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「死んだ愛息の思い出を取り戻させて」とiPhoneのロック解除をAppleのティム・クックCEOに懇願する男性


「死んだ息子のデータを取り戻したい」として、Appleのティム・クックCEOに直接嘆願の手紙を送ったイタリア人男性がいます。FBIとAppleとの法廷闘争で記憶に新しいiPhoneのアンロック問題ですが、あまりにも厳格すぎるAppleのプライバシーポリシーのあり方を巡って、大きな議論が巻き起こりつつあります。

"La vita di mio figlio morto è ancora nel telefonino, ma ora Cupertino nega il mio diritto ai ricordi" - Repubblica.it
http://www.repubblica.it/tecnologia/sicurezza/2016/02/19/news/_la_vita_di_mio_figlio_morto_e_ancora_nel_telefonino_ma_ora_cupertino_nega_il_mio_diritto_ai_ricordi_-133740418/

Father asks Apple head Tim Cook to unblock dead son's iPhone
http://www.theguardian.com/technology/2016/mar/31/father-apple-tim-cook-unblock-dead-son-iphone-leonardo-fabbretti

FBIによるiPhoneのアンロック要請をAppleがかたくなに拒否していた問題は、FBIがAppleの協力なしに独自にロック解除できたために収束しました。しかし、この騒動はAppleの厳格すぎるプライバシーポリシーのあり方を考えさせる契機となっています。

iPhoneはAppleに頼らずとも独自にアンロック可能、法廷闘争は終結へ - GIGAZINE


Apple対FBIの問題をきっかけに、AppleにiOS端末のロック解除を要求するユーザーは増えています。イタリアの建築家・レオナルド・ファブレッティさんもその一人で、彼は息子・ダマさんのiPhoneをアンロックして欲しいとAppleに求めています。

2007年にエチオピアからダマさんを養子として迎えたファブレッティさんでしたが、ダマさんは悪性骨肉腫を患い闘病生活の末に2013年9月に13歳で亡くなりました。ダマさんのiPhoneの中にはダマさんが亡くなるまでの2カ月間、病と闘っていた彼の思い出が残されていると考えるファブレッティさんは、残されたiPhoneのロックを解除したいと願っています。


ファブレッティさんは、息子のiPhoneのロックを解除して欲しいとして2016年3月21日にAppleのティム・クックCEOに対して直接、手紙を送ったとのこと。「ダマとの思い出の写真や彼の言葉はiPhoneの中に『人質』としてとらわれていて、私はどうしても諦める事ができません」と語るファブレッティさんは、iPhoneのアンロック問題は自分だけの問題ではないと訴えています。


Appleの採用している厳格なプライバシーポリシーについて、その哲学には共感しているファブレッティさんですが、自分のような問題を抱える人のために「例外的なケースへの対応策」を提供するべきだと考えています。Appleからの回答を待つファブレッティさんは、もしもAppleが自身の要請に対して救いの手をさしのべてくれないならば、プライバシー問題を取り扱う慈善団体や研究者に寄付をして、プライバシーポリシーのあり方についての議論を深めてもらいたいという意向を示しています。

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in メモ,   モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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