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嘘発見器を使わずに相手の「ウソ」を見抜く誰でもできる簡単な方法

By Nathan O'Nions

人間は0歳の頃からウソ泣きをして親の気を引こうとするように、生まれて間もなくから「ウソ」と付き合っていくもので、日本でも毎年4月1日のエイプリルフールに普段はまじめに仕事をしている各種サイトが全力でウソをつきまくることもあります。そして、そんなあらゆる人の身近に存在する「ウソ」を、嘘発見器や特殊な技能を使わずに簡単に見極める方法も存在します。

How to detect lies with a storytelling technique
http://www.anecdote.com/2015/05/how-to-detect-lies/

呼吸・脈拍・血圧など複数の生理現象を電気的または物理的なシグナルとして同時に計測・記録する装置の「ポリグラフ」が、1921年に「嘘発見器」として使用されるようになったのが、嘘発見器誕生の瞬間です。その後、嘘発見器は警察や核開発施設などさまざまな機関でも使用されてきました。

By Lwp Kommunikáció

著名な心理学者の一人であるポール・エクマン氏は、非言語コミュニケーションや人間の表情からウソを見破る研究を行っている「ウソのスペシャリスト」とも言うべき人物。エクマン氏は「ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る」の主人公であるカル・ライトマン博士のモデルとなった人物で、この番組などが後押しとなって、「人間の表情や動きを観察すればウソは見抜ける」と世間一般で認知されるようになったそうです。

しかし、生理現象からウソを検知する嘘発見器や、表情や動作からウソを見抜くという手法を疑う人も多くいます。アンディー・モーガン氏や人間の記憶や嘘などに関する研究を行うエール大学の司法精神医学者たち、さらにはアメリカの法務執行機関で日々人間のウソと対峙している人物などは、「身体的な合図」を検知する嘘発見器を用いた手法はわずかな有効性しか持っておらず、より効果的なのは「ストーリーテリングの技術」を使った方法と考えているそうです。

By Wonderlane

モーガン氏いわく、「顔の表情や他の非言語コミュニケーションなどの身体的なサインから嘘を見抜くことができる」という考えにはほとんど科学的な根拠がないことを自身の研究が証明している、とのこと。例えば、ポリグラフは血圧や呼吸、皮膚の伝導性などを測定して生理学的変化を測定する装置ですが、この装置の正確性は50%程度といわれており、これはコインの裏表を当てるコイントスと同じ確率です。これに対して、モーガン氏が推奨しているテクニックが「cognitive interviewing」と呼ばれる手法です。

モーガン氏は彼の同僚と共に1200人以上の人と面接をする中で、誰がウソをついていて誰が真実を話しているのかを見極めるための手法である「cognitive interviewing(認知的インタビュー法)」を編み出したそうです。この手法では、例えば「過去に経験したロックコンサートについて話して」というテーマで相手と話をしたならば、ウソを見極めるために「風景」や「音」「味」「におい」「感触」などの特定の感覚について質問を行います。話の真偽を見極めたい場合、コンサート会場までどうやって向かい、どう盛りあがり、アンコールの際のライティングはどんな風だったかなどを聞けばOK。

By Richard foster

コンサートの様子を思い出しながら話してもらうと、相手が真実を述べている場合は話が徐々に詳細かつ複雑になっていきます。しかし、相手がウソをついている場合はよく準備された話だとしても主題(今回の場合はロックのコンサート)がブレるそうです。また、モーガン氏によれば脳の奥深くにある記憶を思い起こそうとしても、ウソをついている場合は何も思い起こすことがないため、同じことを繰り返し話すか、何もしゃべらなくなってしまい、話が終わるのを待つなどの対応になる、とのこと。モーガン氏はこれを、「正直なストーリーテラーの話は高精細な画像で、ウソつきの話は子どもが描いた落書きのようなもの」と表現しています。

モーガン氏はこの発見を、対話内容を詳細に調査することで科学的に実証しています。調査で対話中に出現した単語を集計したところ、対話中に出現した単語の総数とユニークワード(繰り返されていない単語の数)の数が共に少ない場合は、約85%の確率で相手がウソをついていた、とのこと。

By Dan Queiroz

非言語的な振る舞いを分析してウソを見抜こうとする書籍などは多々ありますが、モーガン氏の手法を使えば、相手の話に注意深く耳を傾けるだけでウソを見抜くことは十分可能というわけ。ただし、「cognitive interviewing」の前提条件には、相手が「視界・音・におい・その他の感覚などを、脳の奥深くでしっかりと記憶しており、いつでも思い出すことが可能」という点があるので、使う時と場所と相手を選ばなければ、緊張で頭の中が真っ白になってしまった相手や記憶力が低下した高齢者に対して一方的に「ウソつきの烙印」を押してしまいかねないので注意が必要です。

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in メモ, Posted by logu_ii

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