乗り物

互いに通信して隊列走行できる自動運転トラックが欧州横断に成功


自動運転車はGoogleのような乗用車から、ダイムラーの「Freightliner Inspiration」のような商用車まで幅広いジャンルで研究が進められています。物流を大きく変える可能性を持つ自動運転技術の中でも、複数台のトラックが互いに通信して隊列走行する技術「Platooning」は省エネで自動車事故を減らすものとして期待されており、ヨーロッパでの大規模実験を成功させて実用化目前まで来ています。

Press release: Dutch business community welcomes truck platoons - EU Truck Platoon Challenge
https://www.eutruckplatooning.com/News/495554.aspx

Corridors to drive - EU Truck Platoon Challenge
https://www.eutruckplatooning.com/About/Corridors+to+drive+MAP/default.aspx

A fleet of trucks just drove themselves across Europe - Quartz
http://qz.com/656104/a-fleet-of-trucks-just-drove-themselves-across-europe/

トラック同士が互いに通信し合って安全かつ省エネ走行する「Platooning」がどのような技術なのかは以下のムービーを見ればよく分かります。

Platooning - how it works - YouTube


トラックが可能な限り車間距離を縮めることができれば、渋滞が緩和し、エネルギー消費量を小さくすることができ、20%も環境汚染を減らせると考えられています。


隊列走行を実現する技術が「Platooning」で、トラック同士は相互に通信しあって連携します。


相互連携することで一定の車間距離を保ったまま、一体となって走行することが可能です。


車間距離が縮まると、前車のおかげで空気抵抗が減り後続車の燃費は上がります。常にスリップストリームによる省エネ走行が可能というわけです。


Platooning技術は高い安全性を実現しています。隊列の間に自動車が割り込んできても、後続車は車間距離を広げて追従することが可能。


割り込んできた自動車が車線を変更すると……


すぐに車間距離を縮めて隊列を組み直します。


PlatooningではWi-Fiによって自動車同士は通信します。


Wi-Fiに加えてGPS情報も組み合わせることで、完璧な隊列走行が可能になります。


前方に障害物があったとしても……


先頭車両が障害物を発見すると、その情報は後続車に送られます。


後続車は障害物を想定して、早めに車線変更をすることで、効率的に障害物をやり過ごすことができ、渋滞の原因の芽をつむことができます。


Platooning使用車両はドライバーがハンドル操作して走行することも可能。いつでも隊列から抜けることができます。


1台減ったとしても、残ったトラックは隊列を組み直して連携走行を続けられます。


オランダTNO応用科学研究機構の調査ではPlatooningによって燃料消費量を15%も減らすことができ、さらには交通渋滞を緩和できるとのこと。そこで、オランダ政府が中心となってPlatooning技術の開発を進めるべく、ヨーロッパ各国をPlatooning技術を取り入れたトラックを隊列走行させる「European Truck Platooning Challenge 2016」が開催されることになりました。

European Truck Platooning Challenge 2016については以下のムービーで確認できます。

European Truck Platooning Challenge 2016 - YouTube


2016年4月6日、ドイツ、スウェーデン、デンマークなどのヨーロッパ各地から一斉にスタートしたPlatooningトラックの隊列は、ゴール地点のオランダ・ロッテルダムに無事、集結。European Truck Platooning Challenge 2016は見事に目的を達成しました。


European Truck Platooning Challenge 2016のライブ中継の様子は以下のムービーで確認できます。

European Truck Platooning Challenge - YouTube


ヨーロッパ各地を出発したトラックは、ボルボ、ダイムラー、スカニアなど6メーカー製。


見事な隊列走行を披露しました。


最終目的地のロッテルダムに続々と集まってくるPlatooningトラック。


最も長い距離を走行したスカニア製トラックは、なんと2000kmを走行したとのこと。


ゴール地点に集合。


全車両、事故なく無事に走行しました。


European Truck Platooning Challengeプログラムの責任者ダルク・ヤンデ・ブルジン氏によると、2017年にユニリーバなどの協賛企業とともに、ロッテルダムの港から商品を積み込んだPlatooningトラックによって、ヨーロッパ各地に商品を運ぶテストを行う計画になっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
世界で初めて商用の自動運転トラックが公道での走行を認可される - GIGAZINE

物流を劇的に変え得る自動運転トラック「Freightliner Inspiration」の試験走行をダイムラーが公開 - GIGAZINE

Googleが自動運転トラックで配達する新物流システムを計画している可能性 - GIGAZINE

メルセデスベンツが考える近未来の自動運転トラック「Future Truck 2025」 - GIGAZINE

もはや自動運転車の方が安全ではないかと思わされる事故が発生 - GIGAZINE

in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.