ER(救急救命室)が倒れた患者のフィットネスバンドからヘルス関連データをゲットして命を助けることに成功
脳卒中を起こして病院に運ばれた男性がウェアラブル端末「Fitbit Charge HR」を身につけていたため、ER(救急救命室)の医師らが端末の心拍履歴を確認して処置を決めることができた、という事例が報告されています。ウェアラブル端末の使用が男性の命を救うのに一役かったとして海外メディアが報じました。
Can your fitness tracker save your life in the ER? | EurekAlert! Science News
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/acoe-cyf040516.php
Interrogation of Patient Smartphone Activity Tracker to Assist Arrhythmia Management - Annals of Emergency Medicine
http://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(16)00143-8/fulltext
仕事中に脳卒中を起こして病院に運ばれた男性は心房細動を起こしており、鼓動が早くなっていることが確認されたのですが、医師らは脳卒中であるのか 慢性疾患であるのかの判断がつかず、処置の方法を決めかねていました。もし脳卒中から不整脈が起こっているのであれば電気的除細動を行う必要がありますが、何らかの慢性疾患の症状だった場合、電気的除細動は逆に発作を引き起こす可能性があったためです。
その時、医師らは男性がFitbit Charge HRを装着していることに気づき、スマートフォンアプリのデータにアクセス。すると、そこには通常の運動時における男性の心拍数が記録されていました。男性の基線脈拍数は1分あたり70~80拍だったところ、運ばれて来た時には脳卒中の徴候である140~160拍/分であったことが判明。医師らは不整脈が脳卒中によって起こっていると判断して電気的除細動を行い、患者の命を救いました。
Fitbit Charge HR™ ワイヤレス心拍計・活動量計リストバンド
https://www.fitbit.com/jp/chargehr
今回のケースは、健康管理のためのウェアラブル端末が、ユーザーが突発的な病気で医師とコミュニケーションできない状態にある時の情報提供手段として役立つということを示す重要な事例です。
なお、Appleは「電子機器が心拍や心音の急激な変化から心臓発作を検出した場合に、その症状の緊急度に応じて緊急通報を発する」という特許を出願しており、新しいApple Watchには心臓発作をを検出して救急に電話してくれる機能が追加される可能性があると言われています。
心臓発作をApple Watchが検出してiPhoneが即座に救急に電話してくれる機能が追加される可能性 - GIGAZINE
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