メモ

Apple製品を知り尽くした「プロ中のプロ」がAppleストアの「ジーニアスバー」の採用試験に落とされていたことが判明


Apple製品の修理や相談を受け付けてくれるGenius Bar(ジーニアスバー)では、Apple製品に詳しいスタッフがユーザーが抱える問題の解決にあたっています。そんなジーニアスバーですが、かつてAppleの商品開発にエンジニアとして携わり、さまざまな製品を世に送り出してきたApple製品の「プロ中のプロ」がスタッフ採用の面接に望んだところ、不採用になっていたことが明らかになっています。

The Apple engineer who moved Mac to Intel applied to work at the Genius Bar in an Apple store and was rejected | Business Insider
http://www.businessinsider.com.au/jk-scheinberg-apple-engineer-rejected-job-apple-store-genius-bar-2016-9

Former Apple engineer says he got turned down for a job at the Genius Bar - CNET
http://www.cnet.com/news/former-apple-engineer-says-he-got-turned-down-for-a-job-at-the-genius-bar/

ジーニアスバーの面接で落とされてしまったのは、2008年までAppleにエンジニアとして勤務していたJK・シェインバーグ氏。シェインバーグ氏はMac OSをIntel製CPUで動作できるようにしたIntel Macの開発を行った人物です。この技術によりApple製品は高い処理性能を手に入れることができたといわれており、いわばシェインバーグ氏はApple成長の立役者とも言える存在の人物です。


シェインバーグ氏はAppleに21年間勤めた経歴の持ち主で、前述のようにIntel環境でMac OSを動作させることに成功し、スティーブ・ジョブズ氏を前にデモを行ったこともある人物。ちなみにSONY Vaio上で動作するMac OSを目にしたジョブズ氏はかなりの衝撃を受けた模様で、翌日にはSONYの社長と話し合いを行うため日本へ飛んだほど。そんな輝かしい経歴を持つシェインバーグ氏ですが、Apple製品のことなら何でも知っているはずの「ジーニアスバー」のスタッフ採用試験では、その経歴はあまり役に立たなかった模様。

このエピソードはThe New York Timesのアシュトン・アップルホワイト記者が掲載した職における年齢差別を問う記事で明らかにされたものです。アップルホワイト記者は、幸運にもシェインバーグ氏から直接技術サポートを受けたことをきっかけにこのエピソードを耳にしたとのこと。2008年にAppleを早期退職したシェインバーグ氏は現在54歳で、退職後しばらくはのんびりしていたようですが、次第に自分の経験とスキルがジーニアスバーで役に立つのではないかと思い、スタッフの募集に応募したそうです。

面接におもむいたシェインバーグ氏は、ほかの応募者が全て20代ぐらいの若者ばかりであることに気づきます。自分の半分ほどの年齢の若者と一緒に集団面接に臨んだシェインバーグ氏でしたが、面接そのものはうまく進んだ模様。退室する際には1人だけ呼び止められ、3人の面接官から「また連絡します」と告げられて好感触だったのですが、実際には何の音沙汰もなかったとのこと。


その理由は、Appleストアの様子をよく見れば何となく見えてくるのかも知れません。ジーニアスバーで働いている人物の多くは、世界どこのショップでも若い年齢層のスタッフがほとんどで、特に男性が多い傾向にあるという見方もあるとのこと。一般的に考えて、まだ社会に出て間もない若者が、シェインバーグ氏が持っている経歴や知識を上回っていることは、まずほとんどないはず。しかも、シェインバーグ氏は面接の際にわざわざ呼び止められるほどの好感触を得ていました。ここから推測される結論は、やはりシェインバーグ氏が不採用になった大きな原因に「年齢」があるのだろうというのが、大方の見方のようです。なお、Appleはこの件について問い合わせたBloomberg Businessに対し、返答を行っていないとのこと。

人員の採用においては各社それぞれの戦略があるため、豊富な経験だけがあれば100%合格できるというわけではもちろんありません。そんなことが頭では理解できていたとしても、Apple製品を作ってきた人がジーニアスバーの面接で不採用になってしまうというのは、なかなか興味深いエピソードといえそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「Appleで働くのは最悪だ」とAppleの元社員たちが告白 - GIGAZINE

iPhoneの分解・修理が簡単にできるAppleジーニアスの秘密のツール - GIGAZINE

出どころの怪しい砕けたiPhoneをAppleが修理してくれるか試してみた - GIGAZINE

Appleの実店舗名から「Store」消滅、「Apple Store 表参道」は「Apple 表参道」に - GIGAZINE

Apple Storeの店員っぽい服を着た泥棒が白昼堂々と170万円相当のiPhone19台を盗み出す事件が発生 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.