デザイン

なぜSF映画のスクリーンには「青色」が使われるのか?


SF映画には現代に存在しないような未来を感じさせるデザインが用いられていますが、1968年から2011年の間に公開されたSF映画を調査したところ、劇中で登場する「未来のデバイス」のスクリーンやインターフェースには、ほとんど全てに青色のデザインが使われていることがわかりました。

Future Screens are Mostly Blue - 99% Invisible
http://99percentinvisible.org/episode/future-screens-are-mostly-blue/

SF愛好家でデザイナーのChris Noesse氏とNathan Shedroff氏は、数年にわたって現代のデザインとSF映画のデザインを勉強し、SF映画のデザインを参考に現代で成功するデザインを指南する本「Make It So: Interaction Design Lessons from Science Fiction」を完成させました。

以下は1968年から2011年までのSF映画に登場するインターフェースのカラーを測定し、平均カラーを抽出して視覚的にカタログ化したもの。暖色系が多用されたことで、平均色が赤色や茶色になっている年もありますが、ほとんど全てが青系統になっていることがわかります。


SF映画のスクリーンに青色が多用されている理由について、Noesse氏は「自然界にほとんど存在しない『真っ青』は、神秘的で不自然かつ非人間的な印象を与えるため」と考察しています。


ただし、これらの傾向は将来的に青いスクリーンが使われることを意味しているわけではないそうです。Noesse氏らによると、SF映画のデザインは現代のデザインの対話作用から誕生しているため、言い換えれば現代の製品をデザインするための参考にできるとのことです。例えば、モトローラが「MicroTAC」と呼ばれる携帯電話を販売していましたが、販売台数は伸び悩んでいました。



そこでモトローラのデザイナーがアルゴンヌ国立研究所にアドバイスを求めたところ、「端末を下向きに開くのではなく、スタートレックのように上向きに開くべき」という助言を受けたとのこと。本体の下半分を開くとボタンを押せるデザインだったMicroTACから、折りたたみ式フィーチャーフォンのようなデザインの「StarTAC」が誕生し、StarTACは大成功を収めました。


スマートフォンやタブレットが普及している現代は、古いSF映画で登場するようなデバイスが実現していることになります。現代の製品やインターフェースをデザインする上で、未来を描いたSF映画を参考にするのは理にかなっていると言えそうです。

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in 映画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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