10階建てマンションに相当する世界一大きなツリーハウス「The Minister’s Tree House」
高さ97フィート(約29.5メートル)で5階建て全80室の建築物を全て木材で建造した世界最大のツリーハウスが「The Minister's Tree House」です。アメリカ・テネシー州の観光地の1つとして親しまれていましたが、2015年現在は一体どうなっているのか、地理学者で写真家のチャック・サザーランド氏が現地を訪れて取材したムービーが公開されています。
Tour The World's Largest Treehouse - YouTube
これが世界一大きなツリーハウス。
全5階層からなる建物で、大木が建物の一部になっているところもあります。
アメリカ・テネシー州のクロスビルにある「The Minister's Tree House」を取材したのは、地理学者で写真家のチャック・サザーランド氏。
高さは97フィート(約29.5メートル)もあり、10階建てのマンションに相当します。
6本の異なる種類の大木に支えられており、3階部分から飛び出ている全長80フィート(約24メートル)・直径12フィート(約3.6メートル)のホワイトオークの木が、建物の構造全体を支えるメイン支柱の役割を果たしています。
「The Minister's Tree House」は、1993年にこの建物を造ったMinister Horace Burgess氏から命名したもので、完成までは14年の年月を費やしたとのこと。かかった材料費はこれだけの建造物にしてわずか12000ドル(約149万円)ほどだったそうですが、それ以来、The Minister's Tree Houseはクロスビルで有名な観光地として多くの人が訪れるようになりました。
ブランコも取り付けられています。
内部には全部で80室があり、全てが木造。
しかし、Minister氏は建築家ではなく、無計画に建てられたため、ドアの先に通路が無かったり、予想外な場所に階段やハシゴがあったりするそうです。
完成当時の決まり事は「禁煙」「クライミング禁止」で、それさえ守れば誰でも自由に出入りできたとのこと。
一面に木材がつぎはぎされている壁面。
通常の建築では考えられないような建築物であることが、秘密基地のような面白さを演出する役割も果たしています。
最上階である5階は鐘楼になっており、中には毎日鳴らされる鐘の代わりに酸素ボンベが設置されているとのこと。
鐘楼の下にはメインホールがあり、日曜日には教会として使われました。
教会にバスケットゴールがあるという非常にユニークな建造物です。
しかし、The Minister's Tree Houseはテネシー州の消防局の指示により「火災の恐れがある非常に危険な場所」として2012年に閉鎖されました。
多くの人から愛されていた「The Minister's Tree House」の閉鎖に反対して2000人の署名が集まりましたが、修繕費用がなかったため、閉鎖が中止されることはなく、今なお内部は立ち入り禁止のまま。
危険な建物には変わりないため、今後も再び一般公開される日が来る可能性はあまりないそうですが、建物は取り壊されずにいます。手入れをされることがなくなった世界最大のツリーハウスは生い茂る木々に覆われており、このまま森の一部になっていくのかもしれません。
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