NSAの内部だけで流通する国家機密級情報満載のニュースレター「SIDtoday」をスノーデンが暴露して誰でもダウンロード＆閲覧可能に、概要はこんな感じ

By RestrictedData

「SIDtoday」はアメリカ国家安全保障局(NSA)の中でも最も重要な部門である「Signals Intelligence Directorate(SID)」用の極秘機関報です。その「SIDtoday」がエドワード・スノーデン氏によってリークされ、インターネットメディアの「The Intercept」が公開しています。

Snowden Archive——The SidToday Files
https://theintercept.com/snowden-sidtoday/

The InterceptはリークされたSIDtodayから、手始めに166記事をインターネット上に公開しました。これは期間で言うと2003年3月31日から同年の12月末までに機関報としてリリースされたSIDtodayで、同期間中にリリースされた分はすべて含まれています。SIDtodayの主なトピックは、イラク戦争やテロリストとの戦いの中でNSAが担っていたとされる「尋問」に関するもの。他にもSIDの新しいリーダーについてや、インターネットの人気のある使い方、モバイルコンピューティングデバイスについてなどさまざまな内容の記事が掲載されていたとのこと。

The InterceptはSIDについて、「SIDは恐らくNSAの中でも最も重要な部門で、NSAがターゲットとしている機関・テロリストに対してスパイ活動を行う部門」としています。

SIDの機関報であるSIDtodayは、記事作成時点では166記事分公開されており、以下からダウンロードできます。

GitHub - firstlookmedia/sidtoday: Snowden Archive: The SIDtoday Files

データをダウンロードすると、フォルダの中にはSIDtodayのPDFファイルが166個保存されています。

実際に開くとこんな感じ。誰がやり取りしたものかを特定することにつながりそうな部分は、黒で塗りつぶされていました。

公開された166記事はThe Interceptにより慎重に調査・編集者による評価・法的審査・報道・編集・デジタル化処理が行われています。そもそも、オリジナルのSIDtodayはNSAによるウェブサイトだそうです。しかし、通常のインターネットでアクセス可能なウェブサイトとは異なり、NSA内部のスパイエージェンシー・ネットワークからのみアクセス可能なウェブサイトになっているそうです。つまり、スノーデン氏によりリークされたSIDtodayの記事は、ウェブページのHTMLがそのまま提供されており、これを読みやすいように加工する必要があったとのこと。

なお、The InterceptがSIDtodayの166記事を公開するためにどのような苦労を体験したかは、以下にまとめられています。

How We Prepared the NSA’s Sensitive Internal Reports for Release
hhttps://theintercept.com/2016/05/16/how-we-prepared-the-nsas-sensitive-internal-reports-for-release/