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AppleがBeatsベースの音楽ストリーミングサービスを準備中、Android向けにもアプリを提供予定?

By Kārlis Dambrāns

AppleがBeatsを買収してから半年以上が経過しましたが、これまで聞こえてきた噂といえば「買収したBeatsの約3割にあたる社員を1年以内に解雇予定」といったようなものばかりで、AppleがBeatsの持っていた技術を使ってどのようなことを仕掛けてくるのかは不明なままでした。そんな中、Appleは現在新たな音楽ストリーミングサービスを開始するために着々と準備を進めている、と9to5Macが報じています。

The Next Episode: Apple’s plans for Beats-based music service revealed | 9to5Mac
http://9to5mac.com/2015/02/04/apple-beats-cheaper-android-ios/


現在Appleが開発中の新たな音楽ストリーミングサービスは、Beatsが提供している「Beats Music」をベースにAppleが新たにデザインしているところとのこと。9to5Macが複数の情報筋から得た情報によれば、Appleの新しいストリーミングサービスは、既存のBeats MusicアプリをiPhone向けに改修するというよりは、これをAppleの提供する複数のサービスとより深いところで統合し、iOS端末だけでなくiTunesやApple TVなどとも深く連携させようとしているそうです。

Beatsの提供している「Beats Music」がどのような音楽ストリーミングサービスなのかは、以下の記事を読めば分かります。

気分や状況によって最適な曲を選んでくれる音楽ストリーミングサービス「Beats Music」 - GIGAZINE


Appleが現在開発しているのは、Beats MusicアプリをベースとしてiPhone・iPad・iPod touchなどで使用できる音楽アプリの他、iTunesからもBeats Musicベースの音楽ストリーミングサービスが楽しめるようになるようです。さらに、Apple TV向けにもアプリケーションがリリースされる見込み。

機能としては、ユーザーはリストの中から好みの曲をストリーミング再生することが可能で、そのまま自分のiOS端末やPC内に再生した曲を保存してしまうことも可能になる、とのこと。他にも自分好みの再生リストを作成したり、ローカルに保存した曲とストリーミング再生できる曲を横断して検索したりが可能になるようです。さらに、AppleはBeats Musicの「Playlists」「Activities」「Mixes」といった機能を、新たなサービス上にも組み込みたいと考えている、とのこと。

AppleはBeats Musicのソーシャル・ネットワーキング的な要素も取り入れたいと考えているようです。


また、既存のBeats Musicユーザーが新しいサービスに移行しやすいように、AppleはBeats MusicのアカウントをApple IDと統合させるだろう、と9to5Mac。加えて、既存のBeats MusicユーザーはBeats Music内の音楽ライブラリをそのまま新しいサービス上でも使用できるようになるのでは、とも推測しています。なお、情報筋によればAppleは新たなストリーミングサービスの提供後も、iTunes Match、iTunes Radio、iTunes Storeといったサービスは継続させるつもりである、とのことです。

そしてサービスの価格について、「Appleの新しい音楽ストリーミングサービスは、Beats Musicの月額9.99ドル(約1200円)や年間99.99ドル(約1万2000円)といった価格よりも安くなりそう」と9to5Macは報じています。

音楽業界に近しい情報筋によれば、Appleは当初、サービスの価格を「月額5ドル(約600円)」として音楽レーベルと交渉を進めていたそうです。しかし、現在はBeats Musicやその他の競合サービスよりもわずかに安価な「月額7.99ドル(約940円)」で話は進んでいる、とのこと。なお、Spotify PremiumやRdio Premiumは月額9.99ドルで使用でき、Google Play Musicは開始当初月額7.99ドルだったものの、現在は月額9.99ドルで提供されています。


Beats MusicアプリはAndroid向けにもリリースされており、AppleがBeatsを買収した際には「Android版のユーザーは切り捨てられた」と多くの人々が考えました。しかし驚くべきことに、Appleは新しい音楽ストリーミングサービス用に、自社開発したAndroidアプリのリリースも予定している可能性が高い、とのこと。これと並行して、現在Appleではその他のAppleブランドサービスもAndroidアプリとして提供するために準備を進めている、とも言われています。これを裏付けるかのように、Androidアプリ開発について「論争を呼ぶような問題はまったくない」とAppleのティム・クックCEOは過去にコメントしています。なお、Beats MusicアプリはWindows Phone向けにも提供されていますが、そのシェアの低さからAppleはWindows Phone向けアプリの提供は現在のところ考えていないそうです。

Appleの新たな音楽ストリーミングサービスの開発を指揮するのは、iTunes部門の副社長を務めるRobert Kondrk氏で、Beatsの元CEOであるイアン・ロジャーズ氏やジミー・イオバイン氏、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー氏などもプロジェクトに参加しているそうです。しかし、ある情報筋によれば「Beats MusicとAppleの統合はうまくいかないだろう」と語っており、他の情報筋はその状況を「混乱」と説明しているそうで、作業が思うように捗っていないことがよく分かるコメントが漏れています。


なお、Appleが年次開催している6月のWWDCでは、過去にiTunes MatchやiTunes Radioといった音楽サービスが発表されてきたので、今年のWWDCでAppleの新しい音楽ストリーミングサービスが発表される、ということも十分にありえそうです。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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