メモ

映画「ターミネーター」と同名の「Skynet」が現実に運用されていることが判明

By Garry Knight

映画「ターミネーター」を観たことがある人なら「Skynet(スカイネット)」という名前に聞き覚えがあるはずですが、同名のシステムがアメリカ政府の機関によって実際に運用されていることが明らかになりました。

US Government Labeled Al Jazeera Journalist as Al Qaeda
https://firstlook.org/theintercept/2015/05/08/u-s-government-designated-prominent-al-jazeera-journalist-al-qaeda-member-put-watch-list/

So, the NSA Has an Actual Skynet Program | WIRED
http://www.wired.com/2015/05/nsa-actual-skynet-program/

今回その存在が明らかになった「スカイネット」は、携帯電話の位置情報や通話記録などをもとにテロリストの疑いがある人物を洗い出すというシステムで、元NSA職員のエドワード・スノーデン氏が公表した資料(PDFファイル)をもとにThe Interceptが明らかにしたもの。アメリカ国家安全保障局(NSA)が運用に関わっていたことが明るみになっています。

映画の中で登場する「スカイネット」は、自我を持ち、自身の存在を脅かす敵としての人類を皆殺しにする存在として描かれていましたが、NSAによるスカイネットは、主にイスラム原理主義テロ組織「アルカイダ」に関連のあるテロリストを特定するために用いられていた模様。携帯電話の端末の位置情報や通話履歴などのメタデータを利用し、膨大な数の通話履歴から特定の行動パターンを持つ端末が割り出されるようになっており、例えば「ひと月前にパキスタンの都市ペシャワールからファイサラーバードまたはラホールに移動した人物」や、「到着時に電話をかけた相手」や、さらに怪しい行動ともとれる「SIMカードを交換して入れ替えた端末」や「着信専用として使われていた端末」などを特定することが可能だったとのこと。


テロリスト容疑者を絞り込めるために安全保障上の価値が高いといえそうな「スカイネット」ですが、一方では関連がないはずの人物が容疑者として疑われるという問題も発生しています。テロリスト容疑者の一人に挙げられていたのは、アルジャジーラのイスラマバード支局長を務めていたアハマド・ムアファク ・ザイダン(Ahmad Muaffaq Zaidan)氏。ザイダン支局長はこれまでにオサマ・ビン・ラーディンを含むアルカイダ指導者との独占インタビューに成功していました。


「スカイネット」の目的は、アルカイダ上層部に接触する人物を特定することであり、その目的ために、ある時期の特定の地域への移動パターンや、特定の行動を解析することでテロリスト容疑者を洗い出すことは、(プライバシーの問題を抱えるとはいえ)安全保障の面では確かに理にかなった方法とはいえるのかも。しかし、一方でこれはジャーナリストとしてテロリストと近い関係に身を置くザイダン氏のような人物をも「テロリスト」とみなしてしまう危険性をはらんでいることは問題といえます。

名前が挙げられたザイダン支局長は、自身がテロリストであることは「絶対にない」と自身にかけられた疑いを完全否定するコメントを発表しています。また、CNNの調査員でザイダン氏をよく知るピーター・ベルゲン氏は「ザイダン氏のことは10年以上にわたってよく知っている。彼は一流のジャーナリストだ」と擁護するコメントをThe Interceptに寄せています。

◆サイバー防衛・反撃システム「MonsterMind」
上記のように現実のスカイネットは実際の攻撃を伴わないものでしたが、映画のように防衛・攻撃の仕組みを備えた「MonsterMind」と呼ばれるシステムの存在が一方で明らかになっています。

これは、アメリカに対して行われるサイバー攻撃の可能性を調査し、実際の攻撃が行われた際には自動で防御してサイバー攻撃を無効化させる仕組みを備えたもので、場合によっては報復攻撃を行う能力も備えられているとのこと。さらに将来的には物理的に相手を攻撃する可能性も指摘されており、まるで映画のようなコンピューターによる防衛・攻撃システムを想像させるような構想もチラホラと見え隠れしています。

By Steve

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「アカデミー賞を受賞したスノーデンだけど何か質問ある?」と本人が降臨して読者からの質問に答えまくり - GIGAZINE

米政府が国民の情報収集をしていた「PRISM」問題を暴露したCIA元職員が実名公開 - GIGAZINE

NSAが実行していたスパイ行為をタイムラインで並べて整理するとこうなる - GIGAZINE

謎に包まれた衝撃のストーリーが徐々に明かされる「ターミネーター:新起動/ジェニシス」最新予告編 - GIGAZINE

グランド・セフト・オート5中でターミネーター2のワンシーンを完全に再現するとこうなる - GIGAZINE

in メモ,   ソフトウェア,   映画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.