ワシを使ってドローンを空中で捕獲するプロジェクトが頓挫


手頃な価格で購入可能なコンシューマー向けドローンの性能が向上するにつれ、あのホワイトハウスにドローンが侵入したり、ドローンが旅客機と衝突する事故が発生したりと、ドローンの存在が問題視される事案が増加しています。それに伴い、ドローンガンドローンキャッチャーアンチドローンライフルなどの不審なドローンを捕獲するためのデバイスが開発されています。そんなドローン捕獲用デバイスと同じように、不審なドローンをワシに捕獲させようというプロジェクトがオランダで進められていたのですが、ここにきてプロジェクトは中止することとなっています。

Politie stopt met anti-dronevogels en speurratten | NOS
https://nos.nl/artikel/2206271-politie-stopt-met-anti-dronevogels-en-speurratten.html

Dutch police will stop using drone-hunting eagles since they weren't doing what they're told - The Verge
https://www.theverge.com/2017/12/12/16767000/police-netherlands-eagles-rogue-drones

不審なドローンを行動不能にするために銃などを用いて撃ち落とそうとすれば、ドローンが地上に落下してかえって危険を招く恐れがあります。そこで、オランダの警察はワシを使ってドローンを空中で捕獲し、地上まで安全に運んでもらうというドローン捕獲方法を訓練していました。オランダ警察によるワシを用いたドローン捕獲プロジェクトの詳細は、以下の記事を読めばよくわかります。

ドローンを空中で捕まえる「ワシ」を警察が訓練中 - GIGAZINE


まさにワシがドローンを空中で捕獲した瞬間


プロジェクトは順調に進行しており、2016年5月には飛行場でのテストも実施されました。

ワシを訓練して不審なドローンを空中で捕獲するプロジェクト、飛行場でテストを実施 - GIGAZINE


テスト時に撮影された写真。ワシはドローンを捕獲したまま調教師の元へ戻ってくるように訓練されているので、地上への危険性を極力抑えながら不審なドローンを捕獲できるようになっています。


大型のドローンを捕獲する場合にプロペラでワシが傷つけられる可能性があったり、ワシを用いた捕獲にはどうしても場所・時間的な制限が生じてしまったりと、問題点も指摘されていたのですが、結局プロジェクトはワシの調教に予想以上に高額なコストが必要になってしまうということで頓挫してしまったことが明らかになっています。

報道によると、オランダ警察で進められていたワシを用いたドローン捕獲プロジェクトは順調に進んでいるかのようにみえましたが、実際はワシが訓練通りに動くとは限らず、調教にかかるコストなどを鑑みると割に合わないという結論に至ったようです。なお、オランダ警察は2016年にワシを4羽購入し、調教しています。

オランダ警察がワシを用いたドローン捕獲プロジェクトを発表した際、動物愛護団体は懸念を表明しました。また、ワシの調教師であるロバート・マスター氏はNL Timesのインタビューの中で、「もしもワシが獲物を捕獲できない状態でいたなら、不満を募らせて獲物以外のものを狩る可能性があります。ワシのかぎ爪は非常に強力で、小さな子どもの頭ならば容易に突き刺すことができます」と語っており、ワシにドローンを捕獲させることで他の危険が生じる可能性を指摘していました。

なお、オランダはワシを用いてドローンを捕獲しようとした最初の国でしたが、現在はアメリカ空軍でもワシを用いた方法が研究されています。

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in ハードウェア,   生き物, Posted by logu_ii