政治家が選挙資金で約14万円もゲームの課金に使用していたことが明らかに
By Br3nda
アメリカの選挙資金法制を管理・執行する独立機関である「連邦選挙委員会(FEC)」が、下院議員のダンカン・ハンター氏に対して「選挙資金が68回にもわたってゲーム関連の支払いに使われている」ことについて質問状を送りました。ダンカン議員の説明によると、これは「息子の間違いにより起きた代金請求」とのことです。
FEC questions Rep. Duncan Hunter's video game charges | SanDiegoUnionTribune.com
http://www.sandiegouniontribune.com/news/2016/apr/05/hunter-video-games/
FEC letter to Hunter's campaign | SanDiegoUnionTribune.com
http://www.sandiegouniontribune.com/documents/2016/apr/05/fec-letter-hunters-campaign/
FECは、上院・下院および大統領の各選挙運動から申告される資金を、いくら集め使ったかのリスト、200ドル(約2万2000円)以上の寄付を行った者のリスト(住所・雇用主・肩書きを含む)などの報告書を発行する機関です。同機関が発行した2015年の選挙運動でダンカン議員が使用した選挙資金の用途が記されたリストには、PCゲームのダウンロード販売を行う「Steam」からの代金請求1302ドル(約14万円)が存在し、これは「払い戻し予定の個人経費」の名目で支払われていたことが明らかになりました。なお、リストにはダンカン議員が支払い分を払い戻した形跡は一切なかった、とのこと。
これを受けてFECはダンカン議員に用途についての質問を行っているのですが、ダンカン議員のスポークスマンを務めるジョー・カスパー氏は、「議員の息子があるゲームで間違って選挙資金を運用するクレジットカードを使ってしまった」「議員はこの支払いに気づいて支払い分を選挙口座に払い戻そうとした」と主張しています。なお、選挙管理委員会のアナリストはダンカン議員の選挙資金の管理を行っていた人物に経費についての説明を求め、必要ならばリストの訂正を行い、さらには個人経費の払い戻しを行うように命じています。
By Kristian Thøgersen
なお、下院倫理委員会のウェブサイトには、「選挙資金は誠実な選挙関連の運動、もしくは政治的な目的にのみ使用されます。選挙資金は選挙に参加するメンバーの生活を向上させる目的で使用されることはありません。また、メンバーの個人的な負債を支払うために使用されることもありません。メンバーは選挙資金の個人利用に関する裁量を一切持っていません」と、選挙資金の運用法についての基本的なルールが記されているのですが、ダンカン議員側の主張が正しいとしてどうして息子がクレジットカードを無断で使用できたのかは不明です。
これに加え、ダンカン議員は9月21日に1650ドル(約18万円)をカリフォルニア州エルカホンにあるChristian Unified Schoolsに個人経費で支払いを行っていたことも明らかになっており、この件についてもFECから追求を受けています。なお、同件についてダンカン議員のスポークスマンは「下院の規則に則って行われた寄付であり、リストには間違って『個人経費』と記されてしまった」と述べています。
By Gage Skidmore
なお、渦中のダンカン議員は過去に暴力的なFPSを擁護する立場を示したことがあり、「政治家がゲームの規制を進めることは正しくない」とする意見記事を投稿したこともある人物。同問題を報じたニュースサイトSanDiegoUnionTribune.comでは、「ダンカン議員の選挙資金が使用されたゲームはどれだと思う?」というアンケートを実施しており、記事作成時点では選挙資金は「Counter-Strike:Global Offensive」に使われたという予測が大半を占めています。
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