空軍が数年間かけて集めた10万件もの記録がパソコンのクラッシュで消滅
by Gary'
アメリカ空軍が2004年から13年間にわたって収集していた10万件にも及ぶデータが、記録用データベースのクラッシュにより全て消滅してしまったことが明らかになりました。空軍では軍事会社と協力して、データベースが故障した原因の究明とデータ復旧にあたっているとのことです。
Computer Crash Wipes Out Years of Air Force Investigation Records - Defense One
http://www.defenseone.com/technology/2016/06/computer-crash-wipes-out-years-air-force-investigation-records/129049/
Air Force has lost 100,000 inspector general records | TheHill
http://thehill.com/policy/defense/283109-air-force-has-lost-100000-inspector-general-records
アメリカ空軍は、2016年5月末に発生したデータベースの不具合により、軍内部での揉め事や不正行為などの記録が失われたことを発表しました。問題が起きたデータベースは、空軍の監察総監と議会連絡部門のファイルを管理していて、今回の故障で2004年から作成されたデータ10万件がすべて消えてしまったとのこと。空軍と、データベースを運営する軍事会社のロッキード・マーティンの両者ともに、データベースが壊れた原因は分からず、消滅したデータを復旧できるかどうかも不明だそうです。
ロッキード・マーティンは不具合を発見してから2週間にわたってデータ復旧に取り組みましたが果たせず、6月6日になってデータが消滅したことを空軍に伝えました。空軍では、アメリカ国防総省のサイバーセキュリティ専門家に支援を依頼するとともに、民間の契約会社にもデータ復旧のための助けを求めています。空軍の広報官であるAnn Stefanek氏は、「私たちは、データ復旧のために空軍内部でできる限りの手を尽くして消耗しています。そのため、データ復旧のための支援を外部の専門家に依頼することにしました」と語っています。なお、空軍ではデータベースの不具合発生は故意に引き起こされたものとは考えていないとのこと。
by Expert Infantry
ロッキード・マーティンの広報官のMaureen Schumann氏は、「我が社では、空軍の自動事件記録システム(ACTS)のデータ消失について認知しており、空軍と共に原因究明にあたり、消滅したデータの回復に努めています」とコメントしています。
空軍の監察総監は、空軍長官直属の第三者機関で、空軍内の浪費・不正行為・暴力行為などを空軍長官に報告しています。Stefanek氏によれば、失われたデータの中には、軍人の個人情報や、空軍内の苦情や不正行為の調査結果、情報公開法に基づく問い合わせ、また議会連絡部門の記録や選挙区民の問い合わせなどが含まれているとのこと。過去の記録のみならず現在調査を行っている最中のデータも失われたため、直近の調査進行が遅れると見られています。
調査が実施された基地に、データのバックアップが残されている可能性もあるとのこと。Stefanek氏は「我々は一体何が起こっているのかを解明するための調査を開始していますが、今のところは何も判明していません」と語っています。
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