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香港を逃亡先・亡命先として選ぶのにピッタリな6つの理由

By Dalibor Levíček

アメリカ政府の情報機関がGoogle・Apple・Yahoo!・Facebook・Microsoftなどインターネット関連企業のサーバから情報収集をするために運営している極秘プロジェクト「PRISM」の存在を暴露した元CIA職員のEdward Snowden(エドワード・スノーデン)氏は、当面の国外逃亡先として香港を選びました。香港以外にも亡命者や逃亡者を受け入れている国はたくさんありますが、なぜスノーデン氏が香港を逃亡先として選んだのかという理由をCorrenteが「逃亡先として香港を選んだことがスノーデン氏にとってベストである6つの理由」として公開しています。

Six reasons why choosing Hong Kong is a brilliant move by Edward Snowden | Corrente
http://www.correntewire.com/six_reasons_why_choosing_hong_kong_is_a_brilliant_move_by_edward_snowden

◆01:香港の法の下では、正義は必ずやってくるが時間がかかる。それも多少ではなくかなりの時間が必要。

By Member since 2005

香港では第一審裁判所から控訴裁判所に1年かかり、さらに上告裁判所までは3年かかるため、裁判が非常にゆっくりと行われるそうです。また、スノーデン氏の件は、過去の判例であるような典型的なケースではないので、イギリスの法制度に基づき裁判官や弁護士がすべての細かい点について死ぬほど審議することが予想されます。例えば、2003年に妻が夫に睡眠薬入りのストロベリーミルクセーキを飲ませて眠らせてから殺害したという通称「イチゴ・ミルクセーキ殺人事件」は、公判と再審を繰り返し、事件発生からすでに10年が経過してしまっており、同様のことがスノーデン氏の一件にも起こるのでは、とCorrenteは予想。

◆02:オタクに最もやさしい国である香港

By Julia Roy

香港は非常に小さい都市であるためサイバーカルチャーが発展しており、SIMカードは街のいたる場所で購入可能で、住民1人あたりのSIMカード所持枚数は平均で2.3枚。また、インターネット回線はどこからでもアクセスできる光ファイバー通信で、通信料はニューヨークにあるどのブロードバンド会社よりも安く提供されています。アメリカとアジアの間に設置されているインターネットケーブルが数年前に台湾で地震が発生したときに破損しましたが、香港では全く問題にならなかったこともありました。しかも、香港のインターネットは中国の検閲を受けないという点もスノーデン氏に優位に働きそうです。

◆03:地元の人たちからのサポート

By Michael Fleshman

今回の事件である、世界中の人々が使うインターネット上のプライバシー保護のために1人の男が立ち上がった、という構図は香港市民のハートをガッチリとつかんだようで、すでにスノーデン氏を支持するデモまで行われました。普通選挙を実施していない香港では、市民デモなどで政府の計画や決定が覆ることがあり、世論が世界の他の都市よりも強い力を持っています。Correnteによると、スノーデン氏が力を持った世論をうまく味方につけたことはとても有利な作戦であるとのこと。

◆04:香港の曖昧な政治制度がスノーデン氏にもたらすアドバンテージ

By Lianqing Li

中国の特別行政地区である香港は「One Country Two Systems(2つのシステムがある1つの国)」と呼ばれ、中国とは違う政治や法律を持ち、中国の一部でありながら独自の警察や通貨、入国や税関システムを採用しています。中国は香港の巨大な金融業や大物経営者を引き止めておくためにも、香港に対して慎重な姿勢をくずすことはありません。ですので、中国が香港市民を逆なでするような処置をスノーデン氏にする可能性は低いとのことです。

と同時に、アメリカの香港に対する政治の影響力も強く、香港は常に「中国の国益」「アメリカの要求」「国際社会における香港の自立的な立場」を考慮しなければいけない三角関係の立場にあります。Correnteは、香港や中国は面倒なことを起こすくらいならスノーデン氏に対する法的な処分をなるべく避ける姿勢を取るであろうと予測しています。

◆05:安全性およびセキュリティ

By jinjian liang

Correnteは、スノーデン氏がインタビューの中で三合会について言及していたことが小さなことでありながらも重要であるかもしれない、と語っています。三合会とは、香港を拠点とする暴力団のことで、香港以外では香港の暴力団や警察映画のファンくらいしか知らない、あまり国際的ではない暴力団です。Correnteは、スノーデン氏がアメリカと三合会の間で逮捕者を釈放する代わりにスノーデン氏をアメリカに引き渡させるなどの取引が結ばれるかもしれないと考え、先に手を打ったのではないかと予想しています。

また、2012年に香港で発生した殺人事件は27件と、世界的に見ても最も安全な都市の1つである香港で、滞在しているホテルの窓越しにスノーデン氏を狙撃したり、路上で誘拐したりといったことは現実的に考えて起こらないとのこと。

◆06:厚い司法扶助

By CALI - Center for...

香港は中国本土の反体制派にとって初めて自由に主張できる場であり、また、民主主義運動は司法審査のために裁判所を積極的に使うため、香港には人権および公民権法に特化している弁護士が多く存在します。香港の優秀な弁護士にとってスノーデン氏のようなケースは喉から手がでるほど担当したい一件なので、スノーデン氏は自分の弁護についてほとんど心配する必要がない、とCorrenteは語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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