ハードウェア

平衡感覚を直接刺激してリアルな没入感が得られるVR専用ヘッドホン「Entrim 4D」が登場


Oculusと共同で開発したスマートフォンをつかったVRヘッドセット「Gear VR」を販売するSamsungが、臨場感を超えたリアルさを得るべく耳の平衡感覚に直接訴えかけるVR専用のヘッドホン「Entrim 4D」を発表しました。いわゆる3Dサラウンドとはまったく異なる新しい仕組みになっています。

Samsung to Unveil Hum On!, Waffle and Entrim 4D Experimental C-Lab Projects at SXSW 2016 | Samsung Newsroom

Samsung to Unveil Hum On!, Waffle and Entrim 4D Experimental C-Lab Projects at SXSW 2016 | Samsung Newsroom
https://news.samsung.com/global/samsung-to-unveil-hum-on-waffle-and-entrim-4d-experimental-c-lab-projects-at-sxsw-2016

Entrim 4Dを使うとどうなるのかというイメージは以下のムービーで確認できます。

Entrim 4D - YouTube


スマートフォン式VRヘッドセットGear VRを装着。


しかしこの状態では、スマートフォンのスピーカーからの音が聞こえるだけで、臨場感に欠けています。


そこで登場するのがVRヘッドセット専用のヘッドホン「Entrim 4D」


Entrim 4Dは、平衡感覚を司る耳の前庭という部分を直接刺激することで臨場感をより高められるVR専用のオーディオシステムを搭載しています。


Entrim 4Dアリ(左)とナシ(右)による比較実験がスタート。


自動車のドライブ映像を見ているようです。Entrim 4Dアリの場合はかなり大きめのリアクションになっています。


Entrim 4Dは、周囲からの音を単にサラウンドで再現するだけでなく、ガルバニック前庭刺激という方法で前庭に電気信号を送って刺激することで、映像に応じて平衡感覚をもコントロールすることが可能。


映像の中にいるかのように平衡感覚の状態を仮想的に再現できるEntrim 4Dがあれば、物理的に傾きや回転を再現するモーションチェアなどの大がかりな装置を使うことなく動きのあるコンテンツを再現できるというわけです。


Samsungによると最高のVR体験を実現するには映像・音に加えて傾きや回転などの動きを再現する必要があるとのこと。Samsung社内の開発チームCreative Labは、Entrim 4Dの開発のために、1500人の被験者の協力の下、すでに約30種類の動きを開発したと発表しています。なお、人によってはEntrim 4Dを使うことでVRヘッドセットに特有の吐き気やめまい、頭痛を引き起こす"VR酔い"になることがあるそうです。


「まるでドローンで飛行しているかのような感覚を得られる」とCreative Labが表現するEntrim 4Dはまだ開発途上ですが、VRコンテンツではよりリアルな感覚を得られるためにはVR専用のヘッドホンが次々と登場してきそうです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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