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ワシを訓練して不審なドローンを空中で捕獲するプロジェクト、飛行場でテストを実施


無人飛行機のドローンは、誰でも手軽に購入できるほど安価で身近になった一方で、原子力発電所近くでドローンが発見されたり、原子力潜水艦の設備付近でドローンが操縦不能になって持ち主の男性に罰金刑が科せられたりと、関連する事件も増えています。そんな中、ワシを訓練してドローンを空中で捕まえる計画をオランダ警察と民間会社が協力して行っていて、実際に飛行場でワシがドローンを捕獲するというテストが実施されました。

Dutch Firm Trains Eagles to Take Down High-Tech Prey: Drones - The New York Times
http://www.nytimes.com/2016/05/29/world/europe/drones-eagles.html


ヨーロッパでは、ドローンに関する統一ルールが定められておらず、国ごとに独自に規制を行っている状況。明確な規制が進んでいないこともあり、ドローンが飛行場に侵入して飛行機の安全性を脅かしたり、刑務所へ物を密輸するためにドローンが使われたり、公開イベントでドローンが低空飛行を行い安全性に問題があったりと、ドローンの飛行にともなった安全性の確保が急務となっています。

そこでオランダ警察が導入を検討しているのが、「ワシ」を使ったドローンの捕獲計画です。この計画は、セキュリティ・コンサルタントのSjoerd Hoogendoorn氏がドローンの脅威について調査中に思いついたもので、Hoogendoorn氏は鳥の調教師であるBen de Keijzer氏と共にGuard From Aboveという会社を設立し、オランダ警察に技術を打診したとのこと。ワシを訓練してドローンを捕獲する計画については、以下の記事に詳しく載っています。

ドローンを空中で捕まえる「ワシ」を警察が訓練中 - GIGAZINE


2016年2月の段階では、屋内の実験場で飛行中のドローンをワシが捕まえるというテストが行われていました。2016年5月28日には、オランダ南部にある、既に廃止されて使われていないファルケンブルフ海軍空軍基地の軍用飛行場で、ワシを使って飛行中のドローンを捕まえる実験が実施されました。ワシを空へと放ち……


飛行中のドローンをワシが捕捉して近づいていきます。


そしてワシが脚でガッシリとドローンをキャッチ。他のドローン捕獲方法とは異なり、ワシは上空の風に影響されることなくドローンを捕まえられるという利点があるとのこと。また、ワシの爪には、爪を保護するための鱗片がついているため、ドローンのプロペラでワシがケガをしてしまう心配は少ないそうです。


ドローンを捕まえたワシは、ドローンをつかんだまま地上の調教師の元に戻ってくるように訓練されているため、地上への危険性を極力抑えながら不審なドローンを捕獲できるとのこと。


ドローンを捕まえたワシには、ご褒美に肉塊が与えられるそうです。


オランダ警察の刑事部長のMark Wiebes氏は、「これまでに飛行場の周りでは、ドローンが関係する事故が何件も発生しています。今回の飛行場でのテストは、非常に有望でした」とコメント。今後は最終的なテストを行い、実際にオランダ国内でワシによるドローン捕獲方法が活用される予定とのことです。

しかし、ワシを使ったドローン捕獲方法は場所や時間を問わず使えるわけではないため、例えばドローンの電波をジャミングしたり、網を使って不審なドローンを捕獲したり、散弾でドローンを撃ち落したりなど、他のドローン捕獲手段も併用する予定とのこと。Wiebes氏は「世界中の空港では、周辺の小鳥をよけるために既にワシが導入されている空港もあるため、ドローンよけのワシは導入しやすいと考えています」と語っています。

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in ハードウェア,   生き物, Posted by darkhorse_log

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