの高さからのダイブはオリンピックの10m高飛込の衝撃の最大9倍。入水すると足が完全に減速するにもかかわらず、水面から出ている部分はなお最高速度のため、着水時に体の緊張を最大にするとのこと。


生で観戦すると、飛び込む音の迫力にも圧倒されます。


水面に上がってきた選手はレスキューに「OK」とサインを出します。このサインによってダイブが完結するというわけです。


クリフダイビングは最高難度(DD)が4.6までのダイブや最高DD3.8までの必須ダイブや最高DD制限なしの自由形式ダイブなど3つのダイブのよる合計得点を競い、得点の上位8名による最終ラウンドと合計4ラウンドのダイブで争われます。

第1ラウンドではさまざまなスタイルのダイブが現れました。逆立ち状態から飛び込むアームスタンドの様子はこんな感じ。

Redbullクリフダイビングのアームスタンド(逆立ち飛び込み)@2016年第7戦モスタル - YouTube


ダイブを決めた選手たちは緊張から解放されて、みな満面の笑み。


そして、クリフダイビングのレジェンドであるオーランド・デュケの登場。


Redbullクリフダイビングの象徴オーランド・デュケのダイブ@2016年第7戦モスタル - YouTube


2009年のRedbullクリフダイビングワールドチャンピオンで、2つのギネス世界記録を保持する42歳のデュケのダイブでは一際大きな歓声が上がっていました。


そして、デュケに続いてクリフダイビング・ワールドシリーズを5度制し、絶対王者に君臨するイギリスのギャリー・ハントが登場。


Redbullクリフダイビングの絶対王者ギャリー・ハントのダイブ@2016年第7戦モスタル - YouTube


パイク(えび型)の後飛込を見事に決めたハントは、ミハル・ナヴラティルに並び119.60点で第1ラウンド・トップに立ちました。


初日に行われたラウンド1の終了後にインタビューに応じてくれたデュケ。「クリフダイビングの魅力」について、スピード溢れる落下による爽快感を挙げていました。モスタルの印象は、着水ポイントが見づらく難しいとのこと。オリンピックの高跳びはクローズドの環境で全選手にとって平等。けれどクリフダイビングは自然による状況の違いがあり、ときに平等ではないもの。そこが難しくもあり魅力だと語っていました。


日本通のリアナン・イフランド。世界各国のいろんなロケーションを楽しめるのが魅力的だと話すイフランドは、次回大会の日本・白浜でのダイブを非常に楽しみにしているとのこと。


足には"魚"が泳いでいました。


10m高飛び込みとベースとなる技術は同じだけれど、最大28メートルという高さから飛び込む衝撃が大きな違いだと語るランキング1位のギャリー・ハント。絶対王者のハントでさえ、ダイブの度に恐怖はあるとのこと。しかし、その恐怖を乗り越えたあとで得られる感動が魅力で、わずか3秒の間にどれくらい自由に体を使いこなせるかという極限の勝負を楽しんでいるそうです。


レッドブル・クリフダイビング2016第7戦モスタルは、翌日2016年9月24日(土)にラウンド2、3、ファイナルが行われ優勝者が決まります。


・つづき
28メートル上空から生身の体でダイブする「Red Bullクリフダイビング」日本初開催目前のモスタル大会はこんな感じでした - GIGAZINE


上空28メートルからのド迫力のダイビングと逆転に次ぐ逆転のドラマに手に汗握るレッドブル・クリフダイビングは、次戦でついに日本上陸。2016年10月15日(土)、10月16日(日)と2日間にわたって和歌山県白浜町の三段壁で開催されるクリフダイビング日本大会では、無料の観戦エリアと共に有料の観戦用ボートも運行予定となっています。

Red Bull Cliff Diving
http://www.redbullcliffdiving.com/ja_JP

なお、会場で生観戦できない人のために、Red Bull TVおよびAbema TVでインターネット・ライブ中継もあるので必見です。

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in 取材,   動画, Posted by darkhorse_log

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