モバイル端末のOSのふりをして広告を強制表示するマルウェア「Kemoge」が20カ国以上に拡散中
by Lee Davy
セキュリティ会社FireEyeのモバイル担当研究者が、全世界に向けて絶賛拡散中の「Android端末乗っ取り」マルウェアを発見しました。この攻撃はコマンドを発するドメインが「aps.kemoge.net」であることから、「Kemoge」と名付けられました。
Kemoge: Another Mobile Malicious Adware Infecting Over 20 Countries « Threat Research | FireEye Inc
https://www.fireeye.com/blog/threat-research/2015/10/kemoge_another_mobi.html
FireEyeが示した現在の拡散状況。すでに20カ国以上に拡散しています。
Kemogeは一般的なアプリのような見た目で「配布」されているので、外観から見分けることはかなり困難。Kemogeのライフサイクルは、まずGoogle Playではないサードパーティのアプリストアや、「プロモーション」「広告」のようなところから端末にインストールされます。端末内で、Kemogeはデバイス情報を取得してアドサーバーへとアップロードし、広告を強制的にポップアップ表示させてくるようになります。
さらに、ユーザーが端末をアンロックしたり、ネットワーク接続に変化があったりしたときにサービスを起動して細々と動き回り、やがてroot権限を取得。まるでAndroidシステムの1つであるかのように偽装したシステムサービスを埋め込むことで、aps.kemoge.netからのコマンドを受けられるようにするとのこと。この状態になると、攻撃者はリモートで任意のアプリのインストール・アンインストール・起動ができるようになります。
FireEyeが実際に試したところ、アンチウイルスアプリやその他の正当なアプリをアンインストールしようとする動きがあったとのこと。これは、さらなる攻撃の準備だったと見られています。なお、Kemogeの中には簡体字中国語のコードが含まれていたことから、中国在住の開発者が作ったものか、あるいは中国人ハッカーによって管理されているものだと考えられています。
現時点で、日本には拡散していないようですが、FireEyeは「メール・SMS・ウェブサイト・広告内の疑わしいリンクをクリックしないこと」「公式アプリストア以外からアプリをインストールしないこと」「Android端末を最新状態に保つこと」を対策として挙げています。
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