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ゼロから素材を集めて本を自作する方法&一体いくらかかるのか?


WordやPDFファイルをアップロードするだけで簡単に電子書籍が作れるサービスや、自宅で折り本を簡単に作成可能なサービスなどが登場していますが、木や皮などの素材を集めて文字通りの「自費出版」を行なってしまった人が登場しています。

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◆ステップ1:パピルス紙作り(所要時間:3時間)


まずはパピルス紙の原料となるパピルス草を採取するところから始まります。


草の皮をナイフで薄く削り……


水を含ませて、麺棒で平らにならしていきます。


ペッタンコになったパピルス草を直交方向に何重にも重ね合わせます。


上下を布で覆い……


さらに麺棒を転がして、草の組織をつぶしていきます。


板を敷いてペンキの缶を上から載せて、脱水。


◆ステップ2:羊皮紙作り(累計所要時間:9時間)


銃を構えて木陰に潜みます。


仕留めたのは大きなシカ。


毛皮をはいで、水で満たしたバケツにドボン。


表面の毛を丁寧にむしっていきます。


皮の縁に穴を開けて、ヒモを通し……


木枠にピンと張ります。


さらに余分な皮をそぎ落として……


日陰で乾燥。


◆ステップ3:にかわ作り(累計所要時間:11時間)
先ほど張った皮の一部をナイフで切り落とします。


水の入った鍋に皮を投入。


ドロドロになるまで煮込みます。


黄土色になるまで煮詰めたものを、フィルターでこします。


こうして完成した「にかわ」は、のりとして使用します。


にかわは保存用のビンに移し替えておき、次の作業へ進みます。


◆ステップ4:鉛筆作り(累計所要時間:13.5時間)


まずは木の枝を適当な長さにカット。


中心に穴を開けます。


さらに、先ほどよりも細い枝を用意。


細い枝を燃やして……


炭化したものを、太い方の枝の穴にブスリ。


続いて、ステップ3で作成したにかわを取り出します。


にかわを穴の中に慎重に流し込み……


先端を削れば、鉛筆が完成。


◆ステップ5:パルプ紙作り(累計所要時間:17.5時間)


羊皮紙以外にも、異なる材料を使って紙を作っていくようです。まずは木を切り倒します。


ググッ、と力を込めると……


木がうまく倒れて、大はしゃぎ。


切り倒した木を、さらにカットしていきます。


細かいチップ状に加工。


チップと水をミキサーに入れて……


さらに細かく砕いていきます。


ミキサーにかけたチップを、シンクにドバーッと流し入れます。


漉桁(すきけた)を使い、繊維をすくい上げます。


乾いた布の上に漉桁を広げて、すくい取ったものを取り外し……


乾燥させれば、少し茶色がかった紙が完成。


◆ステップ6:麻紙作り(累計所要時間:35時間)


原料となる麻を採取。


袋一杯の麻を、空っぽの鍋に投入。


木の棒で叩きながら繊維を粉砕します。


柔らかくなった麻を手作業で裂いていきます。


細かく裂いた麻がこんもり。


これを水に溶かして、パルプ紙と同様に手すきで紙を作っていきます。


ただし、麻紙作りでは乾いた布に紙をはさんで……


上からプレス機で圧力を加えて脱水。


プレス機のスキマからポタポタと水が出てきました。


◆ステップ7:筆作り(累計所要時間:36時間)


馬のたてがみを適量つかんでハサミでカット。


鉛筆作りと同様に、木の枝の先端に穴を開けて、細く削っていきます。


にかわを塗った馬のたてがみを穴に詰めて……


根元をヒモで固定すれば、なんともワイルドな筆の完成。


◆ステップ8:にかわで指がくっつく(累計所要時間:37時間)


筆の制作中に、にかわで指同士が強力にくっついてしまい、はがすのに1時間かかったようです。


◆ステップ9:インク作り


鉛筆を作った際の炭を活用。


にかわと炭を混ぜ合わせて、インクを作ります。


◆ステップ10:羽根ペン作り(累計所要時間:38時間)


大きめの羽根を使用。


羽根先をしなやかに加工するため、焼き砂に羽根先を差し込み、砂が冷めるまで置いておきます。


インクを吸い取るように羽根先に縦の切れ目を入れて、羽根先をペンの形に削っていきます。


羽根ペンが完成したら、インクに浸して試し書き。


以下のようにしっかりと文字を書くことに成功。


◆ステップ11:コットン紙作り(累計所要時間:48時間)


綿畑で綿を採取。


大量の綿を水で洗います。


洗った綿を別の容器へ移します。


パルプ紙や麻紙作りと同様に、手すきでコットン紙を作っていきます。


完成した紙は真っ白。


プレス機で圧力をかけて脱水。


脱水した紙を布からはがして……


クリップで挟み、さらに乾燥させておきます。


◆ステップ12:革のカバー作り(累計所要時間:48.5時間)


本のカバーには、鹿の皮の余った部分を使います。


植物の汁に浸して、「なめし」を行います。


乾燥させれば革の加工が完了。


本の大きさになるように裁断します。


◆ステップ13:裁断&糸とじ(累計所要時間:50時間)


ここまで作成した紙をそろえて、同じ大きさにカット。


羊皮紙も木枠からはずして……


周囲のいびつな部分を切り落として成形。


デコボコの表面を平らにならしていきます。


真ん中で半分に折った紙を重ねて……


折り目部分に千枚通しで等間隔の穴を開けます。


穴に糸を通していけば……


本の完成です。


さっそく、白紙のページにお手製の筆記具で試し書き。


鉛筆は芯が太く、ワイルドな書き味。


馬の毛で作った筆にインクを浸して文字を書くことにも成功。


羽根ペンもインクに浸します。


鉛筆や筆に比べて、細く繊細なタッチの文字が書けます。


というわけでゼロから本を作ると、累計作業時間は50時間。作者のAndy Georgeさんが住んでいるアメリカ・ミネソタ州の最低労働賃金は1時間あたり8ドル(約900円)なので、本を作るためにかかった人件費は400ドル(約4万7000円)となりました。


完成した本の出来栄えに満足そうなAndyさん。


Andyさんは5000年に及ぶ本の歴史を調べて、古典的な手法と近代で生まれた方法を組み合わせて自作本の制作に挑戦したとのこと。なお、Andyさんは、クリエイター支援サイト「Patreon」を使い、工業製品がどのように作られているのかを理解して実際に作ってみるという自身のプロジェクト「How To Make Everything」への出資を募集しています。

Support How To Make Everything creating Documentary videos
https://www.patreon.com/HTME

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in 動画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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