「Tegra K1」がiPhone 5sやNexus 5のプロセッサよりも優秀であることを示すベンチマーク結果が登場

グラフィックボード製造販売大手のNVIDIAは、次世代のモバイル端末用SoCとして192基のGPUコアを搭載した「Tegra K1」をすでに発表済みですが、そのベンチマーク結果が明らかになっています。どうやらTegra K1は現在販売中のハイスペックモバイル端末に使われているどんなSoCよりも高い性能を実現しているようです。

Nvidia Tegra K1 Benchmarks from Lenovo ThinkVision 28
http://www.tomshardware.com/news/lenovo-thinkvision-28-nvidia-tegra-k1-android,25733.html

PC・モバイル端末に関するニュースメディアtom'sHARDWAREは、ラスベガスで行われた国際家電見本市CES 2014の会場で、Android OS内蔵の4K対応ディスプレイ「Lenovo ThinkVision 28」のデモ機を使ってTegra K1の性能をテストしました。

このThinkVision 28は4K(2160p)画質の映像を出力できる28インチサイズの液晶ディスプレイなのですが、プロセッサにTegra K1を採用しており、2GBのメモリ、32GBのeMMCストレージ、OSとしてAndroid 4.3を搭載しているため、なんと「巨大なタブレット端末」としても利用可能。tom'sHARDWAREは、ThinkVision 28をTegra K1搭載のタブレット端末としてテストしたというわけです。

ただし、ThinkVision 28に搭載されたTegra K1は最大周波数を2.01GHzにリチューンした専用SoCであり、最大2.3GHzまで対応しているTegra K1の性能は抑制されている可能性があるとのこと。

tom'sHARDWAREによる、Tegra K1(最大2.01GHzモデル)とNexus 5搭載のSnapdragon 800、Tegra Note 7搭載のTegra 4、iPhone 5s搭載のApple A7とのベンチマーク比較の結果は以下の通りです。

◆3DMark
PCだけでなくモバイル端末でも利用できる定番の3Dベンチマークソフト3DMarkを使ったベンチマーク結果はこんな感じ。3つのモードすべてでTegra K1が他のSoCを上回っていることが確認できます。

◆GFXBench
グラフィック性能のベンチマークソフトGFXBench(Ver.2.7)での結果は下のグラフの通り。off-screenテストではTegara K1はSnapdragon 800(Nexus 5)の2倍以上の数値をたたき出しています。

ただしon-screenテストではTegra K1が最も低いスコア。これは、ThinkVision 28が搭載する4Kディスプレイの描画にパワーを割かれているためとのことです。

◆AnTuTu
システムベンチマークソフトとして定評のあるAnTuTuによるベンチマーク結果はこんな感じ。AnTuTuではCPUの性能がベンチマークスコアに大きく影響するとされるところ、Tegra K1は同じNVIDIAのSoCであるTegra 4よりわずかに少ないスコア。ただし、Snapdragon 800よりは30%以上高速です。

以上の通り、現行のハイエンドSoCをはるかに上回る性能をThinkVision 28に搭載されたTegra K1プロセッサが持っていることが確認されました。Tegra K1は、NVIDIAの発表によると最大周波数は2.3GHzまで引き上げることが可能とのことなので、その潜在能力は今回のベンチマーク結果以上のものであることが予想されます。

NVIDIAがTegra 4の後継SoCであるTegra K1を「Tegra 5」と命名しなかったのは飛躍的な性能アップをアピールする狙いがあるとされていますが、Tegra K1はその通りの性能を実現していそう。Tegra K1は2014年前半の登場が予定されています。