開発・進化の進む自動運転車でも悪天候だと暴走してしまったムービー
自動車メーカーを始め、ITの巨人・Googleもが開発を進める自動運転車は進化を続け、無人でサーキットを高速走行したり、公道での走行テストがまもなく開始されるなど、一気に実現化が近づいてきた様相を見せています。しかし、韓国で開催された自動運転車コンテストでは、「悪天候」という条件の下で意外ともいえる弱点を露呈し、まだ課題が残されていることを感じさせる興味深いムービーが公開されました。
2014 Hyundai Self-driving car competition : day 2, rainy day with wet and slippery road - YouTube
自動運転車の競技会がスタート。大会二日目の様子が収められているムービーですが、走行の直前に急な雨が降ったようで、路面がビショビショにぬれているほか、現在も雨が少し降り続いている様子。
スムーズに走行しているように見える車両ですが、時おり車線をはみ出してしまうことも。
しかし、開発の進む自動運転技術ということで、標識に書かれた速度制限をキッチリ下回ってきました。
指定の最高速となる時速120kmもクリア。
順調に走っていた車両ですが、突如道路脇に寄っていき……
突然、停止してしまいました。これは原因不明の模様。
しかし、数秒後に再び走行を開始。
道路脇に立つ歩行者の検知に失敗。雨が降って路面がぬれ、さらに雨模様と微妙な太陽光線ということで、車載の複数のセンサーをもってしても状況判断はかなり困難な様子です。
交差点停止はクリア。
交差点を出て、前走車を追いかけながらの走行もクリア。
しかし、次の交差点で問題が発生。
進路を見誤ったのか、内側に大きく脱輪してしまいました。
その理由は「カメラのセッティングのため」と説明されています。車外におかれて雨が直接当たるカメラのため、水滴などで映像が乱れたのでしょうか。
そして再び走行を開始。前走車から落とされた障害物を検知してストップに成功。
そして次には最大の問題が発生。交差点を見失って迷走する車両が……
歩行者分離帯のブロックに乗り上げてしまいました。
ほぼ亀の子状態の車両。よく見れば、画面左上のカメラ映像はほとんど判別できない状態で、これでは路面状況の判断が難しいと言われても仕方がありません。
復帰のためには、スタッフが手動で操作するしかなかった模様。
その後も時おり問題を起こしながら走行は続き、最後の車庫入れでもやや迷走状態。やはり悪天候での自動運転は難しいということを思い知らされるムービーとなっていました。
なお、晴天時に行われた同じ車両のムービーがこちら。おおむねスムーズに走行している模様ですが、「天候」という条件が変わるだけで大きく性能が影響を受ける様子を見ることができる興味深い映像と言えそうです。
2014 Hyundai Self-driving car competition : day 1, sunny day with dry road - YouTube
2つのムービーを並べて表示するページで見ると、さらに違いが分かりやすくなっています。
2014 Hyundai Self-driving car competition _ day 2, rainy day with wet and slippery road vs. 2014 Hyundai Self-driving car competition _ day 1, sunny day with dry road by VJ Ann O'Nymous | YouTube Doubler | Mashup Helper
http://youtubedoubler.com/?video1=xs9Gr9V2mOE&start1=7&video2=D7WtSB55q4s&start2=0
これらムービーは、韓国の自動車メーカー「ヒュンダイ」が開催した自動運転車競技会での模様を収めたもので、映像に登場している車両はKAIST(旧称:韓国科学技術院)が開発したもの。開発の進む自動運転車にもまだ開発の余地は残されていることが垣間見える意義深いムービーとなっていました。
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