サイエンス

無重力空間では目が圧迫され顔がむくんでいく

By ManWomanGradyBaby

宇宙飛行士は地球の1G環境下とは異なる無重力、もしくは微重力空間で長期のミッションに取り組む必要があります。そんな宇宙飛行士が直面する思いがけない症状をNASAの公式ブログが紹介しています。

Eye Exams and Spacesuit Checks Today | Space Station
http://blogs.nasa.gov/spacestation/2016/08/09/eye-exams-and-spacesuit-checks-today/

国際宇宙ステーション第48次長期滞在クルーは、日本の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)所属の日本人宇宙飛行士大西卓哉さんを含めて6人です。この第48次長期滞在クルーのメンバーの内3人は、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からソユーズ宇宙船で宇宙に打ち上げられ、ソユーズ宇宙船は日本時間の7月9日午後1時6分頃に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングすることに成功しました。なお、第48次長期滞在クルーである大西卓哉さんは、ISSに4か月滞在し、10月末頃に地球に帰還予定です。

その第48次長期滞在クルーは全員で6人いるのですが、同メンバーは微重力下での生活が人間の体液がどのような変化を起こすかを調査するために、細かく目の検査を続けているそうです。調査では第48次長期滞在クルーの6人全員が複数種類の目の検査を丸1日かけて行い、その結果、従来の体液移動研究で明らかになっていた、「顔のむくみ」とみられる症状も確認できたそうです。

地上では重力が働くため心臓より上にある頭部に血液を送るには高い血圧が必要となりますが、宇宙空間などの無重力、もしくは微重力環境下では地上と同じ血圧で体が血を送ると、血圧が高すぎて頭部がむくんでしまいます。この症状が引き起こすかもしれないその他の症状についてより詳細に調査するため、第48次長期滞在クルーたちは日々細かい検査を行っているというわけ。


日本人宇宙飛行士の大西さんは自身のGoogle+アカウントでも「体液変化」に関する研究の調査を行っていることを明かしています。投稿によると、体液変化の調査で行われる「複数種類の目の検査」には、視力検査、眼の超音波検査、眼底検査などが含まれるようです。


なお、顔のむくみは宇宙での長期ミッションに伴い発症するという謎の視力低下現象「VIIP」を引き起こす原因とも考えられています。

長期の宇宙滞在ミッションが引き起こす謎の病「VIIP」 - GIGAZINE


宇宙に行くと地球とは異なる重力下で生活しなければならなくなるので、顔のむくみ以外にも体に変化が起こります。実際の宇宙飛行士で、宇宙でのミッションを2度経験したことのあるリーランド・メルビンさんが「宇宙空間で人間の体に起こる変化」について語っているムービーが公開されており、その内容は以下の記事でチェックできます。

無重力状態の宇宙に行くと人間の体にはこんな変化が起こる - GIGAZINE


・おまけ
なお、第48次長期滞在クルーのコマンダーであるジェフ・ウィリアムズ氏やフライトエンジニアのケイト・ルービン氏は、ISSに新規のドッキングポートであるインターナショナルドッキングアダプター(International Docking Adapters:IDA)を取り付けるために、宇宙空間での作業を行う予定となっています。

このIDAは、今後打ち上げ予定のボーイングとスペースXの有人宇宙船が、ISSにドッキングする際に使用されるドッキングポート。

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in サイエンス, Posted by logu_ii

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