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スマホでのVR体験を極上にするGoogleの「Daydream」とは?そしてVR対応スマホも


Googleが開発者向けカンファレンス「Google I/O 2016」で、VR向けのプラットフォーム「Daydream」を発表しました。キーノートでは、VR対応スマートフォン・ヘッドセット&専用コントローラー・アプリというDaydreamの3つの新しい取り組みが明らかになっています。

Google VR - Daydream
https://vr.google.com/daydream/

Daydreamが発表されたGoogle I/Oは以下のムービーから確認可能です。

Google I/O 2016 - Keynote - YouTube


Googleは2014年のGoogle I/Oで段ボール製のVRヘッドセット「Cardboard」を発表しましたが、CardboardでできることはOculus RiftやHTC ViveといったハイエンドのVRヘッドセットと比べると限界があったのも事実です。


Cardboardの快適性・リッチなインタラクティブ・没入感を向上させようと考えられたのがVRプラットフォームの「Daydream」です。


GoogleはDaydreamでVR体験を向上させるために、「スマートフォン」「ヘッドセット&コントローラー」「アプリ」の3つに取り組んでいるとのこと。


1つ目はスマートフォン。Daydream-ReadyというVR対応のスマートフォンを開発中で、VR体験に適したセンサー・ディスプレイ・SoCを搭載したスマートフォンが各メーカーから2016年秋頃に登場予定。Daydream-Readyのスマートフォンは、Googleが極上のVR体験を可能にするために定めたスペックを満たした製品になります。


スマートフォンがVR向けのスペックになったとしても、VRを動作させるにはOSが重要であるということで、新バージョンのAndroid Nには「VRモード」が搭載されることになりました。VRモードはヘッドトラッキング精度・3Dオーディオ・グラフィック描画のレイテンシーの減少・VRのシステムUIが含まれていて、例えば、レイテンシーはOculus RiftやGear VRと同じ20ms以下に抑えられるとのこと。また、VRのシステムUIが搭載されることで、VRコンテンツをスマートフォンで体験中でも通話やメールの通知を表示できるようになります。


Android Nを搭載したDaydream-ReadyのスマートフォンはSamsung・HTC・LG・Xiaomi・Huawei・ZTE・Asus・Arcatelから登場予定で、この中のいくつかは2016年秋にリリースされます。


VR向けのスマートフォンでVRを楽しむにはVRヘッドセットが必要ということで、Googleは快適性に重点をおいてメーカーとともに開発中。どのメーカーから発表されるかは明らかにされていませんが、新しいVRヘッドセットはDaydream-Readyのスマートフォンとシームレスで動作し、2016年秋に登場予定です。


さらに、VR専用のコントローラーの開発にも取り組んでいることが明らかになりました。コントローラーはシンプルな操作性に焦点を当てたデザインで、端末の上部にタッチパッドが搭載され、ボタンは2つだけ。ただし、コントーローラーの中にはオリエンテーションセンサーを搭載し、コントローラーがどの方向を向いているのか、どれくらい傾いているのかを検知可能。


コントローラーを魔法のステッキのように振りかざして……


前方に振ると、画面上のステッキから魔法が放たれました。


フライパンを返したり……


釣りをしたり……


空中を飛んでいるドラゴンを操作したりなど、オリエンテーションセンサーを搭載することで手首の複雑な動きを感知して操作に反映することができます。


専用コントローラーを使ってパンケーキを焼いている様子は以下のツイートから確認できます。

ALL I WANT TO DO IS MAKE PANCAKES ON THE SAND IN VR google totally gets me https://t.co/RrrwLaKDxT #io16 pic.twitter.com/BKvCUlWM2A

— Ross Miller (@ohnorosco)


釣りの様子はこんな感じ。


You can do some pretty awesome things with the Daydream controller. #IO16https://t.co/GMKIrNbPYS

— Google (@google)


VR対応のスマートフォン・ヘッドセット&コントローラーでVRを体験するにはコンテンツが必要。Googleはコンテンツを配信するアプリをインストールするためのVR専用Google Playを開発中。


VR専用Google Playでゲームやムービーを購入したら、すぐさまコンテンツを体験できるように作られているのが「Daydream Home」です。これはDaydreamのホーム画面となるもので、ここを起点にしてさまざまなVRコンテンツにアクセスできます。


「The New York Times」「The Wall Street Journal」「USA TODAY」「CNN」「HBO NOW」「Netflix」「NBA」「hulu」「Lionsgate」「IMAX」「MLB」はVR内の巨大スクリーンでムービーを視聴できるアプリを開発中。このうちニューヨーク・タイムズは既に2015年10月にGoogleとの提携を発表済み、「NYT VR」というアプリをリリースしています。


これはIMAXが提供予定の360度ムービーです。スマートフォンでここまで高画質のVRを体験できるようになります。


VRコンテンツと切っても切り離せないのがゲーム。「EA」「NetEase Games」「OtherSide Entertainment」「minorityVR」「UBISOFT」「Resolution」「CCP」「nDreams」「Turbo Button」「Climax Studio」といったメーカーがDaydreamで配信予定のゲームを開発中。


また、Google Playムービー・ストリートビュー・Googleフォト・YouTubeが純正アプリとしてDaydreamで体験できるようになります。Google PlayムービーはGoogle Playで購入した映像コンテンツをVR内の専用シアターで視聴可能。ストリートビューで360度の静止画、GoogleフォトでVR写真を閲覧できるようになります。また、YouTubeはVR向けに再構築され音声検索に対応し、今までとは違った方法でYouTubeのムービーを視聴できるようになるとのことです。


Daydreamは2016年秋に登場予定ですが、開発者向けのSDKはすでに配布されています。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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