今後10年間で心筋梗塞や脳梗塞になる確率を簡単に測定できる「循環器疾患リスクチェック」
がん・心筋梗塞・脳卒中などの成人病の発症は、食習慣・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く関わっていると考えられています。この中の心筋梗塞と、脳卒中の一種である脳梗塞の発症リスクを計算する「循環器疾患リスクチェック」が、国立がん研究センターなどのグループにより公開されました。同システムは、全国11カ所の保健所と国立がん研究センター・国立循環器病研究センター・大学・研究機関・医療機関などの共同研究である多目的コホート研究の調査結果にもとづいたものになっており、例えば「喫煙をやめた場合、発症率はどのくらい下がるのか?」などが簡単にチェックできるようになっています。
循環器疾患リスクチェック
http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html
「循環器疾患リスクチェック」は、40~69歳までの成人でこれまでに心筋梗塞や脳卒中を発症したことのない人物が、今後10年間で心筋梗塞および脳梗塞を発症する確率を算出してくれるシステム。
測定時に入力する情報は以下の通り。
・年齢
・性別
・降圧薬の内服
・収縮期血圧[最大血圧](mmHg)
・糖尿病の治療
・血糖値(mg/dl)
・現在の喫煙習慣
・HDLコレステロール(mg/dl)
・LDLコレステロール (mg/dl)
・中性脂肪[トリグリセライド](mg/dl)
・総コレステロール(mg/dl)
これらの項目を入力して「計算する」をクリック。
すると、画面最上部に「心筋梗塞を発症する確率」と「脳梗塞を発症する確率」の2つが表示されます。
例えば、喫煙者である50歳男性を想定し、収縮期血圧・血糖値・コレステロール値に「50代男性の平均値」を入力すると、心筋梗塞を発症する確率は「4.1%」、脳梗塞を発症する確率は「2.6%」。
喫煙習慣を「なし」に変更すると、心筋梗塞を発症する確率は「2.1%」、脳梗塞を発症する確率は「1.8%」にまで減少します。
収縮期血圧・血糖値・コレステロール値をそのままに、喫煙習慣「あり」に戻し、年齢を「60歳」に変更すると、心筋梗塞を発症する確率は「6.7%」、脳梗塞を発症する確率は「6.5%」になりました。
このように、「循環器疾患リスクチェック」では心筋梗塞および脳梗塞の発症率を簡単にチェックできるようになっています。なお、このシステムの開発に使用されたデータは、茨城県や新潟県など5つの県に住む1万5000人余りを平均16年間にわたって追跡調査して得られたものだそうです。
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