iPhoneのロック解除のためにFBIは1億円以上をハッカーに払ったことが判明
アメリカで起きたサンバーナーディーノ銃乱射事件の犯人が使用していたiPhoneのロックを解除するために、FBIは1億円を超える代金を支払ったことがわかりました。
FBI Paid More Than $1 Million to Hack San Bernardino iPhone - WSJ
http://www.wsj.com/articles/comey-fbi-paid-more-than-1-million-to-hack-san-bernardino-iphone-1461266641
F.B.I. Director Suggests Bill for iPhone Hacking Was $1.3 Million - The New York Times
http://www.nytimes.com/2016/04/22/us/politics/fbi-director-suggests-bill-for-iphone-hacking-was-1-3-million.html
FBIはiPhoneのロック解除をAppleに求めましたがAppleが拒否したため、独自ルートでのロック解除を試み、Appleへの解除要請を取り下げたことから何らかの形でロック解除に成功したことが分かりました。
FBIはロック解除に関わった外部の協力者について詳細を明らかにしていないため、誰がどういう形でiPhoneのロックを解除したのかかえって注目を集めることになっていますが、この件に関してFBIのジェームズ・B・コミー・ジュニア長官が、興味深い発言を行っています。
イギリス・ロンドンで開催された安全保障会議に出席したコミー長官は、「FBIがロック解除のために支払った金額」についての質問に対して正確な金額を明らかにしませんでしたが、「私はあと7年4カ月ほど任期を残していますが、任期中の給与を上回っています」と述べました。コミー長官の任期は7年あまりで、年間給与は約18万ドル(約2000万円)であるため、単純計算で130万ドル(約1億4000万円)以上の報酬が、ロック解除の協力者に支払われたことになります。
なお、コミー長官はロック解除のために「かなりの大金を支払ったが、その価値はあった」とも述べたとのこと。ただし、ロック解除のために少なくとも130万ドルの支払いをしたのかという問い合わせに対してFBIは回答を拒否しているそうです。仮にコミー長官の発言が正しければ、iPhoneの暗号化解除の相場は、かなり高額であるということになりそうです。
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