死ぬとどうなるかを科学的に解説するとこうなる
By Jeremy Brooks
「死んだら生まれ変わる」「死んだら無になる」など、死んだ後に何が起こるか議論されることがありますが、実際に死んだらどうなるかは誰にもわかりません。ただし、科学の観点から死んだ体に何が起こるのかは解明されていて、そのメカニズムを簡単に解説したムービー「What Happens When You Die?」が公開されています。
What Happens When You Die? - YouTube
毎分105人が死んでいると言われていますが、気になるのは死ぬと体にどのような変化が起こるのかということ。
死から数秒後、死んだ人の体に残っていた酸素がなくなっていき、神経が活動をやめると共に脳はホルモンの分泌をストップ。
体内にはエネルギーの放出や貯蔵を担う化合物のアデノシン三リン酸(ATP)が残留しており、このATPを使って筋肉が弛緩します。筋肉が弛緩すると、尿や便・胃液などが体内から排出されます。
死亡して15~25分後には、心臓が拍動をやめたことで血液の循環が止まり、血液は重力により体の低い位置に沈下します。
死亡から数時間後には、沈下した血液の色が皮膚の表面に紫色に現れ、これを死斑と言います。
死斑は死後12時間ほどで最も強くなり、この死斑の変化が、死亡推定時刻を調べるのに参考される場合があります。
死亡して3~6時間経過するとATPが完全になくなり、筋肉は筋収縮に必要な筋細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に伴い、緊張化をコントロールできなくなってしまいます。そして、死体の筋肉が硬化する死後硬直という現象が始まり、死後24~48時間続くとのこと。
死後硬直が終わるまでに何らかの防腐処置が施されていないと、死体は細胞が死んでいくことで少しずつ腐り始めます。また、臓器の組織に存在する酵素の働きにより自己融解も同時に進行。自己融解は酵素がタンパク質や脂質を分解することで、細胞や組織が分解される現象です。
1兆とも言われる数の微生物が死体の分解を促進し、腸内の嫌気性バクテリアが腹部にある臓器を食べ始めます。これが腐敗という段階で、腐敗中にはアミノ酸か分解されることで強烈な腐敗臭が発生。腐敗臭におびき寄せられたダニやクロバエが卵を産み付け、その卵は1日足らずで孵化(ふか)し、生まれたダニの幼虫やウジ虫が体組織を食べ始めます。
ダニの幼虫やウジ虫は約1週間で体組織の約60%を摂食。死亡から20~50日間は、酪酸を生じる酪酸発酵が発生し、単細胞の微生物である原虫や菌類が酪酸発酵に引きつけられて集まってきます。この状態は「乾燥腐敗」と呼ばれていて、最長で約1年続くとのこと。
乾燥腐敗が進行する間、動植物により死体が食べられ残るのは骨だけ。
骨は酸性の土や地面にいるバクテリアにより分解され土にかえり、運が良ければ花が咲きます。
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