なぜ「炭水化物の取りすぎ」が体に悪いのかを分かりやすく解説した「How do carbohydrates impact your health?」
by Bunches and Bits
炭水化物を制限するダイエット法が存在するなど、現在では「炭水化物の取りすぎは体によくない」という見解が一般的となっています。ではなぜ炭水化物の取りすぎが体によくないのか、炭水化物は体にどんな影響を与えるのか、ということをアニメーションで分かりやすく解説したムービーが「How do carbohydrates impact your health?」です。
How do carbohydrates impact your health? - Richard J. Wood - YouTube
パン・ごはん・炭酸ジュースの中で最も炭水化物の量が少ないのはどれでしょうか?
実はこれは非常にいじわるな質問で、実際はいずれも似たような量の炭水化物を含みます。
現在では炭水化物の摂取量を制限する「炭水化物ダイエット」なるものも存在しますが、では、そもそも炭水化物は体にどのような影響を与えるのでしょうか?
まず、「炭水化物」とは「糖質」や「糖」とも呼ばれる、栄養素のカテゴリーの1つです。
炭水化物は構造によってシンプルにも複雑にもなれます。分子を1つだけ切り出してみると……
「単糖」と呼ばれる状態に。
グルコース、フルクトース、ガラクトースの3種類が単糖と呼ばれます。
単糖がくっつくと二糖という状態になります。二糖には、ラクトース、マルトース、スクロースというものが当たります。
単糖類と二糖類とを合わせて単純糖質と呼びます。
一方で、複合糖質と呼ばれる炭水化物は3つ以上の糖が結合した状態です。
3~10の糖が結合したものをオリゴ糖、それ以上の数の糖が結合したものを多糖と呼びます。
人は消化によって、複雑な構造をした炭水化物を単糖の状態に分解します。
そのため、普段は小さじ一杯程度である血中の糖レベル、つまりは血糖値が、炭水化物を摂取すると急激に上昇するわけです。
しかし、体は全ての炭水化物に対して同じ反応をするわけではありません。
例えば、ドーナツに含まれるでんぷんと、野菜に含まれる食物繊維は同じ多糖と言われます。
いずれも、たくさんの糖が結合したものですが、結合の仕方が異なります。
でんぷんはアルファ結合によって結ばれており、消化プロセスで酵素を使って簡単に切り離すことができます。
一方、食物繊維はベータ結合によって結びついており、なかなか切り離せないようになっています。
さらに、食物繊維はデンプンを囲い込み、分解されないようにします。そのため、エネルギーになりにくく、整腸作用や生活習慣病の予防にもなるとして、「レジスタントスターチ」と呼ばれることも。
食パンなど、でんぷんの多い食物を食べると……
消化によって簡単に単糖に分解されるため、血中の糖レベルは容易に上昇します。
グルコースが多く含まれる炭酸ジュースなどを飲んでも同じ。
食パンや炭酸ジュース、ワッフル、クッキーなどが血糖が上がりやすい、グリセミック指数の高い食べ物として知られています。
しかし、野菜や植物、全粒穀物などは血中に放出される糖の量を緩やかにします。これらがグリセミック指数の低い食べ物というわけです。
また、チーズや卵、お肉などもグリセミック指数の低い食べ物と言われています。
消化によって分解された糖類は、体を動かすためのエネルギーとなります。この役目を担い、体内の糖について管理を行っているのが、膵臓で分泌されるインスリンというホルモンの1種です。
食べ物を食べて血糖値が上がりだすと、インスリンが血中に放出され、筋肉や細胞にグルコースを取り入れるように指令を出します。
そして糖をエネルギーに変えるわけです。
しかし、インスリン受容体の感受性が低い、インスリン抵抗性がある人も存在します。
この場合、血中に糖が放出されるにも関わらず、細胞や筋肉で糖をエネルギーに変えることができません。そのため、血糖値は下がらず、いつまでも上がり続けるという結果になってしまいます。
インスリン抵抗性の原因の1つは炭水化物の取りすぎだと言われています。
そして科学者の多くはインスリン抵抗性によって……
メタボリックシンドロームが引き起こされると考えています。
つまり、炭水化物の取りすぎで血糖値が高くなると……
血圧が上がり、2型糖尿病や肥満、心血管疾患などが引き起こされるため、炭水化物の取りすぎには注意する必要があるわけです。
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