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AppleのA8Xチップを上回り自動運転車もできるNVIDIAの「Tegra X1」は何がすごいのか?


ネバダ州ラスベガスで行われている2015 International CESの中で、NVIDIAが新たなモバイルSoC「Tegra X1」を発表しました。NVIDIAはこのTerga X1を「モバイルスーパーチップ」と呼んでおり、高い処理能力により、車載システムに搭載することで自動運転車にも役立つとのこと。

NVIDIA Kicks Off CES by Unveiling Tegra X1, NVIDIA DRIVE Auto Computers | NVIDIA Blog
http://blogs.nvidia.com/blog/2015/01/04/ces-tegra-x1-nvidia-drive-auto/


Tegra X1 Super Chip | NVIDIA Tegra | NVIDIA
http://www.nvidia.com/object/tegra-x1-processor.html


NVIDIA CES 2015 press conference: Tegra X1 (part 1) - YouTube


現在、NVIDIAではデスクトップ向けのハイエンドGPUにMaxwellアーキテクチャを採用していますが、Tegra X1も同じくMaxwellアーキテクチャの256コアSoC。


NVIDIAがモバイル端末向けのSoCとして「Tegra」シリーズを発表したのは2008年のこと。2011年にTegra 2、2012年にTegra 3、2013年にTegra 4と順調に改良が進み、2014年に発表された現行の最新モバイルSoC「Tegra K1」はKeplerアーキテクチャを採用し、モバイル端末上でPCゲームすら動かせるぐらいのパワフルな処理能力を持つもの。

Tegra K1でも十分に高い性能だったといえますが、Appleが高性能SoC「A8X」を作ったためにNVIDIAはロードマップを修正することになり、今回のTegra X1に至りました。

Tegra X1はTegra K1に対して2倍の性能を持ち、モバイルSoCとして世界で初めて1TFLOPS(テラフロップス)に到達しました。NVIDIAがTegra X1を「モバイルスーパーチップ」と呼ぶのは、15年前には家ほどのサイズもあったスーパーコンピューターを上回る能力を持っているからです。


Tegra X1は非常に高性能でありながらも低消費電力化を実現しており、AnandTechによると、SamsungのシステムLSIであるExynos 5433と比べたとき、同じ消費電力なら1.4倍のパフォーマンスを発揮、同パフォーマンスであれば消費電力は約半分だとのこと。

AnandTech | NVIDIA Tegra X1 Preview & Architecture Analysis
http://www.anandtech.com/show/8811/nvidia-tegra-x1-preview


発表によると、Tegra K1とA8Xはベンチマークでいい勝負をしていましたが、Tegra X1はA8Xを凌駕する性能を持っているようです。


Nvidia unveiled Tegra X1, a mobile graphics superchip that squashes Apple A8x in benchmarks - Neowin
http://www.neowin.net/news/nvidia-unveiled-tegra-x1-a-mobile-graphics-superchip-that-squashes-apple-a8x-in-benchmarks


ちなみに、CESの発表会の中ではTegra X1と同時にNVIDIA独自の自動車向けシステム「NVIDIA DRIVE PX」「NVIDIA DRIVE CX」も発表。


ジェンスン・ファンCEOは「未来の車は、きっと最先端のコンピューターになるでしょう」と将来を語りました。


「NVIDIA DRIVE PX」は自動運転のための基礎システム。Tegra X1を2つ搭載し、12個の高解像度カメラで撮影した映像を解析することで安全な運転を実現します。実際のところ、ディープニューラルネットワークによるコンピュータービジョンがどのように見えているのかというのは以下のムービーを見ればわかります。

NVIDIA CES 2015 press conference: DRIVE PX Computer Vision (part 7) - YouTube


「NVIDIA DRIVE CX」は次世代の運転コンピューターで、いわばAppleのCarPlayのようなもの。ナビゲーションシステムなどの外観を劇的に変えてしまいます。一例はこんな感じで、左側が従来のカーナビ、右側がNVIDIA DRIVE CX。


さらに、スピードメーターもこんなことに……。


ひょっとすると、GoogleやAppleよりも先に、NVIDIAのシステムを搭載した自動運転車が発売されるということもあり得るのかもしれません。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by logc_nt

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