取材

マツダは自動で光軸を変化させるLEDヘッドライトやサーキット自動走行車両などを展示


2014年10月7日(火)から開催されている「CEATEC JAPAN 2014」のマツダブースでは、自動で光の向きを制御してより明るく安全な走行環境を可能にするLEDヘッドライトや、自動運転でサーキットを走行する車両が展示されています。

【MAZDA】マツダ、「CEATEC JAPAN 2014」に新世代ヘッドランプ「アダプティブ・LED・ヘッドライト」などを出展|ニュースリリース
http://www.mazda.com/jp/publicity/release/2014/201410/141006a.html

少し小ぶりなマツダのブースに到着。近年のマツダのイメージ色である鮮やかなレッド「ソウルレッドプレミアムメタリック」に塗装された新型デミオと、少し特別なデザインのアクセラが置かれています。


◆自動運転システム搭載の「アクセラ」
まず目に飛び込んでくるのが、特別デザインが施されたアクセラ・スポーツ。


ヘッドライトからフェンダーにかけてメッキ調のシルバーラインが走っています。


ルーフも黒とレッドのグラデーション塗装が施され、アクセラの欧米名である「MAZDA 3」のロゴが施されていました。


特別塗装の理由は、このアクセラは「自動走行システム」を搭載した車両だからというわけです。


車両の横では、アメリカの伝統的なサーキットである「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」を走るアクセラの映像が流されており、キレイなライン取りでコーナーをクリアする様子を見ることができます。これはもちろん自動運転による走行なのですが、走行の際には数か所に設けられた基地局と通信を行いながら自車の位置を把握する「マップマッチング」などの技術が用いられ、定められたラインを忠実にトレースするようになっているとのこと。


慣れていない人ならば、普通に走らせることすら難しいサーキット走行ですが、マツダの自動走行システムはなんなくクリアしているようでした。なお、マツダではこの自動運転をGoogleの自動運転車のような全自動運転システムにする狙いはないとのこと。あくまで危険回避などドライバーの補佐として働かせ、ドライバーに優先権を残すところが、「人馬一体」を標榜するマツダのこだわりといえそうでした。

◆状況に応じて配光を自動調整する「アダプティブ・LED・ヘッドライト」
ブースの横でデモされていたのが、道路の状況をカメラが読み取って、自動でヘッドライトの配光を調節する「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」です。ALHはハイビーム側に搭載されるシステムで、対向車や先行車の存在を感知すると、ヘッドライトの一部分のみを消灯することで相手のドライバーにまぶしさを感じさせることなく、より明るいライトアップ環境を手に入れることができるようになっています。


それを可能にするのが、アレイ状に配置された6つのLED灯体。これらを一灯ずつ制御することで、状況に応じて自由に配光パターンを変化させることができるとのこと。


全点灯している状態がこちら。小さなLEDですが、間違いなく直視は避けたほうがいい明るさだったので、ライトとしての性能は十分。


全点灯状態で照らされる範囲はこんな感じ。レンズのカットに工夫を加え、明るさと自然な配光を追求したそうです。


次に右側の2灯を消してみました。


すると、照らされていた範囲の一部だけが真っ暗に変化しました。


さらに、1灯だけ消灯して細かいエリアだけ照らさないような使い方が可能。


このシステムが実用化されると、相手に迷惑をかけることなく常にハイビームを使用することができるようになるとのこと。本来、夜間の走行時はハイビームを使うことが基本とされていますが、実際には相手の存在に気遣うばかりにロービームにせざるを得ず、結果として歩行者などの視認性が悪くなるという状況を引き起こしてしまっているのが現状。そんな問題を解決するためのソリューションがALHだとのことでした。市販車への搭載はまだ未定とのことですが、2015年春頃にもデビューと噂される新型車への搭載があるのか、気になるところです。

◆新型デミオ
2014年9月末に発売されたばかりの新型デミオも注目を集めていました。


安全性能を高めるための取り組みが掲示されています。


その取り組みの一つが、運転中に大きく視線を移動させる必要をなくすための「ヘッドアップ・コンセプト」。


カーナビなどのディスプレイと操作部を分離させ、前方の道路からほとんど目をそらすことなく情報を確認できる見やすさと、手をハンドルから降ろした先にあるコントローラーで操作しやすさを追求。登場時には不満の声が聞かれることもあったナビやオーディオの統合システム「MAZDA CONNECT」にも改良が続々と加えられている模様です。


また、透過型のパネルに速度やナビゲーション情報などを表示する「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」をメーター上に装備。


エンジンをかけると、格納されていたパネルが立ち上がる仕組みです。


パネルに表示される情報は、ドライバーの約1.5m前方に焦点を結んで見えるため、視線の移動と目の焦点調節が少なくて済む、というわけです。

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in 取材,   ハードウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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