地球の近くに地球に似た環境を備えた生命が存在可能な惑星があると判明
By Times Asi
太陽系から最も近い「プロキシマ・ケンタウリ」という恒星を中心に公転する惑星が発見されました。発見された惑星は水が液体のまま存在でき、地球に似た環境を備えています。
A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri : Nature : Nature Research
http://www.nature.com/nature/journal/v536/n7617/abs/nature19106.html
Planet Found in Habitable Zone Around Nearest Star | ESO
https://www.eso.org/public/news/eso1629/
宇宙飛行士のGuillem Anglada-Escudéが率いたクイーン・マリー大学の研究チームによって発見された惑星は「プロキシマb」と名付けられました。チリのラ・シヤ天文台にある望遠鏡に設置された分光器のHARPSを使って発見されたプロキシマbは、太陽から4.22光年離れている、太陽系に最も近いプロキシマ・ケンタウリの周囲を11.2日周期で公転する惑星です。
プロキシマbとプロキシマ・ケンタウリの距離は700万kmで、これは地球から太陽までの距離のわずか5%に過ぎません。調査では惑星の質量が最低でも地球の1.3倍あること、そして生命が誕生するのに適した環境であるハビタブルゾーンに位置し、水が液体で存在するのに適した表面温度であることが判明しています。
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調査時に液体がプロキシマbに存在するかはわからなかったものの、惑星の熱帯域にのみ存在している可能性があります。しかし、プロキシマbはプロキシマ・ケンタウリから放たれる紫外線やX線フレアの影響を受けている可能性があり、その強さは地球が太陽から受ける紫外線や太陽フレアよりも強力とのこと。また、プロキシマ・ケンタウリから強い放射線が降り注いでいる可能性も懸念されており、地球とは気候がかなり異なり、地球のような季節は存在しないと考えられています。
地球から近く、かつ生命が生きるのに欠かせない水が液体のまま存在できるというのは大きな発見で、今後はチリに建設予定の次世代望遠鏡「欧州超大型望遠鏡」で観測を行ない、大気や生命が存在するかどうか明らかにしていくそうです。
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