Appleのトップシークレット「Input Lab」初潜入レポ、新型アクセサリーはどのようにテスト&製造されているのか?
Appleはカリフォルニア州・クパチーノにドーナツ型の新本社「Apple Campus 2」を建設中ですが、本社以外にもAppleの社屋は世界中に点在しています。新本社から280マイル(約450km)ほど離れた場所には内部非公開の秘密研究所「Input Lab」があり初めて内部取材に成功したレポート記事をMediumが公開しており、Apple製アクセサリーのデザイン・テスト・製造の過程が明らかになっています。
What I Saw Inside Apple’s Top-Secret Input Lab ? Backchannel ? Medium
https://medium.com/backchannel/what-i-saw-inside-apple-s-top-secret-input-lab-6637e2e5492e
「Input Lab」の内部はこれまで一度も公開されていませんでしたが、Appleは新型iMacの発売に合わせて、製品の透明性を高めるために研究所内を初公開しました。部屋の中は白を基調としたクリーンな印象で、キーボードやトラックパッド、マウスなどの新しいデザイン作りやプロトタイプの動作テストが行われています。
研究所内の「ユーザーテスト部門」では、被験者がセンサーを体に装着してキーボードの前に座り、キーボードを使用する際の体への影響を測定するテストが行われています。エコシステム製品テクノロジー部門のヴァイスプレジデントを務めるKate Bergeron氏によれば、Apple社内のさまざまな部門から被験者が集められるそうです。Bergeron氏は「ユーザーテストの回数を重ねるごとに、被験者がキーを正確に打てるようになるまでの速度が徐々に速くなっている」と語ります。
被験者は以下のように手の甲や腕にセンサーを付けてキーボードを操作します。
続いての部屋は「キャラクタリゼーション部門」。すべてのApple製品は発売前にこの部屋で行われる製品テストを通過するそうです。製品の性能と耐久力を測定するためにキーボードをタイプするロボットや、マウスのクリックや移動操作を繰り返すロボットなどが部屋を埋め尽くしているとのこと。
以下の白いマシンはキーボードの打鍵を繰り返し行うためのテストロボットです。
打鍵ロボットはキーを打つための「タッパー」を備えていて、キーを連続で打鍵することが可能。キーボードの操作テストではキーの四隅と中央の5カ所を合計500万回以上打鍵するテストが行われるとのこと。また、キーボードのプロトタイプモデルは、キーの下に埋め込まれたセンサーがうまく動作するかどうかを確かめるために、キー1個1個が製品版に比べて2倍の大きさで作られているそうです。
テストに必要なロボット用の部品はMakerBotの3Dプリンターを使って出力されているようです。
マウスの操作テストでは、木材、ガラス、金属、メラミン、コンクリートなどさまざまな素材の上にマウスを置いて操作テストを行っています。
これはマウスの右ボタンのみをクリックし続けるための専用マシン。
「音響室」では、マウスのクリック音やキーボードの打鍵音が製品に見合っているかどうかというテストが行われています。製品の運搬中に部品がずれて打鍵音が変わってしまうという事態が起こらないように、機械と人間の手で打鍵音のチェックが行われているとのこと。
音響室の内部は以下のようになっていて、遮音性の高い素材で囲まれています。
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