学校の木造校舎内にある、思いがけない映画に出会える映画館「立誠シネマ」

昭和3年(1928年)に建設され、京都の飲み屋街のど真ん中で長らく小学校として親しまれてきたのが「元・立誠小学校」です。1993年に閉校したのち、地域のイベントや演劇・音楽・展示会などの拠点として活躍している場所で、1895年に発明された「世界初の実写映画」ともいわれるシネマトグラフが日本で初めて投影された地としても有名な場所だったりもします。そんな「日本映画の原点の地」である元・立誠小学校の校舎3階には、なんと「立誠シネマ」と呼ばれる映画館が存在し、収容人数の多い大きな映画館ではお目にかかれないような映画が上映されています。
立誠シネマプロジェクト|京都・木屋町通、元・立誠小学校のシアター
http://risseicinema.com/
「立誠シネマ」は京都の木屋町通、三条通と四条通のちょうど中間辺りにあります。
最寄り駅は阪急京都線の河原町駅で、1番出口から北に徒歩で3分程度の場所に……

立誠シネマが入っている元・立誠小学校があります。

飲食店が建ち並ぶ木屋町通りの中ではかなり異質な外観で、ここだけ時間が止まったかのよう。

アーチ型の玄関が特徴的。

玄関前には立誠シネマで現在上映されている映画が紹介されています。

巨大な黒板には上映作品の紹介文&上映時間が書かれていました。

さらに、アーチ横には元・小学校の証しでもある「京都市立立誠小学校」の看板。

立誠シネマの他にも元・立誠小学校では演劇などが上演されています。

というわけでさっそく元・立誠小学校の中に潜入。

玄関はこんなで、天井にはむき出しになった配線が伸びています。

月々のスケジュールが書かれたホワイトボードと……

立誠シネマで上映する作品関連のポスターやパンフレットがずらっと並べられています。

映画館は3階にあり、チケットの販売もそこで販売されている模様。

玄関右手は「関係者以外立入禁止」。白塗りのひんやりとした壁と木製のフローリングが元・小学校感を醸し出します。

廊下にはたくさん教室が存在し……

各教室には当時のものとおぼしき名札。

放送室にも「RHK 立誠放送局」と書かれた札がかかっていました。これら元・小学校の名残がなんともいえない雰囲気を作り出しています。

玄関を入って左手には階段があるのでここから3階へ向かえばOK。

元・立誠小学校の1階にはトイレと立誠小学校卒業写真展があり、3階に今回お目当ての立誠シネマがあります。

トイレは階段向かって右側にアリ。

通路には学校によくある掃除用具をしまうロッカー。

トイレは小学校の講堂前を通って……

中庭を抜けた先にあります。


中庭からの眺めも不思議な感じ。

講堂内には入れません。

ここには「思い出の学校生活」と彫られた、卒業生作の大きなレリーフ。

黒板や……

立誠小学校の校歌など、元・小学校の名残をたくさん見られます。

講堂からは小学校の横にあるグランドがチラリ。

講堂前から3階への階段があるスペースに戻り。

1階の階段横には「ほけんしつ」がありました。

中はこんな感じで、木製の机が並んでおり全然保健室っぽくない雰囲気。

保健室前には立誠小学校の歴代卒業記念写真が展示されています。

なんと明治22年度の卒業写真から歴代の卒業写真が展示されています。

1階をぐるぐる周ったところで階段を上って立誠シネマへ。

木製の階段をテクテク上ります。

踊り場からはグランドがチラリ。

立誠シネマへのルートにはこんな感じで案内があるので迷うことはなさそう。

2階は立ち入り禁止になっていました。

この先にどんな教室があってどのように使われているのか……。

そのまま3階まで上ると「じきょうしつ」があり、左に立誠シネマがあります。

「じきょうしつ」には「無断で使用しないでください。」と張り紙されており、奧には広い和室があるそうです。

3階より上は立入禁止。

シネマはこっち。

シネマの入口はこんな感じ。

チケットの販売や映画の待合室的なスペースがココ。

時計はいかにも学校にかかっていそうなシンプルなもの。

大量の本が置いてあるので、ここに置いてある本を読んで時間を潰したり気に入ったものを購入したりも可能。


待合室の壁には上映される映画のポスターと上映時間が記された手作りの時計がペタリと貼られていました。

黒板にも映画のポスターがペタリ。

これがシアターの入口。訪れた際は映画上映中であったため暗幕が降ろされておりシアターには入れませんでした。

「この先はチケットが必要です。」

パンフレットやグッズなども販売されています。

というわけでさっそくチケットを購入。

チケットは一般1500円で、数字で書かれた「4」は整理番号になります。

時間になっると暗幕で閉ざされていた入口がパカリ

シアター内はこんな感じで、暗幕の張られた教室内に座って映画を鑑賞することになります。

イスは簡易な座椅子。

映画館の暗幕の隙間から上映に使用されるプロジェクターがチラリ。

シアター内にはスクリーンの横に2つ、シアターの側面に2つずつスピーカーが置かれています。

座席に座ってスクリーンを見るとこんな感じ。

立誠シネマを訪れた際に観たのは「メロディ・オブ・ファンハウス」「GREAT ROMANCE」「おんなのこきらい」の3本。メロディ・オブ・ファンハウスは15分、GREAT ROMANCEは7分の映像で、おんなのこきらいの上映時間は80分ほどでした。
メロディ・オブ・ファンハウスは音楽×コマ撮りアニメションが楽しめるショートムービー。主題歌はN'夙川BOYSの「FUN HOUSE」で、N'夙川BOYSの3人は劇中にも登場します。
映画「メロディ・オブ・ファンハウス」トレーラー映像 - YouTube

男女の恋物語を女優と人形で表現するという不思議な映画がGREAT ROMANCE。人間と人形というサイズがまったく異なるものを、飯塚貴士×川村清人のコラボが映像化しています。
映画 『GREAT ROMANCE』 プロローグ&予告編 - YouTube

「可愛くて、最悪。」というキャッチコピーが示すとおり、女の子の「可愛い」と「毒」を題材にしたインディーズ映画。主演は森川葵で音楽はふぇのたすが担当。
『おんなのこきらい』予告編(New Version) - YouTube

映画を見終わった頃にはすっかり夜になっており、学校内は昼間とは違った雰囲気になっていました。



夜の元・立誠小学校はこんな感じ。

外は真っ暗で木屋町通は飲み屋街だけあって、夜の方が人がたくさん。

京都の繁華街からすぐのところにあるのでアクセスが非常によく、京都市内に遊びに行ったついでに気軽に立ち寄れる感じ。元・小学校なので初めて立ち寄る人は「ここ、入っていいの?」と思うかもしれませんが、小学校の昔懐かしい雰囲気を堪能てきて、大きな映画館では観られない映画に出会えたりするのでオススメです。
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