iPad Proの高性能SoC「A9X」が解析されGPUコア数が2倍に強化されたことが明らかに
タブレットの枠に収まらないほど高い性能を持つ「iPad Pro」が採用するSoC「A9X」を、Chipworksが解析しました。その結果、ダイサイズが拡大し、GPUコアはA9の2倍、L3キャッシュが省略されているなど、数々の特徴が明らかになっています。
More on Apple’s A9X SoC: 147mm2@TSMC, 12 GPU Cores, No L3 Cache
http://www.anandtech.com/show/9824/more-on-apples-a9x-soc
iPad Proの高い性能はAppleの新SoC「A9X」によってもたらされています。このため、A9Xがどのような設計なのかは注目の的でしたが、Appleが詳細を明らかにしないため、ChipworksがX線などを使ってSoCの中身を解析しています。
Chipworksによると、A9Xのダイサイズは147平方ミリメートルで、タブレット用のSoCとしては新しいiPad(iPad 3)のA5Xに次ぐ2番目に大きなサイズとのこと。
ダイサイズが大きくなった原因はGPUコアにあります。A9XにはGPUコアが合計12基搭載されており、これはiPhone 6s/6s PlusのA9の2倍のコア数で、高いGPU性能は2倍増しになったコア数が支えている模様。また、CPUは2コアでiPad Air 2のA8Xの3コアからは減少しています。
AnandtechはGPUコア数がA9比で2倍アップしたことについて、省電力性能との兼ね合いからAppleはA9XではGPUコア数ではなくGPUクロック数をアップさせると予想してきたことから驚きであると述べています。なお、A9XのGPUはPower VR(シリーズ7)の12基ということですが、Power VRのロードマップにはこのようなモデルはないため、Apple独自仕様ということのようです。
さらに、AnandtechはA9XではL3キャッシュが省略されていると指摘。これは、DDR4メモリのバス幅、バンド幅が倍増したことからAppleはL3キャッシュは不要と判断したのだろうと推測しています。
なお、Chipworksによると、解析に使ったA9XはTSMC製で16nmのFinFETプロセスが採用されていたとのこと。iPad ProはiPhoneシリーズほど大量生産されていないことからTSMC一社が製造を請け負っていると考えられるため、iPhone 6sで生じたチップ製造メーカーによる性能差という問題は生じなさそうです。
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